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尋問(1)

1ヶ月以上空いちゃいました……。

お盆には上げれる予定だったのですが、思いのほか難産で……。


3回も書き直したのにこのクォリティです。

書きたいものも書けないこんな文章力です。ポイズンではないです。


メラメラと滾る怒りを内に秘め、ただただ雄也さんの語る『言い訳』とやらに耳を傾けること20分。

僕にとってはほんっとうに長い長い20分だった。


だって話しの内容を要約すると『僕の身を守るために仕方くなく今回の凶行に及んだ』という状況説明と

『赦して欲しいなんて言わないけど、こちらの事情も汲んで欲しい』という自己保身の2点だけだからね。


そんなペラッペラな内容を、表現を変え言葉を変え延々と20分も聞かせられれば誰だって嫌になるでしょ?

こんなことだったら言い訳なんて聞かずに、こっちから詰め寄っていけばよかったよ。


でもまぁ今では過ぎたことか。悔やんでも仕方ないよね。

僕は大きく溜め息を吐くと、テーブルを挟んだ向こう側に座る雄也さんを睨めつけた。


「言いたいことはそれだけですか……?」

思いのほかドスの聞いた声が出てしまい雄也さんの身体がピクリと揺れる。


「それじゃ約束通りいくつか確認させてもらいたいことがあるんですがいいですか……?」

続けてそう告げるとさらにピクリと雄也さんの身体が揺れた。

彼は眉根を寄せた情けない表情で、困惑気味に聞いてきた。


「えーっと……。出来るだけ丁寧に状況の説明をしたつもりだったんだけど

まだ聞きたいこととかあるの……?」


ああ、なるほどあの無駄に長い状況説明はこの伏線だったんですね。

差し詰め『懇切丁寧に説明してやったんだから、もう質問したいことなんてないだろ?』って言ってんでしょうけど甘いんですよ。

僕は視線はそのまま口元をニヤリと歪めて雄也さんに告げた。


「ありますね。というか僕が聞きたい事には1ミリもかすってませんでしたよ」

「そ、そう?そりゃマイッタなぁ……」

「で。そろそろ質問したいんですけど、もう言い残したことは無いんですよね?」

のらりくらりと埒の開かない雄也さんに改めてそう詰め寄ると今後こそ観念したのか


「……どうぞ」

覇気のない返事が返ってくる。

いい感じだ。いい感じで弱ってきたな。今ならヤれる。人非人のイケメンの首がトれるぞ。


それじゃあ雄也さん。キリキリ白状してもらいましょうか?

『いつでもどこでも思い通りに事が進む』なんて、そんな幻想ブッ壊してやんよ。




今回の件は大きく3つのフェーズに分けることができると思う。


まず雄也さんがコミュニティボードを見て『こりゃ大変やで!』と気がつく。

そして厳ついお兄さんに『ワイの手駒がピンチやねん!助けたって!』と依頼する。

で最後に厳ついお兄さんこと修司さんによって僕が拉致られる。


『君の身を守るために仕方なかったんだ』なんて言葉で詳細をぼかしてるみたいだけど

冷静に考えると最初からツッコミどころ満載なんだ。つまりね――


「それじゃ最初の確認なんですけど。雄也さん。アナタ宿屋でコミュニティボード確認したんですよね?」

最初から答えが決まりきっている事だけど、一応確認しておかなくちゃね。

質問の意図を察したのか、雄也さんの瞳が一瞬だけ揺れる。


否定したいんだろうけど、そうは問屋が卸しませんよね。

だってアナタは絶対に宿屋でコミュニティボードを閲覧したはずですから。


いつでもどこでもスマホ感覚で扱えるから、本来なら『どこで閲覧したか』を特定するのは難しいんだろうけど

それはあくまで普通の状況だった場合の話だ。


『普通の状況』

――つまり知人を巻き込んで夜逃げした挙句、宿屋に絶賛引きこもり中の人間はその範囲外って事なんだよ。


宿屋に引きこもってるんだから、コミュニティボードを閲覧したのも当然宿屋。

これが揺るぎない真実ってヤツでしょ?


実際2人とも3人部屋に移ってからは1歩たりとも部屋から出ずに引きこもっていたしね。

食事すら部屋に運んでもらってたから、言葉通り『1歩』たりとも部屋の外には出てないんだよ。


そんな雄也さんが、宿屋の外でコミュニティボードを確認したとはとてもじゃないけど考えられないんだ。

そもそも外出すらしてないはず。万が一どうしても外せない外出の用事があったとして、外でノンキにコミュニティボード見たりはしないよね。

パパッと用事を済ませてマッハで宿屋まで帰って来てそこで見ればいいだけの話だもん。


恐らくうまい言い訳でも模索していたんだろう。

しばらく黙ったままだった雄也さんが、やや緊張した面持ちで聞き返してきた。


「えっと、その確認って重要なの……?」

僕がこれから何を話出すか予測がついてるんだろう。

副音声で『答えたくないでござる!』という声が聞こえてきそうだ。


「もちろん重要ですよ」

往生際が悪いですよ雄也さん。どうせ頷くしかないんですからとっとこ認めちゃってくださいよ。

再び黙り込んだ雄也さんに向けて僕は溜め息混じりに告げた。


「もし宿屋の中で気がついたんだったら

なんで隣の部屋で寝てる僕に知らせずに飛び出していったのか理由を聞きたいじゃないですか」


つまりはそういう事なんだ。

『僕の事を守るため』なんて理由を盾にグジグジと女々しい言い訳するんだったら、ここのところをキッカリと説明してもらわないと困るんですよ。


だって巷を賑わせてる『酒場の歌手』が隣の部屋でノンキに寝てるんですよ?

僕が雄也さんの立場だったら叩き起してでも知らせるよ。いや僕だけじゃない。誰だってそうすると思うんだ。


けど雄也さんはそうはしなかった。


もちろん僕を守るために修司さんの力が必要だったっていうのもあるんだろうけど

だからって僕を無視したまま、桃花さんの手を引いてストーカーの跋扈する危険極まりないお外に走り出すのはどう考えてもおかしい。


まず僕を叩き起して事情を説明。

その後、宿屋で待機してる僕の元へ修司さんを連れてくる。


本来ならこんなに平和な流れになるはずだったのに

それがどう拗れたら『買い物中に拉致。その後拘束』なんて結果になるっていうんだよ。

だから僕が『どうしてこうなったのか』その理由を知りたいと思うのも当たり前のことだと思うんだ。


もっとも。

……大体の予想はついてはいますけどね。


「宿屋でコミュニティボード見ましたよね?」

改めてそう念押しすると、無言で雄也さんが頷く。

おし第一関門突破。これより敵本丸に突撃を開始します。


「じゃあどうして僕に知らせてくれなかったんですか?」

さらに改めて質問すると、思わぬところから茶々が入る。


「まるで尋問だな……」

思わず声の方を見ると、相変わらず厳しい表情の修司さんが立っていた。

すっかり忘れてたけどこの人もいたんだった。


無視しても実害はなさそうだけど、いい具合に追い込んだところで再び水を差されるのも面白くないのでここはキッチリとご退場いただくことにしよう。

所詮相手は脳筋さんだ。一言で黙らせる自信がある。二言あれば謝罪させることすら可能だと思う。


「"まるで"ではなく、正真正銘の尋問です。外野は少し黙っててもらえますか?」

要旨だけを端的に伝えると、修司さんが少したじろぐのが分かった。

言外に『脳筋はお呼びじゃねぇんだ。すっこんでろ!』と込めた気迫に気がついてくれたみたいだ。


思わぬ邪魔だったけどこれで尋問に集中できるぞ。

と思った矢先、今度は今まで黙りまくってた雄也さんが口を開いた。


「"質問"じゃなくて"尋問"だったのか。どうりで迫力があると思ったよ」

「……言葉遊びする気分じゃないんですけど?」

というか代わる代わる何なんだアナタ達は。非常に面倒臭いんですが。

思わず顔をしかめると、雄也さんは目を閉じてフゥと小さく溜め息を吐いた。そして――


「桃花の為に君を売りました。

誠に申し訳ございませんでした」


テーブルに両手をつくと頭を深々と下げ、僕に向かって謝罪したのだった。

中途半端なところで切っちゃってますね。というかほぼ話進んでないようなものか……。

あ、尋問は次回も続きます。


8月中に続き上げれる予定です。

きっと上げれるはずです。きっと……自分を信じていれば……大丈夫なはずです。


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