第4話 天帝と至高神
3話目です。挿絵あり
どうでもいいのですが
シバが「萩道彦さん」 (FEのアイクなど)
エリシーが「東山奈央さん」 (かのかりの更科瑠夏など)
イミテイトが「飯島寛騎さん」 (仮面ライダーエグゼイドなど)
パルヴァティが「名塚佳織さん」(ワンピースのウタなど)
でキャラに声を当てながら書きました。
やっぱ声をイメージしながら書くと楽しいですね。
皆さんもよかったらこの方々の声をイメージしながら呼んでみてください。
もしアニメとかになったらこの方々でやってほしいなぁ(飯島さんは声優じゃないけど)と叶わぬ夢を描きながら今後も描いていきます。
よろしくお願いします
朝日がテントを照らし、私たちは目を覚まして身体を起こす。
私は昨日の出来事で身体を負傷したが動くくらいの事であれば問題はない。シバは朝食を用意してくれて私はシバと一緒に食べる。
食べ終わるとシバは手際良く片付けをして、自分の荷物と私の荷物を運ぼうとしたのだ。流石に私はそこまで重症ではない・・・はずだし、何より任せっぱなしは良くない。
私はシバに「そこまで気を遣わなくていいよ。荷物くらいは私持てるよ。」と言い荷物を返してもらった。
山を跨いで数時間歩くとようやくこの大陸の発展街“アトリビュート”が姿を現した。私はそれを目にした瞬間、ずっと家の裏の丘から見ていたあの街に行けるんだと思い、今までの疲労が吹き飛んだのだ。
シバは何も言わずに歩き続けている。しかし、私はゴールが見えた瞬間やる気が突然出るタイプの人間なのでシバの手を引っ張って走る。
「おい!なんで走る必要があるんだ!あと腕引っ張るな!」
「目的地が見えたからには急ぐってもんでしょ!?」
「ここからあそこまで何キロあると思ってんだ!少なくとも、走って数分で着く距離じゃない」
「それに、お前身体怪我してんだからはしゃぎすぎるなよ。」
冷静に考えればシバの言ってることは正論。私はシバみたいに体力に自信はないし、身体を負傷している身だ。私はため息をしながらシバのペースに合わせて歩いた。
「ずっと家の裏の丘から見ていたもんな。はしゃぎたくなるのは分かる。ただ今急いでも途中でバテるのは明確だ。」
更に追い討ちが来る。私は思わず「ウッ」と声を漏らしてしまった。
そして私達は歩き続け、街が見え始めてから約1時間かけて街の入り口に到着した。入り口から中を見ると今まで見たこともない人数と建物があった。シバもこれには圧倒されて目が大きく開いていた。
「シバ!まだ時間があるでしょ?ちょっと見回ろうよ!」
「お、おう。分かったが離れるなよ。」
私はシバから離れないように、手首を掴みながら入り口を潜った。
人混みがすごい・・・私は人混みから逃れるためにお店に入ろうとした途端知らない人に盛大にぶつかった。
「ああぁ!大丈夫かい?怪我はないかい?」
「すいません。ええと・・・だ、大丈夫ですよ。」
すると男性は早歩きしながら去っていった。
「帽子にマスクに眼帯、なんか怪しいなぁ・・・」
店に入って少し歩き回っていると、村では味わえなかった美味しい食べ物や綺麗なアクセサリーなどが陳列されていて、私はテンションが上がりまくりだった。まあ、はしゃぐ度にシバに押さえつけられるんだけどね・・・。
「金はそんなに持ってきてないんだ。無駄遣いはしないようにしてくれよ。」
「分かってるって。実用的な物しか買わないから。」
「・・・言っておくが、装飾品はいらないからな。」
「ええ!?なんでよ〜」
「そういうのはもっと金を持ってきてる時にしろ!今日はこの国の宮殿に行って俺たちの力を見てもらう為に来たんだぞ。買い物に来たんじゃない。」
「もう〜」
その後、私達は店員さんに揚げたてサックサクのサンドイッチをテイクアウトしてもらった。私達は初めて街のご飯を食べた。
それは想像を絶する程の美味しさだった。あまりの美味しさに“ぴょんぴょん”と跳ねてしまった。
ついでに飲み物も売っていたので試しにジュースを買ってみた。片方は果物を混ぜたミックスジュース、もう片方はこの店おすすめの炭酸生姜ジュースというものを渡され、私はミックスジュースを、シバは生姜ジュースを飲んだ。
「ん〜〜〜!!美味しい!!果物の良いところを引き出してるって感じがするわ!」
「あっはっは!お嬢ちゃん。良い舌してんじゃないの!」
すると手渡ししてくれたお店のお婆ちゃんが声をかけてきた。
「本当に美味しいですね!私のいた村じゃあ味わえませんから!」
「そうかいそうかい!ならゆっくり味わって飲みな!生姜ジュースの方はどうだい坊や」
シバは声をかけられて、生姜ジュースを口にする。
「っ!ゲホゲホ・・・なんだこれ、喉がヒリヒリする・・・」
「あらら。もしかしてあんた、炭酸苦手だったかい?それとも生姜が無理だったかい?」
「シバ!大丈夫?」
私は喉を抑えているシバに寄り添い、持っているミックスジュースを飲ませた。
どうやら、おすすめの生姜ジュースは生姜の成分で炭酸水以上の刺激が喉を襲う飲み物らしく大人たちに人気らしい。
私も飲んでみたが、確かに喉への刺激がすごい。だけども味は美味しいし、匂いもいい匂いがする。
お婆ちゃんがシバの様子を見て生姜ジュースの分を無しにしてあげると言ってくれたが流石に申し訳ないので私が飲むことにした。
暫くして私達は王城へと足を運んだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
宮殿の入り口の人に案内され、とある部屋に入った。
すると長髪で前髪が左右非対称の女性が胡座を繋いて瞑想をしていた。シバが私に小声で伝えてくれたが、その彼女はパルヴァティ様だったのだ。
恐る恐る声をかけてみたが、聞こえてないみたいだ。よく見てみると何やら耳元を何かで塞いでいる。
「それではここで待機しておいてください。」
案内人にそう言われた途端、パルヴァティ様は目をゆっくりと開けて立ち上がって私達に声をかけた。
「ああ、ごめんなさい。イヤーマフしてて気づかなくて。あなた達が今日のお客様?」
「パルヴァティ様。このお二人が本日のお客様でございます。ところで、イミテイト様はどちらへ?」
「知らない。」
「左様で御座いますか。」
どうやらこの部屋にはいないらしい。一体どうしたんだろうと思ったその時、パルヴァティ様の後ろのドアが勢いよく開いた。その音で彼女や案内人もドアの方を見る。
「はぁはぁパル!遅れてすまな・・・いははは!!!」
急にパルヴァティ様が男性の頬を思いっきり引っ張ったのだ。
「遅い・・・また商店街の方で遊んでたでしょ!」
「ごへんっへ、ほっへひっはらないへふへ!」
もはやなんて言っているのか分からなかった。よくよく男性の方を見ると、教科書に描いてあったイミテイト様だった。シバもイミテイト様の頬を引っ張られている姿に驚愕している。
「いったたたた。引っ張りすぎだよ。」
「うるさい。大体今日この仕事があるっていうのになんで遊びになんて行くの!」
「いや〜ちょっと気分転換に・・・」
イミテイト様をまじまじと見つめていたら髪型、声、そして眼帯で私は街の方でぶつかった人がこの人だということが分かった。そして無意識に声が出てしまった。
「あっ、確か商店街のところでぶつかった人ですよね・・・」
「えっ!」
「は?」
一瞬間が生まれた。そしてパルヴァティ様がイミテイト様を睨みつけた。
「テイト、遊びに行っただけじゃなく人に迷惑をかけるだなんて・・・」
「わぁ!!ごめんごめん!それに関しては本当にごめん!」
「私じゃなくてあの子にでしょ!」
「あはは・・・ごめんね」
なんか、想像していたよりは面白いというか。なんというか。写真で見たのと雰囲気が違うなぁと思ってしまった。
数分後、やっと喧嘩が終わりイミテイト様がこちらに歩み寄ってきた。
「やあ君たち。待たせてすまなかったね。」
「今度やったら許さないからね」
「はいはい。自己紹介・・・はいらないと思うけど、一応名乗ろう。僕の名はイミテイト。この王国アトリビュートの国王を務めているものだよ。気軽にテイトって呼んでくれ。そして彼女はパルヴァティ。僕はパルって呼んでるよ。」
「・・・どうも。」
これがこの大陸の天人と頂神。
いい意味でも悪い意味でも、私はさっきのやりとりでこの二人のイメージが大きく変わってしまったのだった。
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