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#18 ステータスプレートと女剣士

今回ちょっと詰まってしまい時間が掛かりましたm(_ _)m


ではでは



サラノとの初夜を終えた翌日、俺は1人ギルドへと来ていた。


「どうも、1つ聞きたいんだが良いか?」


「は、はい、なんでしょうか?」


最高ランクのラザスを前にして緊張する受付嬢。さらにラザスの見た目が見た目なので緊張する反面、頬を僅かに染め目が完全にハートになっている。


「ステータスについてなんだが、俺は色々あって登録した時見てないんだ。それで、ステータスプレートを買いたいんだが」



【ステータスプレート】

手を置いて魔力を込めることで、その者のステータスを見る事ができる道具で、ギルドで借りるか、購入ができる。


通常冒険者になる者が登録した時やランクが上がる毎に、受付で銀貨3枚払い自らのステータスを確認する。ステータスによって自分のレベルに合った依頼を受けるためだ。まぁそれでも一部の馬鹿は自分に合っていないレベルの依頼を受け命を落とす者もいるが、その場合ギルドは一切の責任を取らない。


そしてラザスが言ったステータスプレートを買う(・・)、本来買うのは貴族が自分の子供のステータスを測る為だったり、自らの家の財力の余裕をアピールする為などに購入する。その場合私兵である騎士達に使うこともあるため、無駄というわけでもない。


何せ買うとしたら白金貨100枚もするのだから。


いくら貴族とはいえ白金貨100枚は安くない。階級の高い、例えば奴隷市にいたアイツとかならば安くなんの問題無く買えるだろう。だが貧乏貴族やそうでない貴族からすれば大金だ。そもそもラザスが冒険者でたった1週間であんなに稼ぐのが異常なのだ。


ちなみに1番下の貴族から上の貴族までの年収は下で白金貨600枚〜700枚、上は2000枚〜3000枚だ。ただ、3000枚以上を稼ぐのは国から重要とされている領地を持つ数人の貴族だけだ。


じゃあラザスみたいにSランク依頼受ければ? と思うかもしれないが、何度も言うがラザスのように簡単に達成し日帰りで帰ってくるのが異常なのだ。Sランクの依頼を単独で達成できるのは恐らく片手で数える程だろう。


話を戻すが、今言ったようにそうホイホイ買える物ではないということだ。


なので普通の人がステータスプレートを買うなどと言うと……


「「「「「は?」」」」」


もちろん何言ってんだコイツ、みたいな反応になるが


「ほら、白金貨100枚だ」


「「「「「あぁ…またアイツか」」」」」


ラザスを見て皆が皆納得、という顔をして仲間との会話に戻ったり仕事に戻ったりしている。


「は、はい……確かに100枚、ですね、では少々お待ち下さい」


そう言って受付嬢は奥の部屋へと入っていった。


「ふむ…ちょっと資金が減ってきたな、Sランク1〜2個受けてくか」


その瞬間その場に居た者はこう思った。


(((((Sランクってそんな簡単に受けるものじゃねえから‼︎‼︎)))))


そんなラザスに1人近寄る影が。


「失礼、貴殿がラザス殿か?」


声を掛けたのはどうよやら女性のようだ。


「ん? そうだが、誰…だ……」


ラザスは声の人物の方に振り向いて言葉に詰まる


そこに居たのは濃赤の深い色の髪を後ろに纏めて長いポニーテールにしている、凛とした顔に気の強そうな女性だった。


サラノとは違ったタイプのクール美人だ。サラノも気の強そうな感じだが実際は気は弱い方で押しにも弱い。


目の前にいる女性は瞳も髪と同じように深い赤色をしていて、その瞳でラザスの瞳をジィっと見つめている。身長はラザスと同じくらいでスタイルはシュッとして出るとこも出ている。が、見た目とは裏腹に、腰に一本の長剣をぶら下げて、ただ立っているように見えるが、目の前の彼女は常に周囲を警戒し、直ぐに剣を抜けるようにしている。かなりの実力者だろう。


「そうか、いきなりで無礼は承知だが、私と手合わせしてもらいたい」


***


「は? 手合わせ? なぜに?」


いや美人に声掛けられて嬉しいよ? 嬉しいけども、面倒なのは勘弁。


「強い者と戦いたくなるのは当たり前だろ? ギルド史上最速のSSランク、さらにAランク以上の依頼を1週間受けまくってその全てをその日の内に終わらせて帰ってくる。 今話題の冒険者」


美人剣士はニヤリ、と不敵な笑みを見せる。


(確定じゃん…面倒いヤツ確定じゃんコイツ」


「むっ、失礼な、私はただ純粋に……いや、何でもない。で、受けてくれるか?」


途中から口に出てしまっていたか……、てかすんごい挑発してるよこのお嬢さん、目で受けろよ? って無言の圧力かけて来てますわ。


「断る、面倒だし、それに今日は用事がある」

「それは連れの2人組との用事か?」


は? どういう……、!!!


瞬間、ラザスから殺気が溢れ出る。だがラザスはその殺気を周囲にではなく目の前の女剣士だけへと全て送っている。


「おい…お前何かしたんじゃないんだろうな?」


背筋がゾワリとするような低い声で問う。実際女剣士は耐えているように見えるが、顔には僅かに汗が目立ち、手は小さく震えている。


「いや、手は、出していない。エレーナとは知り合い、なんだ。殺気を、止めてくれないか?」


途絶え途絶えに言葉を繋ぐ。ラザスはエレーナの知り合いという事に驚き直ぐに殺気を解いた。


「エレーナの!? アイツ友達居たのか?!」


マジかよ、ボッチかと思ってた……俺は嬉しいよエレーナ、まさかお前に友達が居たなんて!


「ははは、恋人に対してヒドイな、だが友達が居ないのはあながち間違いじゃないな、私以外とプライベートで話しているのを見たことが無い」


「恋人は1人じゃないがな、まぁとにかく今日は無理だ、明日なら大丈夫だが?」


ラザスはケラケラ笑い、日を改めてならば、と提案する。


「うむ、それでいい、此方がお願いする側なのだからな」


ふぅー、手合わせねー、本当なら(・・・・)直ぐ終わるだろうけど、そうならない(・・・・・・)為のステータスプレートだからなー


「じゃあ明日ラザス殿達が泊まっている宿に私が行こう、手合わせの場所はギルドの訓練場で良いかな?」


チラリとカウンターの方を見る女剣士、俺もつられてチラリと見ると、ギルド職員が全員引き攣った笑みでコクコクと頷いていた。


「じゃあ、決まりだな。私の名はアリアだ。改めてよろしく頼む」


「あぁ、俺は、って知ってるよな、じゃあ俺は依頼を1〜2個受けて帰るが、アリアはどうするんだ?」


「ふむ、私は手合わせするつもりだったからこれといってする事は無いな、宿にでも戻るよ」


そう言ってフッと微笑む。


「そうか、じゃあまた明日な」


「ああ、楽しみにしているよ」


小さく手を振って出口へと歩いていくアリア。


「良いな……あの尻、実に良い」


最後にポツリと言ったラザスの小さな呟きを聞いた者は誰も居なかった。


***


「ではこちらがステータスプレートになります。使い方は説明致しますか?」


「いや、構わない」


「では、またのご利用をお待ちしております」


***


適当な依頼を受けステータスプレートを受け取ったラザスはそのまま依頼を達成し、報酬を受け取りホクホク顔で帰って来たという。





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