第33章 闇のコード戦(Shadow vs Ark) ― “3人の天才” VS “孤独をこじらせた天才” ―
アークシステムズのセキュリティルーム。
3人の画面には、
“Shadowの領域” が黒い海のように広がっていた。
光の点すらない、完全な無音空間。
ただし——
その黒は “計算された黒” だった。
「……これ、ただの暗号領域じゃない。
“心理誘導”が組み込まれてる。」
「つまり、覗き込めば覗き込むほど、飲まれるってことですね。」
「落ち着け。
これは米田の“自分のテリトリーだ”という誇示だ。」
画面中央に、また白い文字が浮いた。
《Welcome, my students.
まずは準備運動といこうか。》
◇◇◇
■ Shadow の初手——“模倣の罠(Mirror Trap)”
突然、黒い世界に青い線が走った。
「来るぞ……!」
——シャッ!!!
凪の端末に、
“芹澤のmirror攻撃とまったく同じコード” が現れた。
「っ、このコード……!」
「落ち着け!
これは芹澤じゃない。
“芹澤を模倣した米田のクセ”だ!」
「凪、呼吸を整えろ。
あいつの狙いは“お前の心を揺らすこと”だ。」
凪は目を閉じ、息を吸った。
「……はい。大丈夫です、柊先輩。」
そして画面を見つめた瞬間——
凪の瞳が鋭く光る。
「これは……mirrorじゃない。
“mirrorに似せた別物”です。」
「どこが違う?」
「このパラメータ……芹澤なら絶対触らない。
これは“米田圭介の癖”ですよ。」
柊は唇を引き結ぶ。
「上等だ。
凪、お前のテリトリーで“本物ではない影”を暴け。」
凪の指が走る。
——パチパチパチッ!
「このコードは……偽物だ。
芹澤の mirror を模倣した“Shadowの偽装”。
つまり——これが“誘導”!」
蒼真の手が一気に深層へ投げ込まれる。
「捕まえた……!
この“偽装トラップ”のボトルネックは、ここだ!」
◇◇◇
■ Blue_echo 発動
蒼真の指が回線の奥を“なぞる”。
まるでピアノの鍵盤を滑るような手つき。
「凪、スタックを固定してくれ!」
「了解!
鏡(mirror)のフレームごと閉じ込めます!」
柊はタイミングを見計らう。
「蒼真、今だ。」
——バンッ!
「“Blue_echo — Reboot Pulse”!」
青い波形が3人の端末をまたぎ、
Shadow の偽装コードを一気に吹き飛ばした。
画面に白い文字が走る。
《ほう……なるほど。
“2度目”でもそこまで合わせてくるか。
凪陽翔。
桐生蒼真。
如月柊。
まったく、面白い。》
◇◇◇
■ Shadow の“本気の口調”に変わる
《だが——
まだ“入り口”に過ぎない。
君たちの“絆”とやらがどこまで保つか……見物だ。》
「挑発ばっか……!」
「ああ。だが米田は本気だ。
“ここからが本番”だと言っている。」
柊は眼鏡の奥で目を細めた。
「いいだろう。
Shadow——
お前の“本気”に付き合ってやる。」
◇◇◇
■ Shadow の本手——“環(Tamaki)を狙う理由” の断片
突然、画面が揺れ——
1枚の写真が浮かび上がった。
「え……環さんの写真……?」
「これは……クロノス時代の……!」
「……!」
そこに現れた文章。
《三浦環
——最も弱く、最も価値のある“切り札”。
彼女は昔から、優秀な天才たちを動かす唯一の“鍵”。》
「ふざけんな!!
環さんを“鍵”なんて!!」
「落ち着け凪!
怒りはコードを乱す!」
柊は低く答える。
「Shadow。
その“環を狙う”理由……
必ず暴く。」
《暴けるものなら、暴いてみろ。
私は“クロノスに残された最後の影”だ。》
◇◇◇
■ 3人の決意が揃う
「……米田圭介。
あんたの黒を全部暴いて……絶対に倒す。」
「二度と“mirror”なんて使わせない。
これは……僕自身のケジメだ。」
「ここから先は——
Shadowのテリトリーじゃない。
“アークシステムズの領域”だ。」
3つの画面が光った。
戦いの本番が、ついに始まる。




