第37章 ① 遮断された世界(Isolation Zone) ― “2重攻撃”と“2重結界”、天才たちの反撃が始まる ―
■ 密談 ――3人の天才が仕掛ける“逆転の罠”
アークシステムズの深夜のオフィス。
外は止まったような静けさ。
だが室内だけは──緊張と覚悟の熱が満ちている。
柊、凪、蒼真。
3人が、会議室に集まっていた。
柊が静かに口を開く。
「米田圭介……
やつは“ぽかぽか邸”を本命にする。」
凪が眉を上げる。
「ぽかぽか邸なら、ここより“守りが薄い”と読んで……
柊先輩を動かすつもりですね。」
蒼真も頷く。
「つまり、ぽかぽか邸を揺らせば
三浦環を守るために、柊は必ず動く……そう読んでる。」
柊は目を細めた。
「読まれているなら、そのまま進めばいい。
ただし──こちらが手綱を握った上でだ。」
凪の“凪の領域”の顔が浮かぶ。
「じゃあ……
やっちゃいましょう。
“誘導型ダミーシステム”の展開。」
蒼真が端末を操作し、複雑なシステム構成図が開かれる。
「本物と完全同調しているけど、
“反撃機能”だけ別で走らせてある。
米田は絶対にこれを噛む。」
凪はコードを高速で流しながら言う。
「アークシステムズ全体を覆う“結界”も完成させました。
侵入してきたら、逆流で“米田の本丸”へ刺します。」
柊はそれを確認し、短く頷いた。
「ここから俺は、ぽかぽか邸に戻る。」
「柊先輩だけがぽかぽか邸へ戻ったと見せれば……
向こうは確実に2段攻撃してきますね。」
「2方向同時攻撃……
やってくれなきゃ困る。罠が発動しない。」
「やるぞ。
相手が“天才”なら、俺たちは“3人の天才”だ。」
3人は無言のまま立ち上がり、
戦いの準備を整えた。




