第9話 神なる力 エリシーside~
第9話です。
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私はイミテイト様が手配してくださった馬車に乗ってアトリビュートを後にした。
なんだか、シバとイミテイト様の後ろ姿を見てるとなんだか親子みたいだなぁって思うのは私だけなのかな?
ガタガタと動く馬車の中で私はボーっとしながらただただ景色を眺めていた。
草原を越え、川を越え、数時間かけてようやく慈愛の水国リップルへ辿り着いた。
門が植物でできていて、外から見ても中が自然で満ち溢れているのが分かる。
私は門番の人に手紙を見せた。
すると「案内しましょう。」と言ってテクテク国の中へ入っていく。
私は慌てながらその人へついていく。
立派に咲いている花や透き通った水、そして木々から差す太陽光。
村では見れなかった景色が見れたことに感動を覚えちゃうなぁ。
「ここが我が国家の中心部基、王宮です。」
そこには、まるで遺跡の様な作りをしている大きな建物があった。
私はその光景を必死になって目に焼き付ける。
「さあ入りましょう。」
またしても門番の人は私を置いていく様に歩き始める。
冷静に考えて、今後からこの建物を見る事ができるのだから今じゃなくても大丈夫かな。
そして私は王様がいる部屋まで歩き、扉を開ける。
そこには、大きめの椅子に座って本を読んでいるフエンテ女王の姿と目を瞑って手を合わせているマルドゥク様がいた。
「ん?」
マルドゥク様の方が先に私の存在に気づきフエンテ女王の元へ駆け寄っていく。
「姉さ〜ん。お客様が来たみたいだよ〜」
「え?あっ。ごめんなさいね。少々読書に夢中になっちゃって。」
「あら?貴方、見ない顔ね。もしかして新しく入国する方?」
「あっ、はい。あの・・・こちらの手紙なんですが、渡してとイミテイト様から言われたものです。」
「頂くわ」
そして私はフエンテ女王に近づき手紙を渡した。その後男性もその手紙を覗く様に後ろから見てきた。
「へぇ〜他の子達と違って珍しく褒めてるね。まるで贔屓してるみたいだよ。」
「それほど実力があるって事じゃないかしら。でも確かにあの人がこんな事書くなんて珍しいわね。」
何やら手紙の内容が他の人たちと違うらしい。余程私のことを書いていたんだろう。
「長旅で疲れている状態で申し訳ないのだけれど、貴方の神脈を見てみたいの。いいかしら?」
「は、はい!」
私は右手の指先に集中してイミテイト様に見せた神脈を発動させる。
「あっ的は僕が作るからそれに目掛けて当ててみてよ。」
すると花の形をした的がニョキニョキと3つ出現した。私は集中してその的に向かって水の玉を発砲する。
結果は2/3という結果だった。それを見たフエンテ様が・・・
「なかなかね。貴方ほどの歳だと確かにあの人が褒めるのも納得だわ。威力も狙いも悪くないし、何より神力を最小限に抑えている上で水の玉を出している点ね。」
「通常、手から出すときは自身の周りにある空気に意識を集中させないと出す事ができない。だが君は空中じゃなく自分の指に神脈を纏わせることで意識を指先だけに集中する事ができる。かつ、手に纏わせる分を最小限にして、その分余った神力を玉に込める。」
何か難しいことを言っているが、まあそういう事なんだろうと鵜呑みにしていた。
昔、学校の友達と勝負している時にふと思いついた事をひたすら練習しただけなのに。
まあ確かにライトニングアクアを出す時よりかは簡単だけど・・・
すると、フエンテ様からこんな誘いがきた。
「ねぇあなた。もしよかったら、この国の騎士団に入らない?」
「なるべく今決めて欲しいんだ。入るか入らないかで君の住む場所も今後のことも決められないからね。」
「まあ、大半は入らないっていう人がほとんどなんだけど一応ね。」
・・・私は、シバと勝負という名の約束をした。私はシバより先に進まなきゃいけない。
その為にはまずはこの国の力にならなきゃ。
「この国の騎士団に入団させてください。お願いします!」
私は入ることを決断した。勿論、あちらは歓迎してくれた。
私はその後フエンテ様に住む場所を案内された。到着したのは立派な豪邸だった。
「ここがこの国の騎士団の拠点よ。さぁ、中に入りましょ」
なんというか故郷との規模が違いすぎる。何このでかい建物は。何この幅広い廊下は。何この綺麗すぎる私の部屋は。
「喜んでくれたみたいね。さっ早速この団の団長さんと挨拶をしましょうか」
すると丁度いいタイミングでそれっぽい人物がゆっくりと歩いてきた。
「フエンテ女王。その子が例の入団者ですか。」
「ええそうよ。ちょうど今この子の部屋を案内して貴方に挨拶をしにいこうとしていたところなの。」
すると男性は私に向かい、胸に手を当てながら名を名乗った。
「俺はこの団の団長を務めているものだ。名はルフレという。」
「こ、これからよろしくお願いします。名前はエリシーです!」
私は緊張しながら自己紹介をした。なんというか、体がブルブルと凍てつくような感覚がある。
「長旅で疲労が溜まっているだろう。今日のところはここでゆっくりと休め。ついでにこの建物の地図を渡しておく。暇な時に読んでおけ。」
「それでは俺はこれで失礼させていただきます。」
「ええ。それじゃあ私も戻るわね。何かあったらさっきのルフレ団長さんか私のところに訪ねてきてね。」
そう言って彼女も去っていった。
私は荷物を机の上に置いて、ベットに横たわりながら渡された地図を見る。
「やっぱり、世界って広いんだなぁ。」
この建物と住んでいた家を比較して私は世間というものを序の口だが、分かった様な気がした。




