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EVOLVE〜エヴォルヴ〜 Season9 ― 見えない影と、暴かれる真実 ―  作者: 柊梟環
EVOLVE〜エヴォルヴ〜 Season9 ― 見えない影と、暴かれる真実 ―
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第40章 Dual Strike ― 2方向同時追撃、天才たちの反撃 ―

ぽかぽか邸の空気が張り詰める中、

しゅうの前にあるモニターに、米田の侵入ログが波のように流れ続けていた。


しかし、柊の指は揺れない。

守りながら、同時に“逆探知”の準備まで進めている。


そのとき——


――ピコン。


なぎ蒼真そうまからの同時通信が柊の端末に入る。



◇◇◇



■アークシステムズ側:反撃準備完了



なぎしゅう

『先輩! 蒼真そうまさん、弱点見つけました!

 “米田のクセ”が完全に割れました!』


凪の声はもう“凪の領域テリトリー”の時。


【蒼真 → 柊】

『米田のコードは、根本に“人間の癖”が残っている。

 それが弱点だ。』


柊の眉がわずかに動いた。


「言ってみろ。」


蒼真は迷いなく答えた。


『“3段階目の改変”に必ずミスが出る。

 米田は昔からそうだ。

 完璧主義に見えて……本質は“焦り屋”だ。』


凪が続ける。


『先輩、覚えてます?

 僕が新人のとき……

 米田が僕の教育係だった頃のクセ。』


柊は短く答える。


「……ああ。

 『追い詰められるとスピードだけ上げる』。」


凪の声が笑う。


『そう、それです。

 今の米田、完全にその状態。

 “速いだけで雑”になってる。』


蒼真が冷静に告げる。


『つまり——追撃するなら“今”だ。』


柊の指が止まらない。


「……わかった。

 こちらも動く。

 同時に叩くぞ。」



◇◇◇



■ぽかぽか邸:柊のカウンターモード



米田の侵入が、再び強くなる。


しゅうのモニターに表示された侵入ログは、

まるで乱暴に叩きつけられる波のようだった。


——ガッ


——ガガッ


——ガガガガガッ!


柊は静かに呟いた。


「……焦っているな、米田。」


画面の裏にいる“敵の呼吸”がわかる。


そして次の瞬間——


柊は指を止め、画面上の一点を示した。


(……ここだ。)


米田の“3段階目の改変”のエリア。


一見完璧に見えるコード…… しかし、たった1箇所だけ“不自然な改行”がある。


それが“昔からのクセ”。


「……もらった。」


柊はそこへ防御コードを叩き込み、

同時に逆探知プログラムを起動。


――ギィン!


画面の奥で、何かが弾けたような反応があった。


「……ッ!?

 防がれた……!?

 如月柊きさらぎしゅう……どこまで読んで——」


「読めるに決まっているだろう。」



◇◇◇



■凪&蒼真:天才タッグの“斬り込み”



アークシステムズのセキュリティルーム。


なぎはキーを叩きながら笑った。


「先輩が合わせましたね!

 じゃあ行きますよ、蒼真そうまさん!」


蒼真は冷静なまま。


「“同時3点刺し”。

 凪とだからできる。」


凪はうれしそうに声を上げる。


「久しぶりの——コンビ復活っ!」


次の瞬間。


――パァン!


アークシステムズの端末上で、

米田の割り込みコードがすべて“固定化”された状態で止まる。


しゅうが押さえた米田の急所に対し、

凪と蒼真が一気に“逆流攻撃”を流し込んだのだ。


「……ッッ!!

 これは……3方向同時……!?

 誰がこんな——」


天才SE凪陽翔なぎはるとと」


「天才リブーター桐生蒼真きりゅうそうま。」


凪&蒼真(同時): 「“2正面突破”だよ。米田さん。」



◇◇◇



■米田の仮面が崩れる瞬間



ぽかぽか邸で戦うしゅうの前に、

米田の侵入コードが揺らいだ。


……ブツ……ッ。


改変ログが止まり、

米田の“癖”がはっきりと浮かび上がっていく。


柊の目が細められた。


(弱点が……あらわになった。)


その隙を突いて、

唐突になぎの声が柊のヘッドセットから響いた。


【凪 → 柊】

『先輩! 今です!

 米田の“中心ライン”全部、蒼真そうまさんが開けました!

 叩いてください!!』


瀬戸際に立つ男の冷静な声が、ぽかぽか邸に響く。


「——了解。」



◇◇◇



たまき、気づく



戦闘の合間。


たまきしゅうの手の動きが、一瞬鈍ったのを見逃さなかった。


(……柊……緊張してる……?)


彼の背中に、そっと手を添える。


その温度が、柊の心を完全に戻す。


「……環。

 大丈夫だ。ありがとう。」


環は小さく頷く。


「……柊……

 わたし……ここにいるから……」


柊の指が再び迷いなく走る。


“戦闘態勢復旧”


それは、環が与えた“支え”の力だった。



◇◇◇



■締め



ぽかぽか邸。

アークシステムズ。

2つの拠点で——


3人の天才が同時に、米田の急所を叩き込んだ。


米田圭介よねだけいすけの“完璧な仮面”が、

音を立てて崩れ始めていた。

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