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プロローグ
プロローグと一話、二話を分けないで投稿しており、見づらいと思ったため分けて再び投稿しました。それに合わせて少し文章を編集しました。
たばこは吸わないと決めていた。
彼女の命日はお盆にかぶった。
そのため、墓参りに行くときは多くの桶を持った人とすれ違う。
「おはよう」
桶の水をかける。
「今日も暑いね。花火大会、明日行こうと思うんだ。ここからでも見えるかな、いや見えたらいいな」
そんな適当なことを見繕って、手を合わせると過去を思い、そこを去る。
彼女の墓参りに行く時、必ずすることがあった。
それは、ここに来る前にたばこを一本だけ吸い、一本だけ欠けた、たばこの入った箱を彼女にあげることだった。