はじめに
聞いて欲しいなぼくの話。
※武 頼庵様、主催「夏の遊び企画」参加拙作となります。
僕らが大人になってから、20年の月日が流れた。
子どもだった僕たちの多くは、父となり、母となり、もうすでにあの頃の年齢の君たちが生まれている。
そして20年前は君たちがおじいちゃん、おばあちゃんと呼んでいる人たちは、僕らのお父さん、お母さんだ。
さらに20年前は・・・考えてみると、ずーっと親子は続いている。
よくよく考えてみると不思議な感じがするね。
君たちのお父さん、お母さんは時々、こう言っていないだろうか、
「むかしは、外でたくさん遊んだもんだぞ」
そう言われて、君たちは、
(ぼくらだって、いっぱてあそんでいるよ)
と、思ったり、頬を膨らませて言い返しているだろう。
そんな偉そうなお父さん、お母さんは、おじいちゃんもおばあちゃんに、
「むかしは、もっと、よく遊んだもんだ」
と言われていたんだ。
そして、同じようなことを思ったもんだ。
君たちも大人になったら、同じようなことを言うかもしれないね。
さてと、じゃあ、僕が6歳の頃のお話をするね。
へぇーと思うかもしれないし、なあーんだ、その遊び知ってるし、やってるよと言うかもしれない。
でも聞いて欲しいな、ちょっとだけ昔の、みんなにとってはだいぶ昔の僕の夏の思い出さ。
夏休みのある日。