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EVOLVE〜エヴォルヴ〜 Season9 ― 見えない影と、暴かれる真実 ―  作者: 柊梟環
EVOLVE〜エヴォルヴ〜 Season9 ― 見えない影と、暴かれる真実 ―
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エピローグ ぽかぽかの夜《Epilogue》 ― 終わった戦い、戻ってきた温度 ―

ぽかぽか邸のドアが勢いよく開いた。


「たっだいま戻りましたぁぁあ!!!

 いや〜〜勝った!勝利ですよ!!

 あ、灯(あかり)さん、結月(ゆづき)さん!ただいまです!」


「……ただいま。

 ふぅ……やっと終わったな。」


凪(なぎ)は靴も脱ぐ前に両手を広げ、

ぽかぽか邸を見渡して叫ぶ。


「柊(しゅう)先輩ーーー!!

 無事でよかったーー!!

 ……というわけでっ!!

 本日の議題は——」


ビシッと指を立てる。


「勝利の!!打ち上げです!!!」


「ふふっ……やっぱり言うと思ったわ。」


「凪(なぎ)さん……元気……すぎます……」


「元気がなかったら勝てませんからね!

 というわけで僕、食材買ってきます!

 蒼真(そうま)さん行きましょう!」


「え、ちょ、凪(なぎ)……

 ……まあいい。買い物リストは?」


「待て、落ち着け。

 俺も手伝う。」


「じゃあ、わたしはははと結月(ゆづき)さんとお手伝いします!」


こうして、

ぽかぽか邸は久しぶりに明るい声で満たされた。


買い出し班と料理班に分かれ、

キッチンは湯気と笑い声の中で活気づく。


◇


「灯(あかり)さん!この味付け最高です!

 あ、環(たまき)さーん!そのサラダめっちゃいい匂い!」


「柊(しゅう)、包丁の音が速い。

 ……いや、速すぎるんだが。」


「癖だ。気にするな。」


結月(ゆづき)は、その光景を胸の奥で噛みしめるように見ていた。


「……この家……温かいですね……

 本当に……わたし……救われた……」


「あなたは、もう“仲間”よ。

 ここにいるみんなが、あなたの味方。」


結月(ゆづき)は小さく頷き、目元をぬぐった。


やがて料理が並び、

グラスがひとつ、またひとつと手に取られる。


「……みんな。

 お疲れさま。」


「はいっ!!お疲れさまでしたーー!!」


「これからも……みんなで進んでいけますように……」


「勝因は、信頼だな。」


「ええ。あなたたちの力は、本物よ。」


全員のグラスが触れ合った。


――カチン。


温かな夜が、ゆっくりとほどけていった。



◇◇◇



■ 深夜、静かな柊(しゅう)と環(たまき)、2人の時間



家が静かになった頃。

ぽかぽか邸のリビングには、

柊(しゅう)と環(たまき)の2人だけが残っていた。


柊(しゅう)はソファに深く座り、

長く息を吐いた。


環(たまき)はその隣にそっと座り、

静かに口を開いた。


「柊……

 わたし、今日……怖かったんです……

 でも……手が震えなかったんです。

 こんなこと初めてで……

 自分のことより……

 柊のほうが心配で……

 気づいたら……

 隣で柊の背中に手をあててました。」


柊(しゅう)は環(たまき)を静かに見つめた。


そして――

そっと、彼女を抱き寄せた。


「……そうか。

 俺も……怖かった。

 こんなに震えたのは初めてだった。」


環(たまき)の瞳が揺れる。


「でもな……

 環おまえが隣にいてくれたから……

 環の温度を感じられたから……

 俺は戦えたんだ。」


環(たまき)の目が少し潤む。


「柊……

 わたし、ずっと柊の隣にいます。

 柊は……わたしの大切な人ですから……」


柊(しゅう)の腕に、さらに力がこもる。


「……ああ。

 俺も……ずっと隣にいる。

 環を離さない……

 おまえは……俺の大切な人だ。

 これからもずっと一緒だ。」


「……はい……

 ありがとう……柊……」


2人の影が寄り添って揺れる。


その夜、

ぽかぽか邸は、

戦いの名残を静かに消すように

あたたかな空気に包まれていった。

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