#19 エレーナのステータスと加護と妻
「ただいまー」
「あ、おかえりなさいっ」
「おかえりなさいませ」
うむ。エレーナは最初よりかは話し方が柔らかくなったかな? サラノはまだ硬いな、だがそれがいい!
「買ってきたから早速測ってくれ」
「まさか本当に買ってくるなんて……」
やはりサラノはまだ慣れていないのかビックリしている。
「まぁこれくらい買う金なら依頼受けて直ぐだから」
「本当にSSランクの冒険者だったのですね…… 私は凄い方に買われました…」
サラノには俺が黒カード持ちって事も伝えたしメンバーを増やす事も伝えたが後者はすんなり受け入れてくれた。曰く『私は元々奴隷の身、主人に逆らう事はできません。あっ、でもラザス様に不満があるとかじゃないですよ? 奴隷の私に対しエレーナ様と同様に接してくださるので、私はお側に居られるだけ幸せです』と。
いやー、幸せ者だなあ。
「買ったって言ってももうサラノは俺の妻にする予定だから、エレーナも」
「え!? つ、妻……ふへへへへっ」
「わ、私もですか?!」
「そうだが? 何をそんなに驚いているんだ? 」
そう、俺の妻だ。それとエレーナ、その顔と笑い方やめなさい。はしたない。
「い、いえ…私は妾でも良いと思っていたので……」
「ふへへへへっ……」
エレーナその顔はマズイ。やめなさい?
「もし奴隷だからとか思っているなら気にしなくていいぞ、俺がしたいからするんだから」
「そ、それは嬉しいですが…」
うーむ、やはりエレーナに申し訳ないとか思ってんだろうか。別に奴隷だからとかどうでもいい。俺がそうしたいからするのだ。エレーナは快く快諾してくれるだろうに。多分。だといいな。朝もかなり仲良さげに話してたし。
「これは決定だからな! サラノは一々そんな小さい事気にするな、これは命令だ!」
「っ……はい!」
サラノは涙を浮かべ、笑顔で頷いた。
あんまり命令とか使いたく無かったが、仕方ない。今回は仕方ない。
涙を浮かべてまで喜んでくれるのは嬉しい。
「ふへへへ……妻…へへへっ」
そろそろエレーナは戻ってこい。顔がだらしなくなってんぞ。
「さて、じゃあ本題のステータスを測ってくれ、測り方は魔力を込めるだけだろ?」
「あっ、はいっ! じゃあ私から行きますねっ」
エレーナ復活。手をプレートに置き魔力を流し始める。すると青白くプレートが輝き文字が浮かび上がる。
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STR【力】B
DEF【防】B
AGE【速】S
LUK【運】A
INT【魔】D
称号・神王の寵愛を受けし者・神王の加護
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「「「え?」」」
今のは俺とエレーナとサラノの声だ。だが俺は称号を見て。エレーナはステータスの数値と称号を見て。サラノもステータスを見て次に称号を見て。
………まだ加護を与えた覚えがまるでないんだが。