表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/58

課題は自分でしましょう。

 「ねぇ、ルークさん。この問題の答えは?」

 「ああ、フェニックスだよ」

 メキシムに対して、ルークが答える。

 どうやらメキシムは課題をしてきていなかったらしい。黒髪をなびかせた美少女、それがメキシムであるから、周りの男子生徒達はルークに嫉妬にも似た瞳を向けていた。

 「じゃあ、この答えは?」

 「ああ、xyだよ」

 「ルークさんって頭いいですよね!」

 「そうかな? 今度からもわからなかったら聞きに来ていいぞ、教えるから」

 「わー。本当ですか? じゃあ毎日聞きに行きますね」

 …ちょっと待て。毎日聞きに行くって、わからない所は自分で調べるなり勉強するなりして理解するからこそ、勉強になるんだろーが。

 答えだけのまる写しじゃ、勉強した事にならない、と僕は思うんだが。

 メキシムって成績上位者だろ? 自分で勉強せずにどうするんだ。正直隣で話を聞いてる身としては、放っておくのは駄目だと思った。幼なじみのルークのせいで成績上位者の成績が落ちるなんてなったら何だか気分が悪いし。

 「メキシム。課題ぐらい自分でやれば?」

 「なっ、ユウ君。何でそんな事言うんですか! 私の勝手でしょう」

 「…そうかもしれないけど、今回はともかくとして毎回ルークに聞くのはどうかと思うよ? 毎日聞きに来るっていってるけど、答えだけ聞いても意味ないし」

 僕はため息を吐いてそう言うと、ルークに向かっていう。

 「ルーク、教えるならせめてメキシムが理解できるようにしっかり説明をしろ。誰かに説明する事でルークも力がつくし、メキシムも答えだけ写すなんてしてたら成績下がるから。僕幼なじみのせいで誰かの成績が下がるとか気分悪いから、ちゃんと教えなよ」

 そもそも、ルークって下手に今まで全てうまくいってきたから、やらなくても自分は何でもできるんだってそう自惚れてる気がするし。実際にルークは特に何もしなくても何でもできて、何でも成功してる奴だけれども。

 ルークって他人を強く拒めないから、メキシム達に授業中に話しかけられたら普通に話すし、何だか、学園に入ってからルークが不真面目になってる気がする。ハーレム陣達につられてやってるんだろうけれども。

 第一ハーレム陣達も、自分はやらなくてもできると過信してるのかもしれないけど、本当に成績下がっていいのか、とつっこみたくなる。

 「うん、じゃあ、ノア。教えるからわかんなかった所言って」

 「え、じゃあ此処がわからないです。色々わからない所あるので、ルークさんに聞いてもいいですかー?」

 語尾が上がってて、甘えるような声に、メキシムは本当ルークが好きなんだな、と思う。

 多分ルークと会話を交わしたいから一緒に居る時間を増やすためにそういう事言ってるんだろうけど…、メキシムの人柄を考えると、勉強せずにルークとのんびり喋ってそうなイメージ。

 ルークが公爵家の当主として恥のないような学力とか強さとか、そういうものを維持できるようになるべく注意しなきゃなぁ…。ルークって兄が居るんだけど、ルークが公爵家継ぐ事になってるんだ。

 …ハーレム陣を拒絶できないからって、魔法の練習とか勉強とかおろそかになってるけど、放っておくわけにはいかないしなぁ。

 うーん、面倒だけど、ちょくちょく言わなきゃ本当にルークって成績とか落ちてきそう。まだ入学したばかりだから、大丈夫だろうけど。流石にずっとおろそかにしてたら流石のルークでもどんどん駄目になっていきそうだしなぁ。

 …今度一緒に勉強会でも提案してみるか。ハーレム陣も一緒にきそうだけども。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ