11月18日 会場八
俺は、帰っても何もすることないから、東藤たちと会うことにした。東藤は、進学も就職もしないと断言していた。何をするか?という質問は愚問だった。もう何百回と聞かれてるこの質問に対して、嫌々している感じがしたので俺は、あえて聞かなかった。東藤は、あまり多くは語らないけど、いろいろ抱えている問題も多いんだと思っていた。進学も就職もしないってなると、フリーターやニートなどの言葉が当てはまるのだろうけど、東藤はそんなアホじゃない。きっと何かあるんじゃないかと俺は思っていた。俺たちのクラス中でも真ん中ぐらいの成績はとっている。何か考えているはずだ。
ー11月10日ー
俺は、ホッチキス止めを終え、次の作業に移っていた。次は、プレゼンテーション用のパワーポイントの準備だった。会場には、既に100人ほどの人が準備していることがわかった。辺りを見渡すと、各々がいろんな作業をしている。パソコン作業の人もいれば、資料準備の人も。お客様が来るまで、残り10分を切った。すると、この会場の人らしき人が扉から入ってきて、大きな声を張り上げた。
後、5分で入場者入れますね。よろしくお願いします!!会場の人はみんな、これまで以上に急が始めた。俺は、外に何人くらいの人がいるのか見るように古屋に頼まれた。何人いるかは別にいいけど、何人いたら多くて、何人いたら少ないのかよくわらかない。これ見に行って何人か伝えて、どういう反応するのだろうか?俺は、ゆっくり横の扉の方に向かって歩いていく。この会場にいるのは、約20社くらいだろうか?それぞれの会社が、準備している様子はなんか運動会みたいな雰囲気だった。
俺は、扉の戸を開けて、後ろ扉の方に向かって歩き出した。ホテルみたいな雰囲気を醸し出すこの会場。何人くらいの人が来ているのか?俺も楽しみだった。歩いていくがなかなか扉が見えない。どこだろうか?ちょうど、会場の案内人らしき人が見えたから俺は聞くことにした。すいません!!案内人の男性は、振り向いた。会場の入り口って、どこですか?男性は、少し困りながら口を開いた。こっちじゃないですよ!えっ?どういうことだ?俺は、よくわからないでいた。男性が指差した入り口は、さっき来た道の反対方向にあったのだ。くそぉ。せっかくここまで歩いたのにな。開場まで後5分だったから、もう開いてるだろうな。それでも、さっきまでの道のりを戻ることにした。




