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#24 旅支度とラザスの武器

更新遅れました。


今回特に何かあるわけじゃありません。


ではでは〜




「じゃあ……買いに行こうか…ローブと野営用のテントと……食料……」


「ほらラザス様、そんなフラフラしないでちゃんと歩いてくださいっ」


「……ご主人様もまだまだ子供ですね」


ピクッ。


「女性に肩を借りて歩くなんて男性として情けないですね」


ピクピクッ


「こんな方が、ご主人様だなんて……」


ピクピクピクッ


「なんのことだサラノよ。俺は何ともないが? さぁ行こうか、旅の支度だ!」


「「……」」


「……い、行くぞほら! そんな目で見るな! 先行くからな!」



「「……実に可愛いです(ね)」」




***


街の一角にある雑貨通り、武器屋や防具屋、薬屋など、ここは街に住む冒険者や外から来た冒険者に旅人など、街に住む一般の人達も通う。多種多様な店々が建ち並び、鎧を着て剣を持った者、ローブを着て杖を持つ者、商人風の者、片手に皮のバッグを下げた主婦らしき者など、様々な人が行き交う賑やかな通りである。


その通りに建つ二階建て木造の建物。主に扱うのはマントやローブ、野営装備一式、そして店内の空いたスペースに置かれた5〜6個のポーション。ラザス達3人はこれからの旅のため、旅道具を買いに来ていた。


「旅道具一式金貨1枚ね、はい」


「まいど」


無愛想な店員に金貨1枚を渡して道具一式を受け取る。流石にテントもあるので大きい……両手が完全に塞がっている。


「ご主人様、布も何枚か買っても?」


「ん? 別に構わないが、何に使うんだ?」


「もしテントが壊れた場合に少し厚めの布を下に轢いて、それに毛布を体に掛けて使うので3人で6枚です。後はその、水浴び用で……」


「あ、あぁ、なるほど、ならコレで買っといてくれ、俺はちょっと向かいの防具屋に行ってくるから」


手に抱えた荷物を一旦置きサラノに銀貨を5枚渡す。俺はそのまま又荷物を抱えたまま店を出て向かいの防具屋へ向かう。



「よっと、畳んであるとはいえ本当に大きいな……おーい、ちょっと良いか? 探してるもんがあるんだが」


店に入り隅っこに荷物を置き近くの男性店員を呼び寄せる。俺が防具屋に来た理由、それは――


「はい、何をお探しでしょう?」


「アイテムボックスが欲しいんだが」



【アイテムボックス】


見た感じではただの小さな箱に見えるが、実は中身は大量に物を収納できる空間が拡がっていて、大、中、小と種類が有る。大は金貨30枚、小は金貨10枚だ。大は馬車一台分の荷物が、小は人間一人入るくらいの容量だ。稼ぎの良い冒険者やランクの高い者は殆どが所持している。大抵の者は中や小だが。大を冒険者で買うのは、人数の多いパーティーなどが金を折半して買ったりする。1番多いのは商人で残りは一部の金持ちくらいだ。腕輪のようになっている。



「アイテムボックスですね。こちらに御座います。サイズはどれにいたしますか?」


「大で」


「大、ですか? 失礼ですがお一人で?」


「いや、パーティーでだな」


「なるほど、失礼致しました。ではこちらへ」


「ああ、ちょっと待ってくれ。籠手も買いたいんだが」


もう一つ、俺が買いたかったのは籠手。カレンと戦った時気にしていなかったが何カ所か切れているとこがあった。なので腕と手を守るのが欲しかったのだ。


「籠手ですか。こちらに置いてあるのが全てです」


「ほぅ……ん、これだけ何で金貨40枚なんだ?」


俺が手に取ったのは普通の籠手なのだが、他の籠手は金貨7〜8枚なのに対してこれは倍以上の値段。見た感じでは同じだが……気になる。


「そちらの商品は他のものに比べ強度や耐久性も高く、さらに魔力を流すことで硬度を高める事ができるのです」


「なに? 硬度を?」


「はい、強度も耐久性も上がります。ただ、そんな機能はあっても使わないなので買う方はおりませんが。戦闘中に籠手に魔力を込めるなんて無駄としか言えませんし。しかも片腕用ですし。それなら魔力を流せる同じような武器を買って使った方が良いですしね」


確かに一理あるな。


だが。


「これを買わせてもらう」


「は? あっ、いえ、別に不満がある訳じゃなく、寧ろこちらとしては嬉しいのですが……そうですね。値段は少しですが色を付けておきましょう」


安く買えるのはありがたい。


その後サラノとエレーナの防具も買い会計へ向かう。予めサイズは聞いていたので迷うことはなかった。サラノは魔法使いが着るような深い紫色のローブ、エレーナには新しく軽鎧を。


「はいっと、悪いな。色を付けてもらって」


「……はい、丁度受け取りました。あの籠手は私も中々売れないので本当に困っていたのですよ。なので気にしないで下さい。では、ありがとうこざいました」


会計を終えて店員に礼を言い、アイテムボックスを腕に着けて旅道具一式と防具を入れ店を出る。不思議な事に腕を近付けると吸い込まれるように入っていった。すげぇ。


購入した初装備、俺からすれば初武器の籠手を腕に装備する。


うむ。 良いな、カチャカチャなるのが良い、どれも鳴るんだろうが、うん、良いわこれ。


「ラザス様?」


「どうしたのですかご主人様。道端で急にニヤついて」


「!? お、お前ら、もう終わったのか?」


「え? はい、終わりましたよ」


「あら? 籠手を買ったのですか? それにアイテムボックスも」


「あ、ああ、荷物抱えて旅なんて面倒くさいからな。後これ、凄いんだぜ、魔力込めると硬度が上がるんだ」


「硬度、ですか?」


「ああ、俺は近接だから、剣とか武器でも良かったんだが。何か籠手の方が良いかなって。主に見た目が」


「はぁ、なるほど、確かに拳で戦うなら便利ですね」


「これでさらに強くなりましたねっ!」


エレーナよ。褒めてもらうのは嬉しいが、さすがに籠手1つで尻尾振りすぎだ。サラノまでフリフリと機嫌が良さそうに揺れている。後でたっぷりモフモフしよう。


「まあな。じゃ、適当にぶらぶらしながら帰るか」


「「はい」」



なんか良いですよね、籠手。


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