どうやら、大会があるようです。
『第××回、中等部学園内コロシアム』
概要:学園内最強は誰だ!? これに出て活躍できれば、気になるあの子の目にも止まる!? 本選まで出場すれば、軍やギルドの方々の目にも止まる!? 一年生には不利かもしれない、しかし君らには可能性がある! 何でもありのコロシアム! 出場希望者は用紙を書いて提出するように。なお、会場には治癒&修復魔法がかけられる予定です。まずは予選を通過し、本選へ進め!
……どうやら、学園内最強を決める大会があるらしい。
僕は教室の掲示板に張られた紙を見て、それを知る。
本選で、軍とかギルドの人も来るっていう事は、あの人も来るかもしれない。それに、活躍すればあの人の耳にも入るかもしれない。
それなら、僕は出ようかなと思う。
面倒な事は大嫌いだけど、僕は強くなりたい。自分がこの学園でどれだけ強いか、知りたい。
「なぁ、ユウ。あれでるか?」
「ん? もちろん出るけど。ルークは?」
「ユウが出るなら俺も出ようかなぁ…」
ルークが大会に出るか…。それもいいかもしれない。ルークとは模擬戦を昔からしてたけど、最近はあんまりしてなかったから。それに、強い人と戦うって事はそれだけ経験になる。
経験を積むっていうのは大事な事だと、僕は思ってる。だから大会は本当に楽しみで仕方がない。どんな戦い方をしようか、何でもありってことは戦うための道具も持ってていいっぽいし…。長剣より弓の方が得意だけど、相手が長剣とか槍だったら弓でじゃ戦いにくいからなぁ。となると、やっぱり…、敵の武器と力量によって色々戦い方を変えるべき。
僕が一番得意なのは、魔法だし…、そっち系で責めるべき。下準備をきちんとしておかなきゃ。開催は一カ月後……、勝つための魔法具とかも色々考えなきゃ…。
「ルークさん、出るんですか!? ルークさんなら絶対いい所までいけますよ」
「そうよ、ルークならきっと圧勝よ」
「ルークが強いのは当たり前ですわ! だってわたくしのルークですもの!」
「ルークなら今のままでも十分強い、私が認めよう!」
そうやって、騒ぎたてるハーレム陣の中の、アフライ先生とアイワードは僕を見ていった。
「リルード! お前がコロシアムなんかに出てもどうせ負けるんだぞ。なんたって私のルークが出てるんだ!」
「そうですわ! あなたごときがルークに勝てるはずなどありませんわ!」
…ウザイなぁ、本当。
そもそも担任もアイワードもルークルークってどんだけだよ、って感じ。寧ろルークを神と崇めた宗教っぽくって見てて引く。ルークに惚れてる人達って、本当、ルークルークって、うっさいからなぁ。
というか、なんか、ちょっとむかついてきた。
…ルーク対策を念入りに考えておこう。ルークにだろうと、負けたくないし。
よし、打倒ルークで頑張ろう。予選通れるかさえ、わからないけど。とりあえずは、それが目標だ。