本選第二回戦(2)
僕が取り出したのは一つの鏡。小さな手の平サイズの鏡だけれども、これも魔法具の一種である。
それと同時に僕が取り出したのは、数本のクナイ。東方の忍者とかいう職業の人達がこれを使うらしい。で、僕はこの忍者に少し知り合いがいるから、習った事があるんだ。
横から投げるようにして、クナイを投げる。そして、見た事もない武器に相手が戸惑っている隙に僕は駆けだす。そうして、その中で、手のひらに存在する鏡で、相手を映し出す。
それは、”鏡に相手を認識させる”ため。これは、そういう魔法具だから。
ちゃんと認識した事を確認すると、僕はそれをポケットとつっこみ。その鏡と対になっているもう一つの鏡を取り出す。
それと同時にフォークス・ルネアスは呪文を唱える。
「聖なるチカラよ、我に力を貸せ。
滅ぼすは、邪なるモノ。
我が請うは、聖なるモノ。
《ライトアローlevel18》」
それと同時に現れるのは、大量の光の矢。数えられないほどの量がその場に出現する。
これは、食らったらヤバいな、level18だし、と冷静に頭の中で考えながらも僕は手に持っている鏡で、その矢を映し出す。
そして、矢を認識させる。うまくいくかはわからないけど、この魔法具に術式が予定通り組み込まれているならできるはずだ。そう、自分を安心させる
そうして、フォークス・ルネアスが僕へと狙いを定めて、矢を一気に僕に向かわせていく。
そんな中で、僕は、鏡の縁に取り付けられているボタンを押した。
―――――そうして、魔法具。《合わせ鏡》が発動した。
僕に、あらゆる方向から向かってこようとしていた矢は、軌道を変える。そしてそれは―――、次々と僕が手にしている鏡の中へと吸い込まれていった。
「なっ――――」
それに声をあげたのは、フォークス・ルネアスである。
当たり前だろう、自分が行使しているはずの光の矢が、自分の意思に反して軌道を変え、吸い込まれていくのだから。
《合わせ鏡》はそういう魔法具なのだ。一つは、今見せたように”認識したものを吸収”する働きがある。そうしてもう一つの鏡は―――。
「お返しするね」
僕はそういって、対になるもう一つの鏡―――先ほど”相手を認識した鏡”を取り出し、ボタンを押した。それと同時に鏡の中から次々と先ほどの矢が姿を現す。
そして、現れた矢はフォークス・ルネアスめがけて飛び交った。
そう、もう一つの鏡は、一つの鏡で吸収したものを、”認識した相手に向かって放出する”という働きを持つものなのだ。
更新遅くなってすみません…。
しかも短くて申し訳ないです。