11月19日 会場九
東藤の話をしていて思った。俺も、今のまま何か縛られて生きるのはイヤだと。大学とか社会人とかルールがキツくて俺には合わないと思う。だったら、もっとルールのない自由な中にいる方がいい気がしていた。それが何なのか?それは全くわからない。
ー11月10日ー
さっきの案内人に言われたところに行ってみると、約20人くらい待っていることがわかった。すぐさま、古屋に連絡を入れた。まだ、空いていないということはそれくらい手間取っているということなのだろうけど。すると、20人くらいの前にいた女性は、大きな声を出した。では、今から開けますね。女性がゆっくりと扉を開いた。扉が開いた瞬間、たくさんの会社の人たちが迎えてくれるみたいだ。俺は、この人たちと一緒に入るわけにはいかなかった。トイレに行って、戻ろうとしたその時、前にいたのは、高田という人物だった。
高田「今、時間ある?」
俺 「うん。戻らなくていいの?」
なぜ、高田はここにいるのだろうか?
高田「今は、大丈夫って聞いてるよ」
俺 「そっかぁ。どうかしたの?」
ここに来たことには触れなかった。
高田「さっき、BIG3のこと聞いてビックリしたよ」
ビックリしたんだ。
俺 「俺も、まさかここにいるとは知らなくて」
高田「そうだよね。ちなみにどっちの知り合い?」
俺 「どっち?」
彼女は、何を言いたいのか?
高田「矢田か篠木どっちか知り合いだよね?」
俺 「なんで、そう思うの?」
すぐには答えず、聞き返した。
高田「だって、BIG3とか知ってないと思うんだよね、普通」
俺 「そうかな?」
それは論理が崩れてしまう。
高田「知ってても、あの場で出す必要性がないと思うの。出すってことは、その言葉の意味と当人たちが合致していることがわかっているのかと思ってね」
説明が上手い。一伝えるだけで、ニ、三と理解できる。
俺 「なるほどね」
高田「どっち?」
俺 「篠木だ」
諦めて答えることにした。
高田「へぇー、やっぱり知り合いかぁ」
俺 「高田さんの言う通りだよ。七海とは、家が近所なの」
高田「そうだったんだ」
真剣な表情をしていた。
俺 「だから、昔からよく知っているよ。今でこそ、ほとんど話す機会は減ったけど」
あまり、昔のことは思い出したくなかった。




