第8話 力をつけて シバside~
第8話です。
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突然、ランブルが俺に挑戦状を出した。
他の人にもこうやっているのか?俺は疑問に思ったが、そんなことを聞いている時間はなさそうだ。
「さあ、お前も構えるんだ。」
俺は仕方ないと割り切り剣を生成させる。
「なるほど、武器を召喚するのではなく作り出すのか。面白いな。」
「ではこちらから攻めるとしよう!」
次の刹那、飛んできたのは電気を帯びたナイフだった!
俺は瞬時に左に避ける。
だが・・・
「遅いぞ。俺が敵だったら死んでいたぞ。」
ランブルは俺の背中に立って肩に手を置いていた。
俺は先程まで奴が立っていた場所に目を向ける。
だが当然そこに姿はない。
「他2人よりかはお前は瞬発力はあるみたいだな」
「まあ今のは正直からかっただけだからな」
ランブルはそういうとバックステップを踏みながら元いた位置に戻った。
俺は再び構えを取る。多少身体が痺れる状態で俺は奴へステップを踏みながら攻め込む。
「なかなかの速さだな。さあ来い!」
俺は力任せに剣を振り下ろす。ランブルは受け止めてやると言わんばかりに笑いながらナイフを前に動かす。
直後、俺の剣が真っ二つに割れたのだ。
「なっ!?」
俺はその光景を目の当たりにして後ろへ下がるの同時に今度は斧を生成する。
「剣の次は斧か!どんどん来い!」
俺は先ほどの倍以上の力を込めて左から横に薙いだ。
しかし、その攻撃は無様にも空を切ってしまう。
今度は右からやってみる。でも当たらない。
「斧だから動作が大きくなりがちなんだなぁ。俺にとっては相性は最高なんだが。」
俺はそれを聞いてまた後ろへと下がり、槍を生成する・・・つもりだった。
「はい。お前の負け〜」
「はっ!?」
俺はまたしても背中を取られてしまった。
俺は悔しみながら両手を上げ降参の意を示した。
その後、ランブルの神脈について聞いた。
「俺の属性は雷だ。お前と同じく、珍しい部類の人間さ。」
ランブルの神脈は雷系統だったことが分かった。
道理で武器に雷を纏わせてたわけだ。
「俺が最初にお前に見せたのは、『避雷針・飛翔』だ。」
「避雷針・・・か」
「ああ。電気を纏わせたナイフを飛ばして、そのナイフがある場所にいつでも瞬時に翔ぶことができる。」
「他にも、『避雷針・斬』や『避雷針・忍」もある。ちなみにさっき俺がお前の背後を取れたのは『避雷針・忍』を使ったからだ。」
同じ特殊な属性でも、ここまで実力差があるとは・・・
何気に初めての完全敗北を味わった。上には上がいるとはこのことだな。
そう悔しがっている状態を見てランブルが俺に告げた。
「その様子じゃ、お前の故郷では負けなしだったみたいだな。」
「俺から見たら、お前はまだ技のレパートリーが少なすぎる。これから戦いに身を投じていくことになるだろう。」
「お前は伸び代が大いにある。挫折を味わっても決して諦めるな。力をつけて立ち上がるんだ。もし困ったら俺を頼れ」
俺はその言葉を聞いて今までを思い返す。
村で隠れて練習していた日々、エリシーの様に珍しくない属性だったら色んな人と競い合ったり戦ったりできたかもしれない。
だが現実問題、俺にはそんな事ができなかった。自分の伸び代なんて分かりもしなかった。でも、ここに来てイミテイト様やパルヴァティ様が認めてくれた。俺はそれが嬉しかった。そしてランブルも俺の力を認めてくれた。
俺は出そうな涙をグッと堪えながら「はい・・・」と返事をした。