第3話 アルモンド商会での1夜
私は今、アルモンド商会に来ているというか…泊まらされている……
「シーラちゃん!はい…ご飯だよ〜!ほら〜早く食べて食べて!」
と目の前では、アルジェシカさんが私にご飯を勧めている……
どうしてこうなったのか……遡ること数十分前……
・・・・・
私が冒険者ギルドを後にして、宿に向かおうとした時、私は重大な事に気がついた……考えると私は宿をとってもいなければ、場所も知らない。この街で場所を知っているのは、冒険者ギルドと……アルモンド商会だけだ…しかもアルモンド商会は、ギルドの目と鼻の先で、そうでなければあの速度でアルジェシカさんが私の元に駆けつけて来れない……と私が悶々と色々なことを考えていると…
「シーラちゃん!今から商会に来てくれるわよね?」
と言いながらアルジェシカさんに腕を掴まれた……
「え?」
ふ、ふりほどけない……まぁ、アルジェシカさんだから、そこまで力を入れてないけど……それでも…めっちゃ強い!?
「まだ宿をとってないのは、知ってるし私たちの家に泊まっていってくれるわよね!」
「え?」
「そんな暇がなかったのは仕向……知ってるから!!行くわよ!シーラちゃん!」
…今、絶対仕向けたって言おうとした!!!!
と、思いながらもそのまま私はアルジェシカさんにドナドナされて行ったら……私の歓迎会!?的な事を準備していたらしい……なぜ?
「そんなの私がシーラちゃんを気に入ったからに決まってるでしょ!!」
なぜ?私が考えていることがわかった!?
「そんなの……私とシーラちゃんの仲だもの〜!そんな事よりも……早くご飯にしましょ!!あなた〜!早く来て〜始めちゃうよ!」
「そう急かさないでくださいよ……シーラさん先程ぶりです。」
モンドさんが…アルジェシカさんの旦那さん??
「そうよ〜!そういや言ってなかったわね!私たち夫婦で始めた商会なの!!元々冒険者だった私の経験を元に冒険者向けの商品を扱う商会よ!だから名前が…アル・モンド商会なのよ!」
「ってさっきから、私の心を読まないでください!……疑問なんですが、夫婦って割にはモンドさんが敬語なのが……」
「あ!それはね……あなた…話して大丈夫?」
「はい…シーラさんなら…何となくですが大丈夫なんじゃないかな?って思うので大丈夫ですよ…」
「分かった…まず初めにモンドは……」
ゴクリッ…
「借金奴隷だったの……それで何やかんやあって今に……」
「……アルジェシカさん?私が1番聞きたいところ!!抜けてるよ!1番は馴れ初めでしょうが!なぜ?その敬語の結論だけなの!!」
「へ?…シーラちゃんは、何とも思わないの?奴隷だから下に見るとか……」
「大丈夫ですよ!そりゃ犯罪奴隷とかになると怖いな〜って思いますけど、同じ人間を蔑む必要がどこにあるんですか?それより‼️馴れ初めです‼️」
「……ありがとう………実はね私冒険者の時荷物持ちが欲しくて…奴隷商によったのよ……そこで、私が一目惚れして……買ったのよ…結果的に言うとすぐに私は奴隷から解放したわ……だけど、惚れたのが私だけじゃなかったみたいで、そして夫もできたし…冒険者辞めて一緒に余生を暮らそうと思ってモンドは元々商会を持っていたんだけど騙されて落とされた感じで…じゃあ2人の能力を使って冒険者向けの商会を営もう!って思ったら思いのほか大盛況で沢山の店舗を持つようになりそこそこ大きな商会として名が知られてこの街に視察に来ようとした時にシーラちゃんに会ったって訳!!そして……モンドは、奴隷に落とされた時…夜の営みはできるけど、子供の作れない体にされて…だから…私たちに子供がいないのよ…だから…シーラちゃんと喋ってる時私たちに娘がいたらこんな感じなのかな?って思ってついつい甘やかしちゃった!!」
「なるほど…だからアルジェシカさんは…私にベタベタな訳ですね…まぁ、甘やかされるのは…嫌いじゃないですよ…私もアルジェシカさんと、モンドさんの事は好きですし」
と、このような事を言ってしまった…まぁ後悔はしてないんだけど……そして冒頭に戻る…
「まぁ、話が長くなってしまったわね…シーラちゃん!はい…ご飯だよ〜!ほら〜早く食べて食べて!」
「そうですよ…シーラさん早く食べないと冷めてしまいますから…」
「ありがとうございます…」
と私は、2人からのまるで親のような歓待を受けたあと、アルジェシカさんとお風呂に入った……改めて自分の体を見て、やっと本物の女の子に成れたんだなと実感していたが、やはりアルジェシカさんは、大きく自分と比べてしまった…するそれに気づいたアルジェシカさんが…
「大丈夫よ〜!シーラちゃんは、成長期なんだから伸びるわよ!それに私の娘同然なんだから!」
と謎理論で助けてくれたのだけど…血は繋がってないから分からないなw
まぁ、その後お風呂を出ると…モンドさんが…1人で寂しかったようで少し小さく見えた…そして、驚くほどの速さで出てきた!?
そして、私はアルジェシカさん…ではなく、モンドさんと寝ることに!?アルジェシカさん曰く、
『私……すごく寝相悪くて…夫婦なのに別で寝てるの…シーラちゃんを1人にするのは少し不安なので、あなた〜!お願いね〜!!』
との事でそれをモンドさんも了承したのだ…
そして、私の長いようで短い異世界転生初日が終わったのだ……