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2 いやいや
私は頭を抱えながら考える。
「そんなはずない。唯、どう思う?」
「いやぁ、これはありますねぇ。」
唯はリンゴジュースを飲み干し、ズルッと音が鳴る。
瑛を見ると、渡の髪の毛を触り続けていた。
これはそうなのかもしれない、いやそうだろう。
と自問自答をし、チャイムと同時にため息をついた。
そう考えられるのには理由があった。
瑛には彼女がいたことがない、好きな人がいるという噂もない。
部活のバレーに夢中で同じ部活の渡とよく二人でいる。
一部ではそういう感じだと言われていたのを思い出した。
私は瑛を見つめていると、彼と目が合う。
ペンを回し、それと同じように頭の中もぐるりと動く。
「…なぁ、にぃ?」
瑛のアヒル口が大きく開く。
誰にも見つからないように静かだった声さえもが好きだと思えた。
「…なんも、ないよ!」
照れ隠しのつもりで、同じように大きく口を開けた。
そう伝えたとき、斜め前の席の渡の背中をつんとつつく。
すると楽しそうに話し出す。
「…やっぱりそうなんだ。」
呆れてしまった。
続




