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11月27日 ステージ

 新幹線の車内は、たくさんの人々でざわついていた。まさか、こんなことを自分がするなんてな。驚きだった。窓の外を流れる景色は、颯爽のように変わっていく。さすが、新幹線だ。田舎の電車とはまるで違う。絵画のように美しかった景色もすぐに変わっていく。辺りを見渡すと、本当にいろんな人がいた。一番近くにいたのが会社員だ。どうやら、パソコンで資料を作成しているみたい。こんなところでパソコンを使って集中できるのだろうか?疑問が沸いた。でも、それくらい忙しいんだろうな。時折、スマホを見ながら近況を確認しているみたいだった。

 そして、斜め前には、大学生らしき人が。でも、新幹線を使って大学なんていかないだろうしな。彼は、

スマホで動画を見て、ノートにメモを取ったりと大変そうにしていた。カバンからは、法律の問題集もあったので、おそらくその試験勉強に励んでいるんじゃないかと思った。その大学生の前には女性が窓際に座っていた。彼女は、何もせず景色をずっと眺めていた。彼女は、この新幹線の旅が久しぶりで、その景色を懐かしそうに眺めていた。彼女は、何を考えているのだろうか?おそらく、30代前半くらい。スーツではないが、正装されているイメージだった。仕事の帰りだろうか?それとも別の用事だろうか?ずっと見ていたら変な人だと思われるから目線を逸らした。

 正直、あそこまで言われたら黙っていられなかった。昨日、山城は、徹底的に俺のことを煽ってきた。俺に会社に入って欲しいというより、そんな生き方でいいのか?と言わんばかり。中野にも言われたけど、ああいう偉そうにしているのは気に食わなかった。特に、"俺たちは一つ上のステージから見てます"みたいな。なんだ、それ。そんなに学生で起業してるのが偉いのだろうか?山城がそこまで言うならと、俺は東京に行き古屋と話すことにした。自分の生き方がつまらないと言いたいのなら、お前たちの生き方が面白いということを証明してほしい。証明するまで帰らさないぞと意気込んでいた。とりあえず、今日はホテルに泊まって明日、会って古屋に問いただす。中野も時間があれば来てくれるらしい。この前は言われたばかりだから、少しでも言い返さないと気が済まない。もうすぐで、東京を迎える。やっと、ここまで来た。車内のアナウンスとともに広げていた荷物を片付け始めた。ペットボトルに入った水を口の中に入れ、俺は立ち上がった。

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