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二、かやっ!

 蚊帳を見た時の衝撃。


 その夜、大好物のハンバーグを食べた後、お父さんとよしこといっしょにおふろに入った。

 おふろは土間にあって、はだか電球だけなので、うすぐらく、大きなくもがくものすをはってのぼるのを見ていたら、ぞっぞっぞっときた。

 ぼくはおふろの中で、じっとしていけど、お父さんやよしこはわらっていた。

 2人はこわくないのかな・・・あっ、見てないのか。

 そうだとぼくは、お父さんに今日あった話をした。

 そしたら、いつの間にかこわいのはどっかに飛んでいって、

「よしき、もう、友だちが出来たのか」

 と、お父さんがうれしそうに言ってくれた。


 今日は土曜日、ぼくとよしこはいつもなら8時前にねることになっているけど、この日だけは特別なんだ。

 だって、ドリフ(全員集合)があるんだもの。

 ドリフっては、とにかくおもしろくて、おもしろい人たちがいろんなことをしてくれる。

 ずっとわらいっぱなしなんだよ。

 たまにあるバカとのさまは一番大すきだし、ひげダンスもおもしろかった。

 でも歌と早口言葉は、あんまりすきじゃない、歌はよく分からないし、早口言葉は苦手なのもあるけど、「なまむぎなまごめなまたまご」や「あかぱじゃま、きぱじゃま、あおぱじゃま」や「かえるぴょこぴょこみぴょこぴょこあわせてぴょこぴょこむぴょこぴょこ」などと毎回おんなじ早口言葉なんで、いいかげんあきちゃった。

 あっという間にドリフがおわって、もうねる時間になった。

 よしこといっしょに、 こわいぼっとんべんじょでおしっこをして、ぼくたちのへやに行く。


 とびらを開けると、そこにはテントのような青いすけすけの物があって、その中にふとんがあった。

「なに、これ?」

 よしこが目をかがやかせてぼくに聞いたけど、分らなかった。

「すごいね!」

 ぼくらはおたがいに顔を見合わせてうなずくと、へやを飛びだし、お母さん、お父さんのいる部屋へどたどたと走った。

「お母さん、へんなのがある」

 とぼくが言うと、お母さんはわらいながら、

「ああ、あれは蚊帳(かや)よ」

「かや?」

 ぼくとよしこは同時にしゃべっていた。

「そう。あれはね、かが入ってこないようにするためなの」

 お母さんの言葉に、お父さんは、

「そうだぞ、ベープや蚊取り線香いらずだ」

 と、うなずいてみせた。

「すごいね!」

 ぼくは、今日、何度、目をかがやかせたのだろう。

「そうだ。だから今日はぐっすりねられるぞ」

 ぼくらはかやにもどってねむる。

 でも、ふとんに入ったら、ぼくは今日あったことや、かやの中でねることがうれしくて、なかなかねむれなかった。



 めっちゃワクワクしたな~。

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