#1
二話目です。
12.10.改稿1
「おお」
広がる草原。どこまでも続く青い空。神界では決して拝めない景色だ。転移先は無数にある世界の一つである。
「ふむ。人の居るところ……まずは街でも探すか」
えーっと、神力を俺を中心にして…ゆっくり広げて……広げて…………見つけた。北に真っ直ぐか。俺は街の直ぐ側に転移し、徒歩で街を目指した。結果。
「おいお前さん何か言ったらどうだ? 街に初めて入る奴は銀貨一枚だ、無理に通ろうとするの犯罪だぞ? 黙りはおじさん感心せんなぁ」
どうしてこうなった。
街に着く。
↓
え? 金取るの? ねえよ。
↓
はい君ちょっとこっち来ようか。
↓
何で?
銀貨って何? この世界の通貨か? なんか鎧着たおっさんに囲まれてるんだが。金ないよ俺?無一文なんて当たり前じゃん。だって来たばかりだもん。
てかどうすんだ。なんかずっと黙ってるからおっさん達剣の柄に手置いて殺気出してんだけど。良いのかこれ? 仮にも一般人に殺気飛ばして。ちゃんと手綱握っとけよ。クレイジーすぎる。まぁ怖くも何とも無いけど。
「いや、あの、金が無くてですね」
「一応犯罪になるからな? あのまま通ってたら。身剥ぎにでもあったのか?」
身剥ぎ? 身包み剥がされた的なやつか? なるべく落ち込むフリをして……。
「はい……ここに来る途中に、何とかここまで逃げて来て……」
「急にしおらしくなったな……まあいい。そうかそうか。一応本当かどうか調べさせてもらうぞ」
おっさんがニヤリと笑った。
えっ。
「はい、じゃあこれに手置いて」
「あ、はい」
ん? 水晶? これで分かるのか? ちょっと試してやろう。
「身剥ぎにあったのは本当か?」
「はい」
「嘘は……ついてないな。チッ。よし、ならこれを持ってろ、街から出る際はこれが無いとまた銀貨一枚必要だぞ。災難だったな、通っていいぞ」
通っちゃダメだろ。それ欠陥品だろ。てゆうか今舌打ちしたか?
若干腹が立つが、誤魔化せたぞ。何をしたのか説明すると、俺がやったのは水晶に手を触れる直前に、神力を使って手と水晶の間に膜を張っただけで、実際は手を触れていない。
グニグニ曲がるカードを貰った。不思議な材質だ。
「言い忘れるところだったが、一応ギルドに報告しとけよ」
「ああ」
街に入れたことだし、ギルドに行くか。もちろん報告はしない。
ありがとうございました