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EVOLVE〜エヴォルヴ〜 Season9 ― 見えない影と、暴かれる真実 ―  作者: 柊梟環
EVOLVE〜エヴォルヴ〜 Season9 ― 見えない影と、暴かれる真実 ―
37/52

第35章 Shadowの正体(Revelation) ― “影の天才”の名は、米田圭介 ―

迷宮が破れた直後。

黒い画面が静かに形を変え、

ひとりの男の輪郭が浮かび上がった。


逆光で顔は見えない。

しかしその“声”は、鮮やかすぎるほど記憶に刻まれていた。


《ようやく……来たな。

 俺の迷宮ラビリンスを破るとは。

 やはり、君たちは“天才”だ。》


なぎの心臓が一度だけ跳ねる。


(……この声……まさか……)


蒼真そうまは目を細めた。


「“迷宮ラビリンス”なんて……

 あなたの口癖だったね。」


しゅうは一歩前へ出た。


米田よねだ……圭介けいすけ。」



◇◇◇



■ “影”が姿を現す



光がゆっくりと強まり、

そこに立つ男の顔がはっきりと映る。


鋭い目つき。

痩せた頬。

長い指先はキーボードを触る癖がそのまま残っていた。


男は薄く笑った。


「ようやく気づいたか、如月柊きさらぎしゅう。」


なぎの喉が震える。


「……なんで、あなたが……ここに……」


米田は肩をすくめた。


「“影に沈む”ってのは、こういうことだよ。

 名前も消し、記録も消し、痕跡すら残さない。

 芹澤せりざわに罪を被せるのは、簡単だった。」


蒼真が低い声で言った。


「……つまり、芹澤は“コピーキャット”だった。」


米田は嬉しそうに笑う。


「ああ。

 本物は“ここにいる”。

 俺だ。“SHADOW”の名は、伊達じゃない。」



◇◇◇



■ 凪の過去をあざ笑うように



米田はゆっくり凪を見る。


「……陽翔はると

 久しぶりだな。」


なぎの拳が震えた。


「……なんで……

 なんで僕を、あのとき……」


米田は軽く目を伏せ、

過去を見下すように笑う。


「新人のくせに、俺と同じレベルでコードを書こうとした。

 気に入らなかったんだよ。

 “天才は俺だけでいい”。

 君は邪魔だった。」


しゅうの瞳が鋭く光る。


「だから……凪を“間違った道”へ誘った。」


米田はゆっくりと拍手した。


「さすが如月きさらぎ。正解だ。

 俺は凪を潰すつもりだった。

 でも君と桐生きりゅうが邪魔して、“凪の才能”を目覚めさせた。」


凪の表情に苦い痛みが走る。


(……やっぱり……

 あのとき僕が迷ったのは……この人のせいだった……)



◇◇◇



米田圭介よねだけいすけの“本当の狙い”



米田はテーブルを指で叩きながら言った。


「俺が欲しいのは、たったひとつだ。


 “天才の証明” だ。」


蒼真そうまが静かに言う。


「だからアークシステムズを狙った?」


米田の声が低く落ちる。


「ああ。

 お前たちが“信頼”だの“仲間”だの言って天才ぶってるのが気に入らない。

 天才は孤独だ。

 俺のようにな。」


しゅうが言い返す。


「違うな。

 “孤独にしたのはお前自身”だ。」


米田の目が細まる。


「……言ったな。」


柊は一歩も引かない。


「天才でも、技術でも、人でも。

 信頼を捨てて勝てる相手じゃない。

 お前はその一番大事なものを……最初に手放した。」


米田は笑いながら指を鳴らした。


如月きさらぎ……

 その言葉、後悔させてやるよ。」



◇◇◇



■ Shadow の宣戦布告



画面に新しい文字が浮かぶ。


《次は“実戦”だ。

 アークシステムズ全体を沈める。

 まずは——

 三浦環みうらたまき。》


「……!」


「環さんを……?」


しゅうの瞳が、氷のように冷たく光った。


「——米田。

 お前だけは……絶対に許さない。」


米田はくすっと笑う。


「その怒り、いいねぇ。

 さあ、ゲームを続けよう。」


そして黒い画面が完全に消える。


Shadow——

米田圭介は、本格的に動き始めた。

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