11月17日 会場七
俺は、ゆっくり昼ご飯を食べていた。お腹いっぱいになったのはよかったけど、一人というのはどこか寂しかった。
ー11月10日ー
山城「できた?」
俺 「うん、今50部くらいね」
50部ってことは半分くらいだろう。
山城「順調だね」
俺 「あと、どれくらいで始まるの?」
山城「後、15分くらいね」
15分で本格的に始まるんだ。楽しみだな。
俺 「始まったら何をするの?」
山城「まずは、来た人に宣伝かな」
俺 「そうなんだ」
宣伝かぁ。まぁ、そりゃあそうだろうな。
山城「まぁ、私たちが直接話すわけではないけどね」
俺 「誰が話すんだ?」
どういうことだろうか?
山城「基本的には、中野と三田が話すよ」
俺 「そうなんだ」
山城「うん」
中野と三田がこの会社の中心人物なのか?
俺 「じゃあ、古屋は何すんだ?」
山城「古屋は、別のことだろ」
俺 「別のこと?」
山城「うん」
俺 「何それ?」
何が言いたいのか?
山城「基本、社長ってのは他の社長と交友関係作るんだよ」
社長ってそういうもんなんだろうか?
俺 「交友関係?」
山城「うん。何かあったときにさ、お互いに助け合うようにね」
俺 「そうなんだ」
いわゆるコネみたいなものなのだろうか?
山城「特に、古屋は高校生社長だから。みんなから人気なんだよ」
人気なんだ。
俺 「へぇー、凄いじゃん」
山城「そうとも限らないよ」
返答が早かった。
俺 「なんで?」
山城「向こうも利用しようとしてくるからね」
利用?
俺 「どういうこと?」
山城「古屋みたいなのは、ビジネス利用しやすいってことよ」
さっきからよくわからない。話していることが。
俺 「どうやって利用するの?」
山城「たとえば、古屋を使って一緒にお金儲けようとしたり、マスコミにアピールするのよ」
そんなことあるんだ。全然知らなかった。
俺 「あー、なるほどね」
山城「大変なのよ」
俺 「でも、いいじゃん。お互いに儲けれるのなら」
素直に思ったことをぶつけてみた。
山城「そんなことないよ。大人は、最終的に裏切るから」
俺 「えっ?」
俺は、驚いた。
山城「必要なくなったら、裏切ってくるのよ。アイツらは」
俺 「そんなことするのか?」
山城「うん。それがビジネスの世界なの」
ビジネスというのは簡単ではないということか。




