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Ημίθεος_ヘーミテオス_  作者: 五智噸虞
〜一章 全ての始まり〜
5/33

第5話 進化する

第5話です。

評価やコメント。大変励みになりますので是非!

僕の名はイミテイト。この王国アトリビュートの国王を務めているものだよ。気軽にテイトって呼んでくれ。そして彼女はパルヴァティ。僕はパルって呼んでるよ。」


「・・・どうも。」


「君たちは分かってると思うけど、僕は国王兼天帝(てんてい)で、パルは至高神(しこうしん)だ。」


「僕達はこの大陸で一番偉いんだよ。その分、責任は大きいけどね。」


イミテイト様は笑いながらそう発言した。


圧なんだろうか、風格なんだろうか。本来ツッコめる会話も何も言い返せなくなってしまう。


「お、俺はシバです。宜しくお願いします。」


「わ、私はエリシーです。何卒宜しくお願い致します。」


「シバ君にエリシーちゃんね。」


そこから質疑応答が始まった。私達の出身地や街の感想など色々訊かれた。


正直、これはどういう意味で質問してきているのか分からなかった。傍から見たら親子の会話みたいだと思うだろう。そんなやりとりが続いた。そして


「さて、本題に入ろうか。エリシーちゃん。君の神脈の最大を見せて欲しい。」


唐突な要求に戸惑ったが、私は返事をして手に意識を集中させる。


「水脈・水銃(ウォーターガン)


指先に水を纏わせて水の玉を打つ技。これが私にできる最大の神脈。


流石に長続きしないので数発試し撃ち程度に発砲して神脈を解除した。


「なるほど。君の神脈の技術はなかなか器用なものだよ。ここ数日、水の神脈の使い手は数名いたけれど、君は彼らより神脈を上手く使えてるよ。」


これ以上ないお褒めの言葉をいただいて思わず感謝をした。


「さて、次は君だよ。シバ君。」


私は心なしかイミテイト様の目が先程より輝いてる様に見えた。パルヴァティ様も気になっているみたいだった。


「分かりました。ではお見せします。」


するとシバは予備動作なしに木の剣を作り出した。


「あはは。やっぱりね!君が特別なのはなんとなく気づいていたんだよ!」


すると、イミテイト様は興奮しながらシバに駆け寄ってきた。


「木の神脈かい?!面白いなぁ〜」


「他にも見せてほしいな!出せるかい?」


シバは問いかけに応える様に木の斧、木の槍を出した。


「すいません。これ以上の物は・・・」


シバは多少息を切らしながら謝罪をした。


「えぇ〜もう終わりかい?」


イミテイト様は分かりやすく名残惜しそうにしながらシバを見つめていた。次の刹那・・・


「テイトのバカ!」


パルヴァティ様がイミテイト様の頭を思いっきり殴った!


「力を見せてもらってる側がそんな態度したら失礼でしょ!」


「あはは。シバ君ごめんね〜。木の神脈を使う人なんてそうそういないから少々興奮しちゃって・・・。それにしてもすごいね。」


すると、イミテイト様とパルヴァティ様がシバの出した武器達を手にとって言った。


「うん。予備動作なし且つここまで綺麗に出す事が出来るなんて。立派だよ。私みたいな神でもあなたみたいな年では厳しいよ。」


「木だから切れ味はないにしても塗装すれば本物と見間違えちゃうくらい精密にできてる。」


シバはお二人から高評価をいただいた。シバは少し嬉しそうにニヤけていた。私はあの日助けてくれたのだから当然のことだ。と心の内でドヤっていた。


「流石、彼女のお孫さん達なだけあるね。きっと傍で笑ってると思うよ。」


私はハッとした。


そういえば、ばぁばは国王補佐だったのよね。だったらイミテイト様はばぁばについて何か知っているかもしれない。ちょっと聞いてみようかな。


「あっ、あの!」


「ん?なんだい?」


「その・・・昔のばぁばってどういう人だったんですか?」


恐る恐る私はイミテイト様に尋ねた。しかし、その答えを・・・


「話すと少し長くなるからまた違う機会に話すよ。」


聞くことはできなかった。




〜〜〜〜〜〜〜〜



「さてと、今から君たちの配属する国を発表するよ。」


「ちなみに、あなた達はこの大陸にある4つの国は分かる?」


パルヴァティ様にそう聞かれてシバが答える。


「はい。理解しております。」


「そうか・・・毎年この時期になると君たちみたいな歳の子達が大勢来てね。決めるのが大変なんだよ。」


苦笑いしながらイミテイト様は話し続ける。


「慈愛の水国リップルに 武装国家の火の国イグニス、神秘たる風島ゲイルや武力主義の土の国ソイル。どの国に配属させれば、より成長させることができるだろうか。居心地のいい居場所で過ごすことができるだろうか。そういうのを考えなければいけないんだ。」挿絵(By みてみん)


「でも君たちの神脈は驚かされるものだったよ。会話も面白かったしね。お陰でスムーズに決断を下せたよ。」


そして配属される国が言い渡される。私はゆっくりと唾を飲み込む。


「まずエリシーちゃんは、リップルに配属することに決めたよ。」


「わ、私がリップルですか?」


「そうだよ。リップルの国王である“フエンテ”は水に関する神脈の使い手だからね。」


それに続くようにパルヴァティ様も口を開く。


「そして、彼女を支えている存在である覇神マルドゥクの“リスプ”はそこら辺の神では到底及ばないほど膨大なんだよ。」


「挫折を味わうかもしれないけど、ここでなら君はきっと今よりも進化することができるはずさ。どうか頑張ってね」


「はい!」


私は今日一番大きな声で返事をした。


「ところでシバ君なんだけど・・・」


次はシバだ。一体どこに行くんだろう・・・


こんなことを思ったその時、信じられないことが告げられた。


「君は、この国の自警団に配属することに決めたよ!」


「へ?」

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