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11月23日 会場十三

 俺は、お父さんの飯を作っていた。おそらく、今日も21時頃に帰ってくるんだろうな。正直、お父さんのことは好きではない。けど、それはお母さんがいなくなったというただそれだけの理由だ。俺がお母さんのことが好きなわけではないので、ただの悪口なんだけど。もっと普通の親のところに生まれていたら、俺も親のことで考えずに生活していたのかもしれない。同じシングルでも近くに住んでいる篠木とは大きく考え方が違うのだ。たしか、篠木のところは、お母さんが病気で亡くなった。けど、俺のところは、ただの離婚。なんで、こんな家に生まれるかな。自分の運の悪さになんとも言えなかった。


 ー11月9日ー


 入り口から入ってきたのは、20代後半の男性とその部下らしき女性だった。俺は、山城が印刷した資料が出てくるのを待った。俺らのところにいた人たちは、別のブースに渡っていく。三田は、先ほど使っていた資料を直していた。すると、後ろにいた山城がなぜか古屋のところに走りに行った。何しに行ったんだろうか?印刷物をまとめて、山城が座っていたデスクの上に置いた。古屋と何かを話している。あんなに急いでいたのは、何かあったに違いない。そんな気がした。古屋と話し終えた山城。今度は、さっき入り口から入ってきた男性のところへ向かっていく。さっきの男性を呼び止めた。男性が来ていた制服には、ソートミル株式会社と書かれていた。どんな会社だろうか?二人は、なにやら話し始めているみたいだった。


 中野「気になるか?」

 俺 「はい。あれ、どうしたんですか?」


 中野は、何かを語りたいみたいだ。俺がゆっくり山城の方を見ていたのも原因かもしれない。


 中野「あそこにいる男性いるだろ?」

 俺 「はい」


 中野が指差した男性は、ソートミル株式会社の社員。


 中野「あの会社のサービスが俺たちが使いたかったんだよ」

 俺 「そうなんですね」


 どんなサービスなのか?そもそもなんの会社なんだろう? 


 中野「だから、おそらく話に行ったんじゃないかと思うよ」

 俺 「そうだったんだ」


 使いたいサービスがある会社か。羨ましいな。


 中野「ああ。知らない?ソートミル株式会社?」

 俺 「いや、知らないですね」

 中野「そうだよな。知らないよな」

 俺 「はい」


 わかる、わかると共感してくれているみたいだった。


 中野「あそこは、IT系の会社なんだよ」

 俺 「そうなんですね」


 ここには、IT系の会社も来るんだと感じてしまった。

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