#7 SSランク依頼
「んん、ん……ん?」
「スー……スー……」
「おい、起きろ、エレーナ」
ユサユサと肩を揺らして呼び掛ける。
「んふふー……そんなとこ触っちゃダメですよ〜。えへ、えへへ……」
お、起きない…!
「じゃあ行こうか、大丈夫か?」
「う〜っ、眠いです……」
元気な尻尾も今はしょぼくれている。
結局二度寝してしまい、今は昼の鐘が鳴ったところだ。
「よーし、今日はお金を稼ぐために高ランクの依頼を受けるぞ」
「高ランク、ですか?」
「ああ、一気に稼げるやつをな。それとエレーナとパーティー登録するから」
そう、今俺たちはギルドに居る。奴隷を買うための資金とこれからの生活のための資金を稼ぐためだ。
「どうも、パーティー登録と高ランクの依頼を受けたいんだが」
「は、はい。パーティー登録ですね」
昨日の猫耳少女だ。
「ではお互いのカードをお貸しくださいませ」
「はいよ」
受付嬢に二枚のギルドカードを渡すと、突然光り出したかと思ったら、直後に消えた。
「ではこれでパーティー登録完了です。Aランク以上の依頼はこちらになります」
どれどれ……SSランク依頼の中になんか一枚かなり報酬が高いのがあるな、他のは大体金貨50枚〜150枚に対して金貨600枚。これにしよう。ただ1つ問題があるとすれば依頼主が王国騎士団ってとこか……国に目をつけられるのは面倒だが…金貨600枚はかなり破格だ。もちろん内容もかなりエグいんだろうが、俺からすれば何の問題もない。
ちなみにこの世界の通貨はこうだ。
銅貨、大銅貨、銀貨、金貨、大金貨、白金貨とある。下から一枚十G、百G、千G、一万G、十万G、百万Gだ。
「じゃ、これで」
「は……い……」
なんか止まったぞ。
「本当にコレを……?」
「そうだが?」
「これ……氷竜…」
「ラザス様、本当に氷竜討伐なんて受けるんですか……?」
「ああ。だって報酬600枚だぞ? そりゃ受けるだろ、あ、後このブラックウルフってやつも」
こっちのブラックウルフは報酬は金貨200枚で同じくSSランク依頼。
「あの……いやなんでもないです。では受注しますね。頑張ってください……」
猫耳少女の顔が、もうやだこいつ……ってなってる。まあSSランクの依頼二つって言ったら流石にそうなるのか。
「あ、あのっ、私は役に立てそうに……」
あぁ、尻尾が、股の間に、耳も心なしかシュンってなってるような。
「気にすんな。ただ今後こんな感じでランクの高い依頼を受けていくかもしれないから慣れといてほしい」
「は、はいっ」
てことでじゃあ。ちょちょいと行って来ますかね。