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ダムの近くに住み始めました

私たちが終の棲家を構えた町は、東京と言って想像する東京ではなく、畑と住宅街と竹林などが混在する田舎町。

駅前にコンビニもなく、駅から家までの10分の道のりには、心臓破りの坂はあれど、のどを潤す自販機はない。

静かな環境かと思いきや、頭上を向こうの基地に着陸する飛行機が飛んだり、週末は遠くにバイクの集団の音を聞いたりと、意外ににぎやかな所である。

東京から離れた所で育った友達や兄弟が決まってる言うセリフ

「東京にもこんな所あったんや」

なんとか、東京感を出そうと、これまた徒歩10分のアースダムの堤防に上がって

「ほら、スカイツリー見えるよ」と、有ると信じて見ないと見つけられないような遠くを指差してやるのだけど、聞けるのは、スカイツリーに背を向けると見える富士山の感想だけ。

ダムと公園と富士山。毎日犬と散歩したりできたら、楽しいだろうなぁ。何となく住んでいる自分が想像できて家を買ってしまったのだ。結局、犬も飼わぬままあっという間に10年が過ぎてしまった。

田舎町の割に隣との家の距離が近い。まぁ、建売住宅なので仕方ない。玄関のある北側は二車線の道。南と西は同じ時期に建った他の家、東側は私道を挟んで遊歩道。リビングからみる借景の開放感が気に入って即決だった。

マンションのエレベーターですら、人と乗り合わせるのを嫌がる夫も、偶然生まれた開放的空間を気に入っているようだった。

まぁ、上をみればきりがなく。下を見ても仕方ない。子どもが居ないせいか、近隣ともほどよい距離感で快適に過ごしていた。

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