#5 エレーナ
よろしくお願いします。
「あの、やっぱり、良いんでしょうか……」
「良いって、何が?」
「ここまできて言うのもなんですが、あの、本当にラザス様のお側に居ても……」
寧ろこっちこそ良いのだろうか?
「もちろん。可愛いしイヌ耳だしな」
「えぇ!? そ、そんな、か、可愛いだなんて……!!」
尻尾、尻尾それ千切れる! 見ててヒヤヒヤするぞ。
「そ、そうか。クドいようだが俺は今後メンバーを増やす予定だが、それでも本当に良いのか?」
「はいっ。一緒に居られるだけでも充分です! 本音を言えば少し嫌な気持ちもあります……でもラザス様がお側に置くと決めた方なら私は仲良くしますし大歓迎です!」
おぉ、一瞬尻尾が股の間に挟まるようにシュンとなったがすぐ戻ってフリフリ揺れてる。
「そうか。じゃあよろしくな、エレーナ」
「はいっ。よろしくお願いしますね! ラザス様!」
そう言ってエレーナは飛び切りの笑顔を向けた。2人は街へと戻って行った。
***
「はい、ではこれにて依頼は完了です。お疲れさまでした」
猫耳じゃない人族の女性にカードを渡し報酬の銀貨3枚を貰いギルドを出る。俺の黒カードを受け取った時笑顔が引き攣っていたのは気のせいだろう。
「エレーナ、終わったぞ」
「あ! お疲れ様ですラザス様っ」
笑顔を振り撒き尻尾をブンブン振りながらこちらに駆けてくるエレーナ。
うん。可愛い。まんま飼い主を待つ忠犬のようである。俺は不意に、近づいて来たエレーナの頭を撫ででみた。
「!?!?!?」
エレーナの肩が尻尾と一緒にビクゥッと跳ね上がるも、直後に収まり、目を細め気持ち良さそうに撫でられてる。
うん、良い、これすんごい良い。
もっと撫でていたいが今は今晩泊まる宿を探さねば。
「よし、続きは後だ、宿を探すぞー」
「あっ、ま、待ってください〜!」
エレーナの頭から手を離し歩き出す。エレーナはちょっと物足りなさそうにしてたが直ぐに後ろをピタリと付いてくる。
本当可愛い。
ちなみに今度女性の奴隷を買おうかと思っている。金が貯まったら、だけど。