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#36

「なるほどね……」


あれから20分ほどしてエレーナがナーシャを連れて戻って来た。


ナーシャの話を要約すると、


盗賊に捕まったナーシャとその妹は、奴隷として売られるため馬車に乗せられて町に向かっていたそうだ。だが途中で魔物に襲われ、その際に折が壊れて開くようになり脱出。死に物狂いで妹の手を取り走り続けたらしい。


休みながら走り続けて半日。町に着いたは良いがそこで2人共今迄の疲労のせいで気を失ってしまったらしい。起きたのは町の治療院で丸2日眠っていたみたいだった。


それから更に2日休み、妹と共に何で2人だけなのか、ボロボロだったのかを聞かれて全て話したそうだ。そして事情を知った治療院の医者が町にある孤児院に伝えてそのまま引き取られたと。


それから8年。14歳になったナーシャは孤児院を出て冒険者として自立。パーティーを組んで冒険者をしていたが、1年ぶりに。


先月久しぶりに町に戻り孤児院を訪ねたらしい。だが、そこに孤児院は無くあったのは更地だけだった。ナーシャは何とか情報を集めた。その結果分かったのは、経営が上手くいかず潰れてしまったらしい。子供達は他の施設に移され、10歳以上、その中でも勉強の出来る賢い子は学園へと行ったらしい。ナーシャ曰く妹はかなり賢いと、だから必ず学園に言っている。と、直ぐに向かおうと思ったが自分にはお金が無いと気付いた。


早く稼ぎたい。


短時間で稼ぎたい。


ナーシャはギルドで報酬が高い盗賊討伐依頼を受けたらしい。




要するに、ナーシャは盗賊では無くてたまたまあの5人の中に混じっていた冒険者だった。


恐らくあのゴツい頭を狙ってたんだろうが他の仲間に気づかなかったのだろう。それで見事に盗賊と仲良く襲撃。そこを俺が逆に返り討ち。ナーシャは俺を盗賊だと思ったらしい。そしてトラウマが蘇りああなったと。


全身黒尽くめだったのは見つからないためか。


「「「納得(です)」」」


「だから私はシャグリアに向かわなくちゃいけないんです! 絶対に!あと、さっき盗賊盗賊言ってましたけど! 私盗賊なんかじゃないんですからね!」


やめたげて! 最後のは黙ってて良かったのに何故言った! サラノが悶えてるだろうが!


てか俺も言ってたな、理由がなんたらとか、勘違いでした。


あ、これ本当に恥ずかしいな。


「学園都市だろ? それなら俺達も行くぞ」


「本当ですか!? あの、もし良ければ私も……なんて…」


「連れていってやりたいが、俺たちが行くのは1ヶ月後なんだよ。今はハルバーツまで向かっていて、その帰りにそのままシャグリアに行くつもりなんだ」


「1ヶ月……、ハルバーツって、隣国のですか?」


「あぁ、なんとなく、観光みたいな」


「……私も、私も連れていってくれませんか?」


「え? あー……」


「「………」」


((コクリ))


「あぁ、良いぞ」


「! あ、ありがとうございます!!」


「うぉ、っと」


「「あ!?」」


「あ、ご、ごめんなさい……嬉しくて、つい……」


お、おお、なんという破壊力!可愛――。


「「………」」


「いいけどやっぱりエレーナとサラノが1番だぞ!」


危ねえ……、ハーレムメンバー以外だと視線が凄まじいな。


まぁヤキモチ焼かれるのは嫌いじゃないがな。寧ろ全てのドアを開けて歓迎します。


ただ、手にへし折った筈のアレを持ってるのは何故だ。


後で小一時間ほど問いただす必要があるな。

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