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EVOLVE〜エヴォルヴ〜 Season9 ― 見えない影と、暴かれる真実 ―  作者: 柊梟環
EVOLVE〜エヴォルヴ〜 Season9 ― 見えない影と、暴かれる真実 ―
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第39章 侵入者(Intrusion) ― 柊 vs 米田圭介・ぽかぽか邸突破戦 ―

ぽかぽか邸の玄関。


しゅうが鍵を閉め、ゆっくり靴を脱いだ。


家の中には静けさが流れ、

あかりたまき結月ゆづきが過ごすリビングまでの廊下は

いつもと変わらぬ“穏やかな空気”に満ちている。


……はずだった。


柊は1歩、踏み出したところで足を止める。


“音”が違う。


空気の流れが違う。


家の奥へ向かう気配の中に——

“混じりもの”がひとつ。


(……侵入……?

 いや、“遠隔の気配”か。)


柊の瞳が鋭く細められた。



◇◇◇



■ぽかぽか邸へ向けられた“第1撃”



同時刻。


離れた暗室に座る米田圭介よねだけいすけは、

しゅうの位置情報を画面で追いながら指先を動かした。


「侵入口、特定。

 ぽかぽか邸・中枢へ侵入開始。」


キー音が高速で並び、

黒いウィンドウが次々と展開されていく。


――シュッ……!


侵入コードが走る。


標的:ぽかぽか邸ネットワーク

侵入経路:スマート家電 → ハブ → メインルータ


米田は薄く笑った。


如月柊きさらぎしゅう……

 君の“家庭”ごと落としてやるよ。」



◇◇◇



■柊、気配の正体を掴む



ぽかぽか邸・廊下。


しゅうの指がピクリと動いた。


壁に取りつけた“家庭用Wi-Fi端末”から、

微かなノイズが走る。


その瞬間、柊は理解した。


(……たまきのスマホを狙ったのと同じ“入口”だ。

 米田……こちらへ来たな。)


柊はスマホを取り出し、短く指示を送る。


【柊→なぎ

状況変化。ぽかぽか邸に侵入。

お前らはアーク側を死守しろ。こちらは俺が抑える。


すぐに返事。


【凪→柊】

了解! こっちも動きあり!

先輩、気をつけて!


蒼真そうま→柊】

“例のポイント”を狙います。

時間を稼いでください。**


柊は画面を閉じた。



◇◇◇



■突然、背後から



「……しゅう?」


静かな声。


振り向くと——たまきが立っていた。


心配そうに、けれど勇気を出して近づいてくる。


「……柊……どうしたんですか?」


柊は言葉を選ぶように息を吐いた。


「……少し、守る仕事だ。」


環は迷わず柊に近づき、

そっと柊の背中に手を添えた。


その“体温”が、柊の心のブレを一瞬で整える。


柊の瞳が変わった。


迷いのない、いつもの“戦闘モード”。


「……ありがとう、環。」


環は小さく頷く。


「柊……気をつけて……

 ここにいますから……」


柊の口元に、わずかな優しさが残った。


「必ず守る。」



◇◇◇



■ぽかぽか邸 vs 米田圭介よねだけいすけ



しゅうはリビングの中心へ移動し、

ノートPCを開く。


画面には、米田の侵入コードが

触手のようにシステムへ入り込んでくる様子が映し出されていた。


(侵入口3つ……同時攻撃……

 だが——読める。)


柊が指を走らせた。


――カタカタカタッ!


米田の攻撃コードを分析し、

突然、柊は“ある一点”に集中的に防御を置いた。


その瞬間——


遠隔の場所で端末を操作する米田の目が細くなる。


「……ッ!?

 そこに来るか……如月柊きさらぎしゅう……!」


米田は急いで別ルートに切り替えるが、

柊はそれすらも先読みして攻撃を潰す。


攻防はわずか数秒。

しかし、その数秒が“天才の戦場”だった。



◇◇◇



■凪からの“遠隔援護”



そのとき。


しゅうの端末に、なぎからの緊急連絡。


【凪→柊】

『先輩!そのまま右ライン守ってください!

 米田の焦り、こっちで全部拾えてます!

 僕が“隙”を作ります!』


柊は短く返す。


【柊→凪】

『任せた。』


凪の声が入る。


「柊先輩!

 “揺らぎ3カ所”同時に来ますよ!

 合わせてください!」


たまきは横で心配しつつもただ見守るしかない。



◇◇◇



■3方向からの同時攻撃



米田が牙をむく。


如月柊きさらぎしゅう……

 まだ耐えるか。なら——本気を見せろ。」


キーを叩く速度が一気に上がる。


侵入ルートが3方向から同時に襲いかかった。


だが——


しゅうの指は迷わない。


なぎが作った“揺らぎポイント”へ一気に防御を集中させ、

蒼真そうまの深層解析が裏支えする。


「……甘いな、米田。」


「……何……!?

 ここを読まれた……!?」



◇◇◇



■ぽかぽか邸の“守護者”が立つ



しゅうのタイピングが加速する。


――ダダダダダッ!


コードが次々と書き換えられ、

ぽかぽか邸のセキュリティラインが一気に強化された。


米田の侵入コードは弾き返される。


チッ……!


遠くで米田が舌打ちする音が聞こえたかのようだった。


そして柊は静かに言った。


「……米田。

 この家は……俺の“テリトリー”だ。」


その背中には、たまきの手の温度がある。


そしてなぎの声が、もう一度届いた。


【凪→柊】

『先輩、準備できました!

 次、行きましょう!!』

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