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EVOLVE〜エヴォルヴ〜 Season9 ― 見えない影と、暴かれる真実 ―  作者: 柊梟環
EVOLVE〜エヴォルヴ〜 Season9 ― 見えない影と、暴かれる真実 ―
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第18章 結月の再起(リスタート) ―「あなたの人生は、まだ終わっていない」―

リンクル社・応接室から戻ったアークシステムズの4人。

廊下の先、小さな休憩スペースの端に——

ひとり、縮こまったように座る芦野結月あしのゆづきの姿があった。


あの告白のあと。

結月ゆづきはまだ、自分の未来があるなんて信じられない表情をしていた。



◇◇◇



■ 小さな休憩スペースにて


たまきがそっと歩み寄り、静かに声をかけた。


芦野あしのさん……少し、お話ししませんか……?」


結月ゆづきは肩を震わせる。


「……わたし……どうしたら……いいんでしょうか……

 もう……終わりですよね……?」


環は首を横に振った。


「いいえ。

 終わりじゃありません。

 “間違えたまま終わらせないため”に、

 今こうして、わたしたちがいます。」


結月の胸がひくりと揺れた。


なぎも座りながら、優しく続ける。


「芦野さんって……

 すごく“責任感の強い人”ですよね。」


結月は唇を噛む。


「強くなんて……ありません……

 助けられないのに動いちゃって……

 全部自分のせいにして……

 どうすればよかったのか……わからなくて……」


その言葉に、蒼真そうまが静かに頷いた。


「“助けたい”と思ったのは、間違いじゃありません。

 ただ……『助け方』を知らなかっただけです。」


結月は、はっと目を上げる。


「……助け方……」


蒼真は続けた。


「人を助けるには、技術だけじゃなく

 “信頼できる誰か”の力を借りることも大切なんです。」


しゅうが腕を組みながら言った。


「芦野さん。

 俺たちがここまで動けたのは、誰のおかげだと思う?」


結月は小さな声で答えた。


「……わたしが……助けてって言ったから……?」


柊は即答した。


「ああ。

 “声を上げたあなた”がいたからだ。

 その勇気は、あなたが思うよりずっと大きい。」


凪もほほえむ。


「芦野さん。

 あなたが言わなかったら……

 波多野はたのさんが、次に誰を巻き込んだか分かりませんでした。

 芦野さんは……ちゃんと誰かを守ったんですよ。」


結月の目から、ぽろりと涙が落ちた。


「わたし……守れた……?」


環がそっと手を差し出す。


「はい。

 あなたは……“誰かの代わりに傷つこうとした人”です。

 だから……これからは

 “守られる側”でいても、大丈夫なんです。」


結月は胸を押さえ、泣き崩れた。


(……わたし……

 間違ってばかりでも……

 迷惑をかけても……

 それでも……生きてていいんだ……?)


環はしっかりと目を合わせた。


「芦野さんの人生は、まだ……ここからです。」



◇◇◇



蒼真が静かに立ち上がる。


「芦野さん。

 よければ……“あなたに合った職場”を

 紹介させてください。」


結月は涙のまま顔を上げた。


「……そんな場所……わたしに……ありますか……?」


蒼真は穏やかに微笑んだ。


「あります。

 人を大切にする場所で……

 “人を見る力”が強い方がいます。」


凪がやさしく補足する。


「僕たちの知り合いの会社なんです。

 あなたを受け止めてくれる“あの人”がいます。」


(……あの人……?)


結月はただ涙を流しながら、その言葉を受け止めた。


柊は短く、しかしあたたかい声で言う。


「安心していい。

 ゆっくりでいい。

 無理はさせない。」


環が結月の両手を包み込んだ。


「一緒に……少しずつ、前に進みましょう。」


結月は声にならない涙を流し続けた。


それは——

“救いを受け止めた”涙だった。



◇◇◇



この瞬間、

芦野結月あしのゆづき再起リスタートは静かに始まった。


そしてアークシステムズの3人と

天才リブーター・桐生蒼真きりゅうそうまは、

次のステージへ向けて静かに動き出す。

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