第46話 襲来
第46話です。
「何?敵襲だと・・・?」
「恐らく以前フエンテ様が仰っていた救世の六神の者かと!」
「ハァハァ・・・ルフレ団長!」
「先程、西南の方角に謎の男が異形兵の様なものを召喚しているとの情報が入りました!」
「今ネロ団員を始めとした団員達が戦闘中とのことです!」
「私達は市民の安全の確保の為に建物に避難する様に誘導しましたが・・・団長から何か指示はございますか?」
「・・・とりあえず階級が深層以上の者は街の警備にあたれ。そして漸深層以下の者はその男の身柄を拘束しろ。」
「「「「「はい!!!」」」」」
一体、どうなっている・・・・・・
普段からこの国を見張ってくださっているマルドゥク様が敵からの侵入を見逃すことなんてあるのか・・・?
いや、それよりもこの事態を早急にお二人に伝えねばならん。
俺はフエンテ様が普段過ごしている王室に向かって全力疾走した。
「フエンテ様!マルドゥク様!」
王室の扉の前に辿り着き扉を開けた。そこには・・・
「ん〜?何〜?今から盛り上がるところだったのに〜」
「っ!ルフレ・・・!」
「この女は救世の六神の1人・・・『アカ・マナフ』よ!」
「あはは笑笑。紹介ありがと〜!でも安心してね!用が済めばすぐ帰るから〜」
この女が救世の六神・・・・・・。
見た目は華奢でリスプからして俺と同等くらいだが、この女の神脈の属性も立ち回り方も知らない状態で挑むのはリスクがある。
ここは相手の出所を待つのが吉だ。
・・・位置取りは問題ない。俺とお二人の間にこの女が挟まっているこの状況。俺はお二人に合わせるだけだ。
「・・・・・・ところで、その用件は何かしら・・・?」
「この箱に貴方達の紋章を触れさせてもらうだけ〜」
「どう?安全だしすぐに終わるよ〜!終わったらすぐに異形兵も消すし、この国から撤退するからさ!」
「話に乗っちゃダメだよ姉さん。絶対に裏があるはず」
「もちろん分かってる。」
あの歪な模様が刻まれている黒い箱・・・彼女の言う“私達の紋章があの黒箱に触れる”というのはすなわち、紋章があの箱を開くためのカギか何かのはず。救世の六神のことだから絶対に触れてはいけないわね・・・
「貴女の思惑通りにはさせない。貴女をここで倒して、情報を吐いてもらうから覚悟して頂戴。」
「姉さん!力を合わせよう!」
「ええ!」
するとお二人はお互いの紋章を合わせてこう叫んだ。
「「ヘーミテオス!!」」
直後、2人の体が光だして先程までの衣装とは違う少し豪華な装備を付けているのが目に入った。
顔や身体はフエンテ様だが、リスプや部分的に分かるマルドゥク様のオーラ。
まさに半神半人の状態というわけだ。
「ええぇぇぇ!!!何それすご〜〜い!!初めて見たよそれ!!」
「カッコいいね!!イケてんじゃ〜ん!」
「・・・あなたがその箱に私達の紋章を触れさせたい目的はなんなのかしら?」
「・・・もう〜〜今めっちゃコーフンしてたのになんでそんな冷める事聞くの〜?」
「はぁ〜〜・・・・・・この国の人達は大人しそうと思ってたけど、結構血の気があるんだね。」
「もういい!望み通り殺してあげるよ!」
『神脈武器・人間背骨蛇腹剣』
すると奴は禍々しい剣を取り出し握りしめた。
「泣いたって遅いんだからね!『光脈・神光速・颯』」
次の刹那・・・奴は一瞬にしてフエンテ様の背後を取った。
まずい・・・!このままでは斬られてしまう!
だが、俺の心配をかき消す様な事が起こった。
「『植物ノ脈・広葉樹の聖盾』そして・・・『海脈・聖水の羽衣』!」
「えっ!?嘘ぉ!?」
なんと、奴の攻撃を防いだのと完全同時に拘束したのだ。
しかしこの程度で捕らわれる様な奴ではない事は雰囲気で察せる。
俺は走ってフエンテ様の側に近づき、神脈を使って二重拘束しようとしたが・・・
「へぇ〜〜流石合体しただけあるね。お互いの神脈を行使できるなんて知らなかったなぁ〜」
「面白そうだから少し本気出すね!」
またしても奴は光速で飛び回り、攻撃を仕掛けようとしているが標的は俺ではなくフエンテ様だ。
今の俺が何かしたところで何も変わらん。逆に迷惑をかけてしまうかもしれん。
ここはフエンテ様が拘束した瞬間に俺も氷で拘束する事にしよう。
「貴方の動きは速いわね。流石光属性なだけあるわ。でも、知ってるかしら?」
「水は光を“屈折“させ”反射”もする。はぁぁ!!『海脈・多水泡沫』」
大量で大きめの泡の様な水滴を宙に作り出し、フエンテ様と俺はその中の一つに身を隠した。
相手が正面から飛んでくる。しかし、フエンテ様の仰った通り、奴の動きは俺達とは違う方向に向かった。
「あぼぼぼぼ・・・!!??」
何これ!?思った方向に動けない!?
「あの人は光の様に走り回っているのではなく、光の光線を一定の距離まで出してその先にワープしてるだけなの。」
「今の私は、彼女の動きを見切ることができる。」
「それにルフレ。貴方も同じことをできるでしょ?氷だって状態変化すれば水なのだから、光に対する性質は変わらないでしょ?」
「承知しました。直ちに・・・『氷脈・氷点壁』」
これで防御は完璧だ。あとは奴が攻めてくるのを待つだけだ。
「あぼばばば・・・」
厄介者だなぁ。多分あの状態だと私の動きは見切られてる気がする。不意を突くしかなさそう・・・
だったら・・・・・・!!
『光脈・粉光慚』
蛇腹剣が光りだし剣が伸びだす。
次の刹那、目にも止まらぬ速さの斬撃と衝撃波が荒れ狂い辺り一体を破壊する。無論、部屋中に待っていた泡の様な水滴も消されてしまった。
物理攻撃の為、軌道をずらす様な事は不可能。今はフエンテ様をお守りすることに専念する為、壁を作り身を籠るにしようとしたが、フエンテ様はそれを拒否した。
「フ、フエンテ様・・・?危険です!そのお身体に傷が付いてしまいます!」
「大丈夫。いくら速く見えても、今の私達なら見切れる。ルフレは安全な場所にいなさい。」
「おりゃぁぁぁ!!!」
今のうちに・・・!
『光脈・天光』
「ッ・・・!」
宙に飛び上がった奴から、眩い光が一瞬にして放射される。
あまりの眩しさに目を閉じざるを得ない、しかし目を閉じてても視界は真っ暗にはならない。
それほどに光が眩しすぎるのだ。
「にしし笑『光脈・神光速・颯』」
またしても高速移動か・・・めんどくさいな。
あの技を使わせない為には盾を作らねばならないが、作ったとて壊されてしまってはキリがない。
何か他に手はないかと思っていたが・・・
「あなたのその力、とても立派よ。でも・・・私を倒すまでにはいかないかしらね。」
『神聖武器・慈愛と強靭の槍杖』
「何処からでも・・・いらっしゃい。」
フエンテ様から闘気が溢れているのをこの身を持って感じた。
46話でした。ご閲覧いただきありがとうございました♪




