本選第二回戦(1)
ロッシュ・バウナーの取り巻きの女の子に狙われている間に、ルークとセト先輩は勝利していたらしい。流石、あの二人というべきか…。
その後、僕は他の試合を観戦し、僕の第二回戦が、始まろうとしていた。
相手の試合も見た。僕と同じ一年なんだけれども、中々強い人だと思った。とはいっても、まだまだ実力を隠しているようなそんな雰囲気だったけれども。
「ユウ、頑張れよ」
そう言って、ルークが笑いかけてくる。僕はそれに対して片手をあげるだけの返事をした。周りのハーレム陣達がこちらを見て何か妬ましそうに見てたけど、気にしても仕方はない。
というか、本当ルークはさっさとその周りの奴らの思いに気付けばいいんだが。その鈍感さは何なんだって言いたくなる。
さて、次の戦いは、どうやって戦おうか。
僕はルークに勝つのが目標で、だから、勝たなきゃとそう意気込む。
ルークは”天才”だけれども、勝ちたくてたまらないんだ、僕は。僕の将来やりたい事は軍に入って、戦う事なんだから。”天才”だろうとなんだろうと、勝てるようになんなきゃどっちにしろ上には上がれないんだと思うし。
努力が、天才に勝てるかどうか、なんて僕にはわからない。でも、それを証明できれば、いいのにって思う。
そんな事を考えながら、舞台の上に立つ。そうして、前から対戦相手がやってきた。
金髪の男だった。ルーク同様イケメンという奴なのか、観客席から女子生徒達が騒いでいるのがわかる。まぁ、確かに顔立ちは整っているし、女受けしそうな顔してる。
実力は未知数だ。
だけど、勝ちたい。そう意気込んで、僕はまっすぐに男を見据えた。
男もこちらを見つめている。そこに温かさも何もない。笑み一つも浮かべない。いうなれば、無表情という奴だろうか。だけど、周りはそれでも、男に好意を持つ者が多いようだ。クール系という奴なのだろうか? ああ、そういえば誰かがクールな男子はかっこいいとかいってたっけ。僕はそんな事あんまり思わないけど。
というか、外見重視だよな、結構皆。性格も大事だろうけど、外見がよければどんな性格でも、性格が最悪とか以外なら、騒ぐもんだと思う。
『それでは、ユウ・リルード対フォークス・ルネアスの試合をはじめます』
そうして、僕とそいつの試合が始まる。
どんな奴かというのは一切わからない、僕は奴をじっと見据えた。先に動くべきか否か、それを試行錯誤する。
ひと時の間、どちらも動かなかった。
先に動いたのは、フォークス・ルネアスの方だった。腰にかけられた長剣を引きぬき、地を強く蹴る。そして勢いよく、こちらの方へと向かってくる。
僕も、『亜空間』から長剣を取り出し、その攻撃に答える。僕とそいつの、長剣が互いに交差しあった。
金属のぶつかり合う音が響く。そんな中で僕は奴の行動を見逃さないように、奴を真っすぐと目でとらえる。
――――アースは僕に、戦い方を教えてくれた。
そうして、その時に、一番に教えてくれたのは、敵の隙を見逃さない事と、油断しない事。油断するという事はあってはならないのだ。戦いの中で。
長剣の交差を何度も何度も繰り返していたとしても、勝負は決まらない。僕が動くか、奴が動くか。
僕は、奴の長剣に答えながらも、呪文を言葉に紡ぐ。
「求めるは、灼熱。願うは、煉獄。
燃えよ、燃えよと我は求める。
《ファイアーブレスlevel14》」
level14ぐらいになると僕ぐらいの魔力だと結構魔力を食ってしまうんだけれども、相手が強いってのはわかるから、出し惜しみしてても仕方がない。それに、隙さえあれば魔力回復薬だって常備している。 なにかをしながら魔法を行使するって行為は結構疲れるし、難しい。level14ぐらいの魔法でも、いまので僕はどっと疲れがきた。
でも、目の前の男を一端ひかせられたならそれはそれでいいのだ。
フォークス・ルネアスは僕の魔法に一端ひいた。とはいっても、防御系の魔法は使ってないはずだから少しは食らうはずだけれども、なんともないような顔を奴はしている。
もしかしたら、炎が聞きにくくなるようななにかを事前に装備でもしていたのかもしれない。
そんな事を考えながらも、僕は『亜空間』から、あるものを取り出した。
僕が自分で術式を編み込んだ魔法具である。
――――さて、これを使って勝つために、色々と準備をしなければ。
そう意気込んで僕は動き出した。
遅くなってごめんなさい。
勉強最近忙しくて、書く気になれてませんでした。
あと短くてすみません。