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二人と昼食を食べ終えてからまた別行動をする事になった。
僕は身体強化スキル所持者のルチャリブレマスク特典でルチャリブレの試合を観戦しに行った。
初めてプロレスを見たが心と体に衝撃を受けた。ロープを器用に使い空中に飛んでから相手の顔を太ももで挟んで投げ飛ばす技やビックリするほど速い回し蹴り等を間近で見て興奮した。
身体強化スキル所持者同士の試合では速すぎて何をしているか分からないのでスーパースローカメラを使い、大画面でどう動いたのかを確認した。
一番驚いたのは観客がリングに呼ばれて戦うことがあると言う事だった。そして僕は呼ばれてボコボコにされた。
全ての試合を見終わって帰ろうとすると職員に呼び止められて身体強化スキル所持者特典を貰った。
それはマスク着用時にプロレス技を使用出来るようにするチップとプロレスの教本だった。
「貰って良いんですか?」僕は聞いた。
この街の管理者はルチャリブレの布教の為、身体強化スキル所持者にルチャリブレを使って欲しいのでなるべく派手に暴れるように要望を受けた。
僕は曖昧に頷いてから二人と待ち合わせをしている宿付きの飲食店に向かった。
二人と合流して食事して今日のあった事を話した。
「ルチャリブレ、カッコいいから使えば?」モヒカンが言った。
「ルチャリブレは強いでやんすね」メガネ出っ歯が言った。
僕はルチャリブレを使う事にした。