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#26

途中、ちょっと過激? な描写になるかもしれません。

今回今迄で1番長いです。


小憩を挟みながら走り続けて2時間、予定よりも早く着いた。別に急ぎではないのでゆっくりでも良かったが体の調子が上がった2人がはしゃぎ早く着いてしまったのだ。


町は木の柵で囲まれており、入り口には2人門番らしき男が立っている。


「止まれ、町へ入る場合は犯罪歴が無いか調べてからだ」


でた、出たよ水晶、俺、エレーナ、サラノの順に手を置いてチェックされる。水晶は何の反応も見せなかった。3人共無事町へ入る。


「よし、無いな……ようこそ、ホールスの町へ」


歓迎された気がしない言い方だったがまぁ気にしないでおく。


「宿探さないとな、馬車は明日で」


「はいっ」


「こっちにあるみたいですよ」


現在7時になったばかりだ、小腹も空いたしちょっと疲れたので今日は宿で一泊して明日馬車を買う。サラノが道を聞いたようで案内してくれる。サランで街を出る前に時計を金貨1枚で買ったので時間が正確に分かる。凄い便利だ。


***


「あー、もうご飯いいや、ここに来て一気に眠くなってきた……」


「では私達2人だけで食べてきましょうかっ」


「そうですね、ではご主人様、おやすみなさいませ」


「おやすみなさいっ」


2人はそう言って部屋を出て行く。


宿へ着き、部屋に案内されてすぐラザスはベットへと倒れこんだ。そのままゆっくりと意識を手放す。





「……ん、んん…グゥッ…」


部屋の窓から入る温かな陽の光で目が覚める。


(ん? 何だ、妙に両側が……)


重たい。そう思いながら右を見ると、エレーナの頭が。毛布で見えないが、俺の腕を抱えるように抱き付かれて太腿を挟むようにエレーナの脚が絡み付いている。右を見るとサラノが、同じように絡み付いていた。


2人共俺の首の辺りに顔を埋めスースーと寝息をたてている。


(う、動けんぞ……!)


軽く力を入れてみるが抜けない。がっちりロックされている。


ふむ。どうしよう……。


「おい、エレーナ、サラノ、起きろ」


ちょっと強めに言ってみるが起きる気配は無い。熟睡しているみたいだ。


「…………」


お前らが悪いんだからな。そう心で思いながら唯一動かせる手を使いある場所へと滑り込ませる。


2人は俺の腕を抱きかかえるようにしている。


それすなわち。


俺の手の位置はエレーナとサラノの下半身付近。


起きないなら起こせば良い!


ただ普通には起こさんが。


「…………温かい…」


肉を掻き分けるように手を、指を動かす。汗なのか少し濡れている。


「んっ……ふぁ…」


エレーナが小さく声を漏らす。首に息が掛かってこそばゆい。


「あっ、んんっ……ふ、んあ…」


「…ん、あぁ……」


サラノは控えめに声を漏らしている。


(起きてんのか……?)


と思うがやめない。やめたらダメな気がする。


2人の息が荒くなって来た。そこで俺は今までゆっくりと表面を擦るように、引っ掻けるように内側を擦っていたが思いっきり掴み揉みあげる。


2人のスベスベとして指を押し付けるとプニプニとした感触の――


太もも(・・・)を。


「ふぁぁあ!?」


「ふぇ!?」


エレーナの声でサラノのが飛び起きる。


「おはよう」


「ご主人様……? 今のは……あら? 何で私の太ももに…」


「お前達が俺の両側をがっちり固めてたせいで動けなかったんだよ、声を掛けても起きないから、ついな」


サラノの頭を優しく撫でる。ついでに狐耳もクニクニと摘まみ感触を楽しんだ。


***


「さ、行くぞ」


現在町の東口。


 街に居た商人から馬車を金貨25枚で買い取り街を出る。ここからはゆっくり9日掛けて一気にハルバーツを目指す。

 最初はサラノが御者を務める。次にエレーナ、最後が俺だ。せっかく教えてもらったんだし俺がずっとやろうかと言ったのだが、断固として断られた。


 なんとか言いくるめて俺を入れた交代制にしたのだ。


 他の町にも寄らないので今日からは野営になる。初めての野営なのでかなり楽しみだ。エレーナとサラノも夜の夕食はどうしようかなどを楽しそうに話していた。



「で、だ。何故こんなに距離が近いんだ……」


「嫌ですか……?」


「うっ……」


上目遣いで目を潤ませ組んでいる俺の腕にギュウ、っとさらに絡ませてくる。シッポは座っているので見えないがもし見えていたらペタン、と力無く下がっていただろう。


こんなやり方をエレーナが! あざとい、あざといぞエレーナ……!


「腕が疲れ「膝枕してあげます」………」


 出発してかれこれ一時間、昼間の10時にホールスを出て11時。この一時間、エレーナは俺の隣に座りずっと自分の腕と俺の腕を絡ませていたのだ。


 そして次は膝枕。


 チラリと上に目を向けるとエレーナがなんともご機嫌な様子で鼻歌交じりに俺の頭を撫でていた。


 あんな笑顔で言われたら断れるわけないだろ……。


 2時間ごとに交代なので残り一時間。エレーナの交代の時間まで、俺はエレーナに膝枕され頭を撫でられながらその意識を手放した。






「ご主……! 起…て……さい!」


「痛っ! 何だ!? 襲撃か!?」


「やっと起きました……違いますよ、昼食です」


「あ、ああ……そうか、今何時だ?」


「13時を回ったとこです」


2時間寝ていたのか、どうやら痛みの原因はエレーナに膝から落とされたらしい。


エレーナが御者の番の筈だがサラノが気を利かせて続けてやってくれたのこと。


馬車を降りると、森の中に道ができていて、その脇の方、開けた場所に馬車は止められていた。道幅は馬車3台が同時に通れるくらいで、結構広い。


そんな事を思って周りを見ていると香ばしい良い匂いが漂って来た。


「お昼は町で買った肉を焼きました。それとスープとパンですねっ」


エレーナが横から話し掛けて来た。なるほどね、肉の焼けた匂いか。


「スープの野菜はエレーナが切ったんですよ」


「そうなのか?」


「は、はいっ。サラノも味付けをしてくれましたよ」


「ん、そうか。ありがとな」


「えへへ…」


「ふふ、良かったですねエレーナ」


エレーナが顔を綻ばせて尻尾をパタパタと振る。それを見てサラノは母親が自分の娘を見るような、どちらかといえば姉が妹を見るかのような、そんな優しい笑みを浮かべてエレーナを見て微笑んでいる。こうして見てると本当の姉妹みたいだ。


「では食べましょうか」


サラノとエレーナは馬車の荷台の入り口に腰掛け、俺はその近くの岩に。


「「「いただきます」」」


「ハグッ……ん、この肉美味いな、胡椒とコレは…」


「少量ですが蜜を垂らしました。この肉は少し苦味があるので」


「……ん。確かに、何もかかってないとこは少し苦味があるな」


「もう少し垂らしますかっ?」


エレーナから蜜の入った小さな片手サイズの瓶を受け取り少しだけ垂らす。


「……ゴクッ。うん美味「おーい!!! 助けてくれぇえ!!!」……なんだ……?」


「こちらに来ますね」


「なんだか傷だらけですよ」


突然大きな声が響く。ちょっとびっくりしてしまった。


声の方に振り返ると俺達がこれから進む方向から1人の男が馬に乗り此方に向かって来ていた。エレーナが言った通りその男は傷だらけで顔には切り傷が入り服も所々破けてそこに血が滲んでいた。


「はぁ……はぁ……はぁ……お前さん達冒険者か!?」


40歳程の男が慌てた様子で問いかけてくる。ただならぬ雰囲気だったので気になり怪我の理由(わけ)などを尋ねる。


「そうだが、どうしたんだその傷は…… 結構な怪我に見えるが…」


「オークが、オークが出て村を襲われたんだ!!! 助けてくれ!!! 村の若い娘や女衆が攫われたんだ!!! 報酬も払う! 頼む!」


「「「なっ!?」」」


男の言葉に、エレーナとサラノが驚愕の表情を浮かべた。


【オーク】


体長2〜3mの魔物で筋骨隆々とした体に顔は豚のように鼻は潰れ目は小さなまん丸、口の両端から下牙が生え、単体討伐ランクはD、だが集団、群れの場合Aまで跳ね上がる。ラザス達なら簡単に殲滅できるだろう。


では何故二人が驚いたのか。


オークの1番の脅威。


オークは捕まえた人間や獣人、亜人の女は苗床として使う。




すなわち――オーク達の性欲処理の道具にされるのだ。




女性が捕まった場合はお終いと言ってもいい。それに時間が経てば経つほど生存の確率は下がる。


いや、例え生きていたとしても……もう既に精神などは完全に崩壊し壊れきっている状態だろう。


「頼む!!! 助けてくれ!!!」


涙ぐみながら縋る男。


「エレーナ、サラノ」


「「はい」」


2人の嫁に確認して男の方を見る。


「直ぐに向かう、場所を案内してくれ」


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