まずは、予選と行きましょう(2)
生徒数間違えてたので、変更しました。
10人でバトルロイヤル。
それで、僕、滅茶苦茶狙われてんだけど。え、何? 一年生だから、弱そうだから、さっさと倒しちゃおうって事?
…何か、むかつく。甘く見すぎっていう、話で、詠唱する暇は与えない、とでも言う風に僕に向かってくる先輩達。みなさん、斧やら、剣やらかかげてる。
んー、僕一応基本的な武器は弓だし、接近されるとやりにくい。
とはいっても、他の武器だってちゃんと使えるは、使えるんだけどね。
普通は、皆一つの武器しか使えない人多いんだけど、僕は色々試して、習ってみたから、一応何個かの武器は使える。小遣いをためて買った魔法具《亜空間》の中へと手をつっこんで、長剣を取り出す。
流石にルークのみたいに、魔法具ではないけれども、自分で作った魔法具とか売って、ためたお金で作ってもらった、長剣だ。まぁ、一級品とは言えないだろうけど、そこそこの出来の長剣だと思う。
そして、僕は突然、長剣を取り出して驚いている先輩一人を、躊躇いもなく切った。
…とはいっても、この会場の中には、治癒効果とかかけられてるらしいから、ひどい怪我を負った瞬間、怪我が回復して舞台の外に出されるらしい。試合続行不可能と判断されて。
僕が切った先輩も、かなり深く切ったから、舞台の外側へと移動されていた。
それと同時に、周りの残り八人の先輩達――とはいっても同級生が居るかもだが、基本的にこの大会は二、三年生が主に出場する――の、表情が変わった。
…どうやら、僕への弱そうという認識は改めてくれたらしい。
僕は、結局先輩二人と三人で争う事となり、あとは、一対一でやってる人と、三人でやりあってる人に別れた。
あー、とりあえず頑張らなきゃ。
僕の目標はルークに勝つ事であるし。
僕がやり合う事になった、二人の先輩の武器は、長剣と槍だった。それで、僕は一応右手に長剣を握ってる。もう少し距離が開いているなら、弓で攻撃してもいいんだけどね。
さぁて、いっちょやりますか!
「精霊よ! 僕の声を聞き、僕に力を貸して!」
精霊を感じ、それを願う。
目の前の先輩達は、精霊魔法を使うと思わなったのか、ぎょっとした表情を浮かべる。
…精霊は僕の願いを聞き届けてくれ、一人の先輩に向かって、火球が放たれた。僕はそれを感じ取ると、もう一人の長剣使いの男の先輩に向かって、剣を振り下ろす。
だけど、それはカキィンという音を立ててはじかれた。
ちらりと、もう一人の槍を持つ先輩を見れば、火球を結界によって、はじいた模様。
調理場に居た、僕が力を借りた精霊は結構な力を持ってたらしく、魔力は消耗しているみたいだけれども。
僕はそれを見ると、足へと魔力を集中させ、空へと飛んだ。
僕が飛んだのは、履いている底の厚い靴が理由である。
僕が編み込んだ、飛行魔法の魔法具。…魔法具作成には結構な時間がかかるから、ギリギリでできたのだが、まにあってよかったと、僕は思う。
そして、僕は、二人の先輩、そして、他の人達とやり合う参加者に向かって、言葉を放つ。
「《ライトアローlevel7》」
詠唱破棄を行い、その魔法を、僕は発動させた。
空中に現れた弓は、僕が敵とみなした全てに向かって、矢を放ちつくす。
……僕と敵対していた二人はともかくとして、他の先輩たちに関しては、完全なる不意打ちである。
とはいっても、これは何でもありなんだから、ルール違反ってことはないはずだ。
「《アクアウォールlevel8》」
誰かが、結界魔法を発動させる声がする。…何人かは倒せてればいいけど。それを思いながら、僕は空中を飛行しながら、靴に触れて、もう一つの効果を発動できるように準備をする。
そうして、舞台を見れば、3人は不意打ちだったためか、舞台の外へと出されたらしい。
残り、五人――――。
僕が全員に一斉攻撃したからだろう、向こうも僕に向かって攻撃を放ってくる。
「求めるは、灼熱。願うは、煉獄。
燃えよ、燃えよと我は求める。
《ファイアーブレスlevel13》」
一人の女の先輩――黒髪をなびかせた先輩が、僕に向かって魔法を放つ。結構広範囲の魔法だ。…避けるより防いだ方がよさそうだというわけで、僕は《亜空間》から透明な、それでいて、魔法陣の描かれたそれを取り出す。
僕の体をすっぽり埋め尽くす薄い、膜。
それは、炎の魔法――、先輩の口から放たれる炎から、僕を守るようにして、結界を展開させる。結構、細かい魔法陣だから、防ぐ事はできた。
ふぅ、と一息を吐く。
そして、僕は一瞬にして、舞台の上へと降りると、厚底から出現した、車輪……まぁ要するにローラースケートにもなるのである、で舞台の上を駆けまわる。
意味もなく、そんな事をしているわけではない。幸いにも、五人の先輩達の放つ魔法は、ローラースケートのスピードで避けられる事が可能である。僕はよけながらも、意図的に、舞台の上をかけた。
「《アクアブレス》」
「《ライ……》」
先輩達が、言葉を放ち終える前に、僕の目的は終了した。
「発動せよ」
僕はただ、小さく呟く。
それと同時に、僕が、ローラースケートの舞台との接触部分によって、描いた、魔法陣が、発動する。
……説明をすると、この靴には飛行魔法と、ローラースケートの接触部分に僕の魔力と混ざり合うインクを仕込んでいたのである。ただのインクに、自分の魔力のパスをつないで、魔法を発動させることも可能だが、自分の魔力をインクと混ぜ合わせた方が、断然魔法の威力は違う。
現に、僕の描いた巨大な魔法陣によって、出現した炎は、一気に僕の背の高さぐらいまで燃えつくさんとしている。僕は魔法陣の範囲外にそれているからいいが、五人の先輩たちはこの炎を思いっきり食らっているわけである。
…一人はその魔法陣でもどうにか、負けにはならなかったのだが、後は剣術で僕が相手を打ち負かし、僕は勝利した。
うん、とりあえず、予選は進出できた。しかしまぁ…、僕、魔力はルークみたいに異常にあるわけではないし、もう少し魔力を最低限に抑える戦い方をしなければ、と心の中でただ思った。
「勝者、ユウ・リルード」
そんな言葉に、何だか、笑みがこぼれた。
正直、うまくかけている自信は皆無です。
戦闘シーンは正直言って、苦手です……。うまくかけてればいいな、とは思います。
ユウは何気に強いです…。ルークは魔力量とか色々異常ですけど。
次は、生徒会長さんか、ルークの予選にする予定…。