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NOT撲殺その8   聖女様のお悩み相談室

冒頭から光の柱が立っていますが、撲殺シーンは終了した後なのでNOT撲殺名義です

「主よ、この哀れな子羊に救いの手を」


 お約束のまったく心のこもっていない雑な祈りの言葉とともに、胸の前で十字を切るレベッカ。


 その後ろで巨大な浄化光の柱が立ち、黄色い熊をはじめ某夢の国方面に生息しているネズミやらダックやらに酷似した非常にヤバいビジュアルのあれこれが消滅する。


 年が明けてすぐの一月二日。新年早々レベッカは、聖心堂女学院の敷地内に現れた、放置できない危険物の処理を行っていた。


『無事にケリがついたかの?』


『はい』


『まったく、酷い目に遭ったぞ……』


 黒服に拉致られて行方不明になっていたプリムから、一応の無事と事態が終わったかどうかの確認の連絡が来る。


 それに答えつつ、結局これはどういう内容だったのだろうかと内心で首をかしげるレベッカ。


 そのレベッカの疑問を感じ取ったかのように、プリムが指示を出してくる。


『とりあえず、今から教会の方に戻る。何があったかはそこで説明するので、お主も戻ってくるように』


『分かりました』


 現地でやることは全て終わっていることもあり、素直に指示に従うことにするレベッカ。


 日本で二回目の新年は、なかなか波乱に満ちたスタートとなったのであった。








「……あら?」


 教会に戻ったレベッカを待ち受けていたのは、小学校高学年ぐらいと思わしき男の子を前に、困った顔をしている美優であった。


「ああ、よかったシスター」


「どうしました? というか、いつからお待ちいただいていました?」


「時間にしたら五分は待ってないかな? 閉まってたから、どこかに出かけてるんだったら出直そうかと思ったんだけど、この子がねえ……」


「そちらの方は、お知り合いで?」


「いんや。今日ここで初めて存在を知った感じ。どうも、家出少年の類らしいんだけどねえ……」


「はあ……」


 なかなかややこしいことになっていそうな美優の説明と、その間もかたくなに動こうとしない少年に、面倒なことになりそうだと内心でため息をつくレベッカ。


 レベッカに見覚えがない時点で、間違いなく近隣に住んでいる子供ではない。


 それだけでも、どう考えても厄介な話だ。


 とはいえ、一応仮にも聖職者なので、放置という訳にもいかない。


「とりあえず、風邪をひく前に中に入りましょう。すぐに理事長もいらっしゃいますので」


「ああ、うん。助かるよ」


 レベッカの申し出に、心底ほっとした表情を浮かべる美優。


 大企業の社長と言えど、対処に困ることはあるようだ。


「それで、少年。家に帰りたくないのは分かったけど、理由ぐらいは話しなよ。そうじゃないと対処のしようもないし、シスターにだって迷惑だ」


 中に入り、レベッカが温かいお茶を人数分出したところで美優が切り出す。


「……大人に話しても、どうせ聞いてくれない」


「まあ、大人ってそういうところはあるのは認めるけどさあ。一歩間違えればシスターが犯罪者扱いされるってのに、事情も要求も言わずに居座ろうとするのはねえ」


「そうですねえ。一応立場的に一足飛びでそういう扱いになることはないでしょうけど、所詮私は外国人ですからねえ。訴えられたら割と立場としては弱い感じですよねえ」


「そこまで明確に差別されることはないだろうけど、国籍関係なく在住二年でそういう訴えられ方をすると厳しい見方をされる部分はあるよね」


「余所者の扱いなんて、どこの国でもそんなものですからねえ」


「えっ……?」


「それがルールで法律ってものだよ、少年。どんなに理不尽に思えても、ルールはルールだ。しかもこの法律に関しては、実際に少年のような子供が犯罪に巻き込まれて外国に売り飛ばされたり殺されたりした事例があったから、できた法律だからね」


 美優の言葉に、そこまで考えていなかったと顔色を変える少年。


 それを見た美優が、小さく苦笑しながら言葉を続ける。


「だから、せめて事情ぐらいは話しなさい。場合によっては、おばさんが少年のご両親と話をつけてあげるからさ」


「……はい」


 美優に言い含められて、やや渋々という感じながらも口を開く少年。


 少年の事情は、ある意味でありきたりなものであった。


「学校に行きたくないって言ったら、お父さんとお母さんに殴られた」


「そりゃまた、厄介な事情だねえ」


「何が厄介な事情なんじゃ?」


 少年が端的に事情を答えたタイミングで、ようやく戻ってきたプリムが口を挟む。


「おや、理事長。おかえり、でいいのかな?」


「どうじゃろうなあ。儂はここに住んでおるわけではないからのう……」


「まあ、細かいことは置いとこう。理事長だってよく対処させられる類の話だと思うんだけど、この子学校に行きたくないって言って親に殴られたらしい」


「……休みの日に、学外の子供の分まで関わりたくは無いぐらいには厄介で面倒な話じゃのう……」


「行きたくない事情次第というところではありますが、私が受ける相談の中でも上から数えたほうがいいぐらいには面倒なタイプの案件ですね」


 そう言って、小さくため息をつく年長者たち。


 その態度にムッとした少年がかみつこうとしたところで、機先を制するように美優が口を開く。


「言っておくけど、今の段階で少年がわがままで学校に行きたくないって言ってるとは思ってないよ。ついでに言うと、厄介で面倒っていうのは、親がこの程度のことで暴力ふるってるって事の方だからね」


「そうじゃのう。犯罪に手を染めたというのであればまだしも、単に学校に行きたくないと言った程度ではのう……」


「そもそも、なぜ学校に行きたくないのですか?」


「行く意味を感じないから」


 レベッカに問われ、正直な気持ちを口にする少年。


 その理由に、さらに難しい顔をする美優とプリム。


「君が学校に行く意味を感じないのは、学校になじめてないパターンと勉強についていけてないパターン、それから学校の勉強が簡単すぎると思っちゃってるパターンのどれ?」


「もしかしてとは思うが、不登校を売りにしとる配信者の思想にかぶれた訳ではなかろうな? ぶっちゃけ、あの道に進んでうまくいくのはよほど学習能力が高い人間か、学校教育にとことん不向きなタイプのとがった才能の持ち主だけじゃぞ? 99%以上はあの道に進んだら破滅しか待っておらんぞ?」


 美優とプリムが、畳みかけるように少年に問いかける。


 それを横で聞いていたレベッカが、首をかしげながらプリムに問う。


「その不登校配信者という人物を知らないのでその思想が分からないのですが……」


「まあ、たかが義務教育の内容程度で学校に行くのは時間と青春の無駄だから、最低限の自習以外は好きなことをやるべきだという考え方じゃな。ぶっちゃけ、教科書を読んだだけで全ての内容を理解し全国模試で三ケタ台に入れるぐらいの学習能力がないと、まず破綻する思想じゃ」


「なるほど。たしかに無謀ですねえ、それは」


 プリムの説明に、それはそうだと納得するレベッカ。


 レベッカの経験上、独学というのは基本的に非常に効率が悪く、少なくとも基礎が身につくまでは人から教わったほうが圧倒的に早い。


「それで少年。君はどうして学校に行く意味を感じないのかな?」


「だって、何の役に立つか分かんないことばかり教えるし、意味わかんないルール強制してくるし、俺のせいじゃないことを俺が悪いって決めつけて怒ってくるし、なんで嫌な思いして無意味な勉強しに行かなきゃいけないんだよ?」


「なるほどねえ。まあ、正直、分からなくはない」


「えっ?」


 自身の言い分にあっさり理解を示した美優に対し、思わず驚きの声を上げる少年。


 大人が同意してくれるとは思わなかったらしい。


「おばさん達だって昔は小学生だったからね。よほど勉強が好きだったりいい先生に当たったりした人じゃなきゃ、みんな一度は同じようなことを考えてるはずだよ」


「そうじゃのう。特にお主の場合、小学校時代に双子の姉が担任のせいで死にかかっておるから、こやつの言い分は昔の自分の主張と重なっておろう?」


「うん。まあ、それ抜きでも、もう一度小学生から授業受けなおせって言われたら断固として拒否するけどね。やり直せるならちゃんと勉強したいって思いもなくはないけど、それと授業が苦痛なのは別の問題だし」


「じゃろうなあ。実際、儂も知り合いにその話をすると、ほぼ全員に二度とごめんだと言われるからのう」


 学校教育に対する赤裸々な会話に、驚きの表情のまま固まってしまう少年。


 その衝撃が抜けると、ふつふつと言いようのない怒りが湧き上がってくる。


「だったら、なんで学校なんか行かなきゃいけないんだよ!」


「さっき儂とこやつが話しておったように、学校に行かずに必要な知識を得るというのがとんでもなく難しいからじゃな」


「子供のうちに学校に行っておかないと、後から自分で勉強して物を覚えるのって大変なんですよね……」


「それを言えるほど、お主は老いてもなければ物覚えも悪くなかろう?」


「それでも、やっぱり年齢一桁や十代中盤ぐらいまでの人と比べると、だいぶん理解力も吸収力も劣る自覚はありますよ。幸いにも私の場合、教会で最低限の教育はしてもらえましたが、分かりやすい内容だったにもかかわらず、すぐに忘れてしまって苦労しました」


 実際に学校に行けなくて苦労したレベッカが、しみじみとそう告げる。


 レベッカが教会に保護されて最低限の教育を受けることができたのは、推定十二歳ごろの時。


 当時の栄養状態と偏った経験の影響もあり、普通なら一年で終わる内容に三年近くかかった覚えがある。


 そんなこともあって、実のところレベッカが小学校レベルの四則演算をちゃんとできるようになったのは、日本に赴任する話が出た頃のことだったりする。


 その割に契約書やら何やらをちゃんと読む知識があるのは、必要に駆られて死ぬ気になって覚えたからに他ならない。


「なので、私の場合、恐らく日本の教育内容に当てはめると、小学校三年生から四年生ぐらいで、しかも理科は完全に排除したものしか身についていません」


「それで十分って事だろ?」


「いいえ。立場や職業の関係でどうにかなっているだけで、常に勉強や知識の不足を感じていますよ」


「だったら、足りないと思ったものだけ勉強すればいいじゃんか!」


「それがですね。足りてなくて困っているのに、何が足りていないのか、何を勉強すればいいのか分からないのです」


「はあ? なにそれ?」


 レベッカの割と深刻な言葉に、意味が分からなくて不機嫌な顔で聞き返す少年。


 そんな少年の様子にどう説明すれば伝わるか考えてから、最近あった事例を話すことにするレベッカ。


「ちょっと前のことなんですが、信者の方から色が変わるお茶をいただくことがありまして。そのお茶、もともとは青い色をしているのにレモンを入れるとピンクになるという不思議なお茶なのですが……」


「そういえば、お主理屈を説明されても全く分かっておらんかったな」


「はい。そもそも、リトマス反応って何? という話で、酸性とかアルカリ性とか説明されても全くピンとこなかったんです」


「はあ?」


「このぐらいならまだ、恐らく理科の内容なんだろうとあたりをつけることはできますが、じゃあどこから勉強すれば理解できるのかというとさっぱりでして」


 レベッカの説明に、ようやくそのヤバさを理解して絶句する少年。


 確かに勉強しなくても読み書き四則演算ができれば日本で生きていくことはできるだろうが、そのヤバさはそういう問題ではない。


「無駄かどうかなんぞ、実際に触り程度でも学ばん限りは判断しようがないからのう。少年よ、今の勉強が無駄なことを学ばされている、と考えられるのも、義務教育で学んでおるからじゃぞ」


「今は無駄でも後で必要になることって珍しくないし、一度でも勉強したことがあると勉強しなおすにも楽だしね」


「うむ。儂らの年になると、全く勉強したことのない内容を身につけようとすると恐ろしく苦労することになるからのう」


「まあ、少年の年だと絶対ピンとこないだろうけどね」


 そこまで言って、思わず遠い目をするプリムと美優。


 触り程度で十分とはいえ、割と頻繁に新しい内容を学ぶ必要が出てくる立場だけに、年とともに衰える学習能力についてはかなり深刻なものがある。


「まあ、あれだ、少年。君はスキルツリー制のゲームとか、やったことある?」


「……あるけど」


「学校ってのは、あれの一段階目とか二段階目とかの効果がなかったりないに等しい程度だったりするスキルを、ポイントなしとか最低限のポイントで習得できるシステムだと思えばいいよ」


「それは言いえて妙じゃな。しかも、義務教育で触れておかねば、後で十倍以上のポイントを支払わされる、というところか?」


「そうそう。さらに言えば、性質が悪いことに直接つながってないツリーにもひょっこり前提条件として出てくるのが、この手のスキルだったりするんだよね」


「うむうむ。ゲームならツリーが見れるから後からでも取得できるが、現実だとそうはいかんからのう。少しでも学んでおればなんとなく分かっても、一切触れておらねば全く手掛かりなく努力する羽目になるんじゃよなあ」


 妙な言い分ながら、目の前の大人たちが何を言いたいのか理解して思わずうつむく少年。


 彼女たちは、学校に行かなければ馬鹿になるとかそんな固定観念じみた話ではなく、実例をもとにして学校に行かないデメリットを説明してくれているのだ。


 ここまでされて、学校が無意味だと言い切るほど少年も馬鹿ではない。


 が、それとは別に、今通っている学校に対してぬぐい難い嫌悪感があるのも事実である。


「まあ、ここまでは人生の先輩としての意見。子供を持つ親としては、ぶっちゃけ義務教育の内容全部を効率よく学ぶ手段と環境があるなら、必ずしも小中学校に通わなきゃいけないとは思ってないんだよね」


「いきなり手のひらを返したのう……」


「さすがに、命をかけてまで通えと言う気はないよ。効率よく知識と教養を叩き込んでくれるとか、横のつながりでなんとなく自分のレベルが分かるとか、学校教育に多大なメリットがあるのは事実だけど、子供を通わせるのは厳密には義務じゃないからね」


「そうなんですか?」


「うん。あくまでも、国が設定した義務教育の内容を、受けたことを証明できるシステムを使って子供に教育するのが親の義務だから、実は学校じゃなくてもいいんだよ。もっと言うと、あくまで義務なのは保護者の方で、子供には受ける義務は無いんだよね」


 さんざん深刻な話をしておきながら、あっさり手のひらを反すようなことを言う美優。


 実際、日本では特例のような扱いのためあまり事例はないだけで、通信教育やフリースクールで単位を取って義務教育を満了すること自体は、ちゃんと認められている。


 特にレベッカが住む世界の日本では、数年前に大阪のある中学校が学校ぐるみで一人の生徒をいじめ抜いて殺しかけた事件がきっかけで、学校以外の公的教育の認可が加速している。


 潮見はそのあたりも先進的な地域なので、その気になれば中卒までの資格を取れる学校以外の教育機関はいくつもある。


 探せばこの少年にあった学校等もあるだろう。


「えっと、いいの?」


「さっきも言ったけど、学校教育のメリットと学校が問題を抱えてることは別の話だからね。いじめとかの問題があるから学校なんて無駄だってのは全く筋が通らない意見だけど、現在被害を被ってる人間が我慢しなきゃいけないってのもおかしな話だし」


「まあ、単に何となく合わんだけなら、それも経験と訓練じゃと割り切って今のまま通うことを勧めるがの」


「その辺も含めて、一度少年のご両親と話し合いかな。本当はあんまりよくないことなんだけど、乗り掛かった舟だしおばさんこれでもそれなりに偉い人だから、もうちょっとは付き合うよ」


 そう言って、善は急げとばかりに席を立つ美優。


 それを見たレベッカが、テーブルの上を片付け始める。


「とりあえず、また何か困ったことや悩み事があれば、相談にいらしてください。神の家はいつでも門を開いていますから」


「うん」


「それにしても、どうしてこの教会に?」


「変わった格好のお姉さんが、ここに行けば解決するって」


「変わった格好のお姉さん、ですか?」


「うん」


「どんな格好ですか?」


「漫画とかでたまに見る感じの、着物ともドレスともつかない服着てた。そういえば、いつの間にかいなくなってたっけ」


「……怪しいですね……」


 どこまでも怪しい情報に、どうしたものかと頭を抱えるレベッカ。


 単なるコスプレならともかく、いつの間にかいなくなっていたという情報が怖い。


「理事長に心当たりは?」


「ありすぎて逆に特定できん」


「ですか……」


「まあ、儂の心当たりなら、どいつであっても面倒なことにはなっても害はなかろう」


「面倒なことにはなるんですね……」


「まあ、儂の関係者じゃからのう」


 妙に説得力のあるプリムの言葉に、それならしょうがないといろいろ諦めるレベッカ。


「それじゃあ、この少年を送っていくよ」


「お願いします」


 あまり他人に聞かせるべきではない話が出てきそうだと判断した美優が、さりげなく少年を連れ出す。


 そんな二人を見送ったところで、レベッカが先ほどの話を続ける。


「それで、最有力候補は?」


「この程度では絞れんわ」


「そうですか……。そういえば、先ほどの夢の国関係の黒服は、関係ありそうですか?」


「それも、何とも言えんのう。あれは都市伝説がおかしな形で実体を持った類じゃからなあ……」


「そうなんですか? というか、元となった都市伝説というのは?」


「単純じゃよ。夢の国関係を無断で使用すると、アングラな連中に拉致られてケツの毛までむしり取られたうえでニューヨークの港湾に浮かぶことになる、という何の根拠もないが原因は思い当たることがある類の奴じゃ」


「なるほど。ということは、もう少しで理事長は港湾に浮かぶことに?」


「なっておったかもなあ……」


 何とも判断に困る情報に、互いに遠い目をせざるを得ないレベッカとプリム。


「まあ、前回の狐と違い、適当にしばいてもあとで困るということは無かろう」


「ああ、前回の狐、理事長が止めようとしたのはそういう事だったんですか」


「まあ、お主が勝てるかどうか微妙だったというのもあったがの。下手に滅すると、残りがどこに逃げるか分からん上に、進化して手に負えんことになりそうだったんじゃよ。なぜか復活した場所に潜伏しておったから、八つ当たりも兼ねてきっちり仕留めておいたがの」


「そんなに大事だったんですね」


「お主は、もうちょっとそのあたりを気にせい……」


 レベッカの脳筋ぶりに、心の底から呆れつつ苦言を呈するプリム。


 そんなこんなで、いろいろ問題が継続していることを実感せざるを得ない三が日を過ごすことになるレベッカ達であった。

前回入れ忘れたプリムが撲殺を制止しようとした理由を入れておきました。


なお、今回のネタは少し前にランキングに乗ってた学校で教える教科についてのエッセイと、それに関連して思い出した某ユーチューバーの主張をベースにしてます。


この話って、学校や教師に不祥事が多いこと、大人になってから直接的には使わない教科が多いこと、授業が詰め込み重視になりがちなうえにそもそも内容が面白くないケースが多いことやその他諸々の問題は全部別々に議論すべき話なのに混同されがちなのが一番の問題だと思ってます。


また、それらの問題全部がどれ一つ解決していなかろうと、学校のメリットや価値を否定する根拠にならないという点も、割と都合よく無視される傾向がある気がします。


ちなみに、聖女様が作中で語っていた学校行ってないことで何が困るかについては、上げられた事例は違いますがフィンガーファイブの晃さんがあっちこっちの番組で語っていたことをベースにしています。


彼も親の都合に振り回されて結局まともに小学校に通えなかったため、今でも周囲の人の話についていけないことが多い上に何が分かっていないのか、何をどこから勉強すれば話についていけるようになるのか、それすら分からないことが多いと折に触れて語っておられます。


上記の一点だけでも、一番学習能力が高い十代までに何らかの形でちゃんと義務教育を受けることがどれだけ重要か、よく分かろうかと思いますがいかがでしょうか?


無論、いじめの問題や授業の質の問題について解決する努力も、今扱っている教科がベストなのかどうかという議論や検証も常に行うべきですが。

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― 新着の感想 ―
[良い点] おばさん達だって昔は小学生だったからね。 などと言いつつ、美優おばさんと少年しか小学校行っていないのがおもしろい。それにしても、この話題をやるのにこの3人の立場が恐ろしく適していますね。…
[一言] 読み書き算盤以降は、目次に分類、タグ付け出来る能力を身に付けさせるのが大切よな。全てを網羅出来るほどの能力は人間には無いから、入り口だけ整備して人生に合わせて必要なものを摘まんでいけるように…
[良い点] 義務教育疎かにすることのデメリットを分かりやすく、かつヤバめに教え込んでくれてますね。「日本はほぼ全ての子供が義務教育受けられるけど、ここに達することすら出来ない国」がどれだけ未発展か考え…
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