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転移

 その日の発動機の音はいつもと違う感じがした。


 陸上基地から発信してしばらくすると敵機の大編隊が姿を現した。大量の米軍機である。僕と川口さんはそこにわざと急接近する。雷電隊に気づかせないためである。最初はf6f4機がこちらに向かってきた。返り討ちにするのに時間はかからない。川口さんは「燕返し」が得意なようだ。雷電隊はもう見えない。恐らく上昇に成功したのだろう。その後しばらく空戦していると急に敵機が上昇し始めた。爆撃機への攻撃に成功したようだ。


「川口さん!追いましょう!」

「了解です!!」


上昇しようとしている敵機を追おうとしていると急に後ろから撃たれた。弾道から恐らくコルセアだろう。ここで墜とされると元も子もないから持ち前の運動性能で旋回し、20ミリを浴びせた。するとそのコルセアは雲の中に逃げ込んだ。ここで追いかけるのをやめてもいいが、そうするとまた後ろにつかれる気がする。だから僕も雲の中に飛び込み、敵機がいると予測される位置まで向かう。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 おかしい…。いつまでたってもあのコルセアは見つからず、戻ろうとしてもずっと雲の中だ。さっきからずっとボイスチャットやチャットで話しかけているが反応がない。もしかして壊れた?ゲームをいったんやめてマシンの外に出ようとも思うが、それもできない。それにまた並びなおすのも正直キツイ。


「もー、どうしてくれんだよ~」


こじ開けてやろうかとも思ったがいくら請求されるかわかったもんじゃない。ついでに元の修理費も払えって言われるのはごめんだ。そんなんことを考えていると急に目の前が明るくなった。ついに雲の中から出ることに成功したとその時は思った。しかし、そこに広がっていた景色はあの東京上空とはかけ離れていた。草原が広がり、遠くには森も見える。いや、それ以前に高度が違いすぎる。


「なんだこのマップ?知らないな」


サービス開始からずっとこのゲームで遊んでいるがこんなマップは見たことがない。もしかして隠しマップだったり?小塚たちとはまだ通信できない。なんだか画面の表示も簡素化している。まるで普通に現実で飛行機に乗っているようだ。その時、思いもよらぬものが目の前を横切った。ドラゴンである。背中には中世ヨーロッパの騎士のような人物が載っている。そしてなんと通信をしてきた。


「未確認騎に次ぐ。現在貴騎は我が王国の領空にて飛行をしている。速やかに退去せよ」

「え、僕って領空侵犯してます?」


つい返答してしまった。これは運営のお遊びか?そう思ったのもつかの間、僕は次の瞬間耳を疑った。


「そうだ。ここはグランミール王国の領空である。貴騎はどこの国の所属だ」


嘘だろ…。会話できてるよ。とりあえずここは何とか切り抜けないといけない。そう思ったから一応それっぽい返答をすることにしよう。


「大日本帝国海軍、第352航空隊所属の中村です」

やっと転移するとこまで書けました。結構長くなっちゃいましたね。

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