表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/75

11月24日 会場十四

 俺は、中野に言われたことを自分の脳内にたたきこんでいま。


 ー11月9日ー


 山城は、熱心に話をしていた。山城の話し相手は、ソートミル株式会社の伊東新だった。伊東は、資料に目を通していた。


 中野「そこそこ有名なんだよ、あそこの社長」

 俺 「ソートミル株式会社っていいの?」

 中野「ああ。そこまで売り上げがあるわけじゃないけどね」


 中野は、スマホに書いてある記事を出した。スマホには、30代前半のイケメンの社長が写っていた。中野の言う通りとても経営が上手な印象だった。


 俺 「そうなんですか?」

 中野「うん。まだ、起業してから10年も経ってないから」

 俺 「ふーん」


 起業して10年がどんなものなのか?それすらわかっていない。それが、俺だ。


 中野「もし、よかったら聞きに行こうよ」

 俺 「わかりました」


 俺たちは、ブースに座った伊東と山城は深く話し合いをしているのを眺めていた。


 中野「すげぇ、粘ってるな」

 俺 「どういうことですか?」


 山城の姿を見ながらつぶやいた。


 中野「おそらく、アイツはもう、うちのサービス興味ないと思うよ」

 俺 「えっ、そうなんですか?」


 まぁ、言われてみたら興味がないようにも見える。でも、山城はとても頑張っていた。


 中野「たぶんな」

 俺 「だったら、早く止めた方がいいんじゃないの?」


 素朴な疑問をぶつけた。


 中野「まぁ、そうだな。でも、山城の経験値としてはいいんじゃないの」

 俺 「どういうこと?」


 経験値?なんだそれ?


 中野「別に失敗したって俺らは失うモノは何一つないんだ。だったら、挑戦して失敗するしかないだろう?何もしないことがもっともしたらダメなことなんだよ」

 

 そういうことか。まぁ、それ自体はわかるけど、でも、あんなに必死にならなくてもいいのに。俺は、そう思ってしまう


 中野「なんか、よくわかってないみたいだな」

 俺 「いやいや、そんなことないですよ」

 中野「お前、本気でなんか取り組んだことある?」

 俺 「いや、ないですよ」


 即答だった。ていうか、即答できる自分が嫌だった。


 中野「だろうな。そこが、お前と山城の差だよ」

 俺 「えっ?」


 少し下を向いた。


 中野「偉そうなことは言えないけど。目標に向かって頑張ってるやつは目の輝きが違うんだよ」  


 腹が立つけど、コイツの言っていることは理解できた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ