#4 初戦闘とストーカー? 犬耳少女
1人目のヒロインです。よろしくお願いします。
ふーむ、困った。
え? 何が困ったって? 俺ことラザス、ギルドを出てから街を出た今現在、ストーカーを受けております。なんで? 俺をストーカーしても何もないよ? どうするか……人数は1人、20m程後ろをずっと一定の距離で付いて来てやがる。捕まえるか。
木の陰に隠れているので振り返り一気に距離を詰める。
「――きゃあ!?」
「え?」
可愛い悲鳴と共に声の正体がイキナリ距離を詰めた俺にビックリして、尻餅を付いた格好で木の陰から現れる。
そこにいたのは……。
「犬耳……だと?」
淡いピンク色のシュガーミディーの髪に、くりっとした丸く綺麗なライトブルーの目、ふんわりとした髪には犬耳が、クリーム色と薄い茶色が混ざった垂れ耳が生えている。顔立ちは非常に整っている。10人中10人が可愛いと答えるであろう容姿をしている。てかモフりたい。大変庇護欲を掻き立てられる。まだ16〜17歳くらいか?
「あ、あ、あの、ごめ、ごめんなさい…… 襲おうとか何かしようとかしてたわけじゃなくて……」
あ、段々涙が目元に溜まって……。
「本当に、ご、ごめん、な、ひっぐ、ごめんなさい、ひっぐ、本当、に、ただ、見ていた、だけで、ひっぐ」
泣き出したぁあああ! まだ俺何も言ってないししてないんだけど。
「お、おい、まだ何も言ってないだろ? いきなり泣かれても困るんだが……」
えー……なにこれー……。
「えっぐ、は、い、ひっぐ」
嗚咽する声を漏らし泣いている。落ち着くまで待つか。
***
5分程して少女はやっと泣き止んだ。
「落ち着いたか?」
「はい……」
うわー、めっちゃ落ち込んでるよ、どうすんのよこれ、依頼まだ行ってすらないんだけど……。
「まあいい。んで、なんで付いて来たんだ? それとお前俺が街に入った時から付けて来てたろ?」
そう、実はこの犬っ娘、俺が街に入った時から付けて来ているのだ。ギルドに入ってからは中までは付いて来ず、外に出たらまた付いて来出したのだ。
ゴブリン討伐に行くんだが、街から結構離れてるぞココ……
「っ、なんて言うか、その……えと」
おいなんかいきなり顔赤らめてモジモジし出したぞ。
チラチラ見んな。
「? なんだよ」
「あの、私その、どうでも良いかもですが、今迄人を好きになった事なくって、けど街の入り口の近くでお散歩してたら……ポッ」
おう゛? どこにそんなフラグあった!? そんなフラグ建てた覚えねえぞ!?
「あー、自意識過剰ってわけじゃないが、一目惚れした、と?」
「〜〜〜!!!」
顔を真っ赤にしてコクコクと俯きながら頷く。
「ほ、本能というか、なんとうか、その……とにかく初めて見た時からずっと好きでした……!!」
「マジかよ……」
チョロいの次元超えてるだろ。それに初めてって、俺今日この世界に来たばかりなんだが……。
「とりあえずクエスト受けてる途中だから……危ないから街戻って「一緒に行きたいです!!!」て……」
…………。
「ゴブリンって言っても一応魔物だし戻った方が「大丈夫です! ゴブリンくらいなら倒せます! 一応これでもDランクですよ!」い……い…」
なんかすんごい必死なんだが。私、頑張ります! って全身で言ってるんだが。でもDランクって意外に高いな、いけるかな?
チラッ。
「〜〜〜!」
尻尾がワッサワッサ。やべえなオイ。
「武器は、その短剣か?」
「! はい! 前衛で戦いますよ!」
「そ、そうか、なら付いてこい。なるべく俺が倒すから、てか倒さないと依頼達成ならないし……えーっと、君は取りこぼしをやってくれ」
うわっ、すんごい尻尾振ってる。千切れないか? ってくらい振ってる。
「はい! あ、私はエレーナっていいます!」
「あぁ、俺はラ「ラザス様ですよね!」ザス……あぁうん、知ってたのね」
「はいっ!」
おぉう、目が輝いてるよ
「じゃあ行くか」
「はいっ」
***
「はいドーン」
「ギュエ!?」
「はい次ドーン」
「ギュガ!?」
「三連ドーン」
「ギュエェエ!」
俺達2人は街の東に位置する森に入り30を超えるゴブリン共の相手をしている。
もっとも弱過ぎて話にならないが。だってパンチしたら弾け飛ぶんだもん。
「ハァ!」
「ギュィイ!」
「ヤァッ!」
「ギュハ」
丁度エレーナが短剣をゴブリンの頭に突き刺し30体目を倒し終えた。結構エグいなエレーナ。
依頼内容はゴブリン10体の討伐
俺は24体を倒しエレーナが俺より離れた位置に居た6体を倒した。見た目に似合わず結構強かった、なんの考えも無しに付いて来たワケじゃなかったか。
「じゃあ帰るか」
「はいっ。凄いですねラザス様は、私ただのパンチで地面に穴が空くのなんて初めて見ましたっ」
神のパンチですはい。
加減間違えたんです。
「そうだ。エレーナさえ良ければ今からハーレム一号だぞ」
「ふぇ!?」
「今後増えるかもしれないけど、大丈夫ならで良いんだが」
「いえ! 断るなんてあり得ません……! 」
「なら、よろしくな。エレーナ」
「はい……!!」
エレーナは笑顔で頷いてくれた。
ちょっとだけ文字数増やしました。
ありがとうございました!