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#22 ほのぼの? フルーツジュース飲むんですか? 意外ですね。 うるさぁぁあい!

今回は会話多いです。


誰が話しているのか分かりにくいとこありましたら言ってください。


ではでは


「じゃ、俺は今から宿へ戻るが、あっ、お前も来るか? エレーナと知り合いなんだろ?」


「ふむ、そうだな、久しぶりに顔だけでも見て行くか」


「オッケー、じゃあ行こうか」


ラザスは施設を出てカレンとエレーナが知り合いだということをふと思い出しこれから宿に来ないか誘ってみる。カレンは了承し2人は宿へと戻って行く。


やましい気持ちは無い。


***


「カレンさん!? あっおかえりなさいっ!」


「おかえりなさいませ」


「ただいま〜」


「久しぶりだなエレーナ」


宿へ戻り部屋へと行くとエレーナとカレン、二人仲良く椅子に掛けて楽しげに話していた。俺とカレンに気付くと一瞬驚いたような表情をしたがサラノは連れが女性だと気づくと何か納得したような顔をした。何故だ!


エレーナは俺を見て笑顔になり尻尾がピンと跳ねる。次にカレンの顔を見てとても驚いたようだ。しかも名前まで知っていた。それなりに付き合いがあったのだろうか?


「エレーナの知り合いだって言ってたから連れて来たんだが、どういう仲なんだ?」


「はいっ、ここじゃ全員座れないので、一階で話しませんかっ?」


「それもそうだな、丁度小腹も空いてたし」


「私は構いませんよ」


「私もだ」


全員で一階の酒場に移動する。人は俺達以外には居ない。


「おーい、注文頼む」


「はーい! 何にしましょう?」


「俺は肉スープとパン、それからエールを」


「私はフルーツジュースでっ」


「私も同じのを」


「私も同じのを頼む」


「かしこまりました! ではごゆっくり」


「「「え?」」」


今のは俺、エレーナとサラノの声だ。何を頼むかと思ったらまさかのフルーツジュース。言ったら悪いが、似合わねぇ! エレーナも意外そうな顔をしていたが何か思い出したような顔に変わった。しかし初対面のサラノまで、やっぱり見た目のイメージがなぁ……。俺達が意外だと見ているとカレンがそれに気付き頬を染める。


「わ、私が飲んだらダメなのか!?」


「い、いや、なんか意外だなと、赤ワインとか飲んでそうなイメージだっから……つい」


「わ、私もワインとか飲むのかと……」


「カレンさんそういえばフルーツジュース好きでしたねっ」


「う、うるさぁあい!」


おう!? 切れたぞ! 美人が切れた!でも顔真っ赤で全然怖くない。寧ろウェルカム、てかフルーツジュース好きなんだ。完璧系美人と思ったら可愛い所もあったもんだ。


「早く話に入れ!」


「そ、そうでしたねっ、では……」


エレーナはうっかり、と舌をペロっと出しカレンとの関係を静かに話出した。


今から1年前、まだエレーナがラトルの街に来たばかりの頃、ギルドに登録したばかりだったエレーナはいつものように依頼を受けて森の中まで来ていた。目的の薬草を見つけて街への道中、6人の野盗に襲われ犯されそうになった。1度大きな声で助けを呼ぶも直ぐに口を塞がれ助けを呼べなくなった。なんども抵抗していたがリーダー格らしき男がポツリと耳元で『呼んだところで森の中で助けなんか来る筈ねぇだろ』と、その瞬間エレーナは諦め己の運命を呪い舌を噛み死のうとしたらしい。こんな奴等に犯されるくらいなら、と、そして1人の男がエレーナの下半身へと手を伸ばそうとした瞬間、男の手が無くなっていた。エレーナはいきなりの事に驚きながらも視線を横にやると1人の女性が立って居た事に気付く、そしてその女性はエレーナに視線を向け『もう大丈夫だ』と言ってきたらしい。エレーナはそれまで堪えていた涙がどんどん溢れ出した。女性はそれを見て直ぐに終わらせると言って残りの野盗も瞬殺したと、2人は街へと戻りギルドにその事を報告、そこで解散だったのだがエレーナがその女性に懐きパーティーを組むことになったらしい、半年の間一緒に組んで居た人、その女性がカレンさん、エレーナの恩人であり師匠だ。


「……とまぁこんな感じですねっ」


「目の前で語られると中々に恥ずかしいな……」


エレーナはニコニコと、カレンはどこか照れ臭そうにしている。


「なーるほどね、そんな事があったのか……ん? なら何でパーティーは解散してるんだ?」


俺は疑問に思った事を2人へと尋ねる。


「あー、それは私の都合だな、仕事が入ったんだ」


「仕事?」


「あぁ、知り合いから依頼されてな、街を出ることになったんだ、それでだ。 そしたら久しぶりに街に戻ったらエレーナに恋人が出来たと聞いてな? 行き先を聞いたら街を出たなんて、それで諦めてたら噂が耳に入ってな、ある2人組が1週間でSランク依頼を大量に受けて達成しまくっていると、後は簡単、サランに来てギルドへ行くとたまたまラザスを見つけた。特徴は聞いてたからな、それで話し掛けたら当たりだった」


「へ〜、特徴って、まぁそりゃ噂にもなるわな……」


「ご主人様達本当にSランク依頼を大量に受けていたんですね、もう驚き慣れてしまいました」


まぁ慣れてもらった方が助かるな、これ以上隠してる事は別に無いけど。ちなみにサラノは昨日から俺の呼び方がご主人様に変わっている。別に良いって言ったんだが頑に断られる。昨日呼ばせたのがそんなに気に入ったのか……?


「そういやカレンってランクいくつなんだ?」


「ん? あぁ、そういえば言ってなかったか、私はSランクだぞ」


「マジで……?」


「ほら、私のカードだ」


「マジだった……どうりで強いわけだよ」


「そんな相手に素手で勝ったお前に言われても嬉しくないんだが……」


「えぇ!? ラザス様と戦ったんですか!?」


「ん? そうだが、言ってなかったのか?」


「忘れてたわ」


エレーナは何とも言えぬ表情でこちらを見ている。さらにそこにカレンが憐れみの視線を向けている。苦労するな、と。


「今朝の手合わせの約束があるって、カレンさんだったんですね……しかも素手って…」


「Sランクの方に素手……ご主人様はもっと力をお下げになった方が……」


「いや、かなりキツかったぞ、普通に疲れたし」


「「ラザス(ご主人)様が!?」」


そりゃそうか、今迄殆どワンパンだったんだもん。


「やっぱりカレンさんは凄いです! ラザス様を疲れさせるなんて! 」


「あ、あぁ、ありがとう」


エレーナの勢いに押され苦笑いで返すカレン。尻尾が凄い。ブンブン揺れている。


「んでんで、まあ今度は俺達3人のこれからの予定なんだが」


「街を出るのですか?」


「あぁ、元々この街で奴隷市があるって聞いて来ただけだから、次の街にでも行こうかなと」


「この街からだと、3日も有れば次の街に行けますが、さらに先に4日ほど行けば王都がありますっ」


「ふーむ、どうしよう……」


「あぁ、すまん、私はそろそろお暇させてもらうよ」


「お、そうか、仕事頑張れよ」


「もう行くのですかっ?」


「ああ、私も街に戻らなきゃいけないんでな」


「そうですか……」


「また会えるさ、な?」


カレンは優しい笑顔でクシャクシャとエレーナの頭を撫でる。


「はいっ、行き先だけでも聞いて良いですか?」


「そうだな、学園都市シャグリア(・・・・・・・・・)、そこで教師をしている」

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