表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
EVOLVE〜エヴォルヴ〜 Season9 ― 見えない影と、暴かれる真実 ―  作者: 柊梟環
EVOLVE〜エヴォルヴ〜 Season9 ― 見えない影と、暴かれる真実 ―
32/52

第30章 追跡開始(Trace the Shadow) ― “あの日の影”を追う、3人の決意 ―

アークシステムズ セキュリティルーム。

しゅうなぎ蒼真そうまは、

Shadowからの挑発メールを前にして

しばし無言のまま立っていた。


凪が息を吸い込む。


「……柊先輩。

 このまま受け身じゃ、やられます。」


蒼真も頷く。


「向こうは“僕たちが動く瞬間”を観察している。

 こちらの出方を読もうとしている。」


柊は腕を組み、低く言った。


「読ませてやるさ。

 ただし——こちらが“読ませる”タイミングだけだ。」


その言い方に、凪と蒼真の背筋が伸びる。


「柊先輩……その顔……出ましたね。」


「久々に見るな、その“完全にスイッチ入った”表情。」


柊は静かに言い返す。


たまきを狙った時点で……もう容赦はしない。」



◇◇◇



■ Shadowの残した“抜け道”を追う


なぎが高速でキーボードを叩きはじめた。


「このメール……“破るための鍵”が最初から入ってます。

 あえて混ぜてる感じですね。」


「誘導だ。

 ここに気づけるのは……俺たちを想定してる。」


「ええ。

 間違いなく“しゅう・凪・蒼真そうま”の3人を狙い撃ち。」


「なら、乗ってやろうじゃないか。」


凪がヘッダーの奥深くをえぐるように解析し、

わずかなノイズを1つ拾い上げた。


「……これです。

 Shadowが“残した”唯一の出口。」


蒼真が覗き込む。


「……暗号化レベルは9段階。

 普通なら開けられない。」


凪はヘッドセットを耳にかけ、深く息を吸う。


「蒼真さん、同期しますよ。」


「合わせる。」


――パチッ。


画面が一瞬、白い火花のように光った。


凪と蒼真の指が、呼吸を合わせるように同時に動く。

あの時の “Blue_echo × 凪の領域テリトリー” が

完全に蘇る瞬間だった。


「……3秒後、“鍵スロット”が開きます。」


「カウント入る。

 3、2、1……!」


――ガンッ。


暗号が裂け、内部への小さなトンネルが開いた。


柊が静かに呟く。


「行け。」


凪と蒼真が一斉に潜り込む。


コードの海をかき分けながら、

1つのログが画面に浮かび上がった。


蒼真が声を低くして言う。


「……見覚えがある。」


凪も指を止め、震える声で言った。


「……これ……

 僕たちを翻弄した“mirror”のコードの癖……」


柊は目を閉じて、静かに頷いた。


「……やはりか。」



◇◇◇



■《mirror》の正体、そしてもう一つの名


画面に1行のメタデータが浮かび上がる。


《Operator : S.Zawa》

《Status : Active》


「“芹澤せりざわ”……!

 やっぱり生きてる……!」


「Shadowは“芹澤のさらに上”か……

 または、同列の誰かか……」


しゅうは画面を見つめ、低く言った。


「……芹澤は操られていた可能性が高い。

 黒幕はさらに後ろにいる。」


「でも……追える。

 芹澤の痕跡が“トリガー”になってる。」


「Shadowはわざと残した……

 “来れるものなら来てみろ”という挑発だ。」


柊は端末を閉じながら言う。


「行くぞ。

 このままでは環が——」


――ピコン。


新たな警告音が鳴る。


画面には――


《TARGET UPDATE》

《三浦環(MIURA TAMAKI)》

《価値:依然として有効》


「更新された……!?」


「環さんの“位置情報”を探ってる……!」


柊の目が鋭く光った。


「……環を狙った時点で、これはもう“宣戦布告”だ。」


3人は同時に立ち上がる。


「行きましょう、先輩方。」


「Shadowを追い詰める。」


「必ず——終わらせる。」


その声には、

過去の痛みと、守りたい未来の両方が宿っていた。



◇◇◇



■その頃、ぽかぽか邸では……


たまきが胸を押さえ、ふと息を呑んだ。


あかりがそばに寄る。


「環……?」


「……しゅうが……呼んでる……気がする……」


結月ゆづきは胸の奥がざわついた。


(大切な人たちが……戦ってる……)


ぽかぽか邸の静けさに反して、

アークシステムズの3人は

すでに“影”の中心部へ足を踏み入れていた——。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ