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Ημίθεος_ヘーミテオス_  作者: 五智噸虞
〜四章 軍事強襲〜
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34話 目覚め

第34話です。

時はエリシーが帰国してから数日後になる。


あの日から何日経っただろうか・・・

ここは何処だろうか・・・


白い天井に白い布団。見慣れない服装に初めて見た部屋。

起きあがろうとするが、何やら数カ所点滴をされてる状態のため下手に動くことができないし動きたくても痛みが強いせいでそもそもで動けない。


「あら、シバくん。おはようございます。」


そこには太陽光に照らされてるせいでいつもより輝きを増しているナンナがいた。

手に持っているのは書物だろうか。どうやら読書中だったらしい。


「ん?ああ、ナンナもいたのか・・・それよりここは?」


「ここは城内の病室らしく、どうやら私達が助かったのは例の彼女達の助けのおかげらしいですわ。」

「本当に・・・二つの意味で彼女には頭が上がりませんわ。」


「はっ!ランブル副団長は!?・・・・・・うぐ・・・」


ランブル副団長の存在を思い出して真っ先に今の状態を確認したいが為に、勢いよく起き上がってしまった。

そのせいでいくつかの点滴の針が抜け、同時に腹部に痛みが走る。

腹から出血している感覚がある。どうやら傷口が開いてしまったようだ。

お腹を抑えて痛みを堪えようとしてたところにガラガラとドアを開けて誰かが入室してきたようだ。


「・・・!ちょっとシバ!何やってるの!」


「パ、パルヴァティ様!大変です!シバ君が・・・!」


「とりあえず、横にさせるよ。」

「・・・はい。じゃあ傷口塞ぐからじっとしてて」

「再生ノ脈・生命の癒し手」


すごい。傷口が塞がっていく。

さすがパルヴァティ様だ。道具を使わずにこんなすぐに傷口が塞がるなんて。


「はぁ。10徹目のせいで集中力がないから今はこれくらいしかできないけどね。」


よく見たら目の下の隈がすごい。髪もいつもより乱れているような気がする。


「パルヴァティ様。早くお休みになられた方がよろしいかと私は思うのですが・・・」


「うん。君たちと話をしてからゆっっっっっっっっっっくり眠ろうと思ってるよ。」


タメが長かったな・・・

相当何かに対する怒りもあるのだろうか。


「お話ですか?」


話の内容はランブル副団長、そしてネロの状態と例の男の組織の存在についての2点だった。

ランブル副団長はここに運ばれてからたった2日で目覚めて退院したそうだ。本来であれば1週間以上は入院するべきな程の重症だったのにも関わらずに2日はすごい。ネロはナンナが目覚めた時、すなわち数時間前に退院したらしい。

そして例の男の組織については・・・


〜〜〜〜〜留置室〜〜〜〜〜


身柄を拘束された状態で正座をさせられる。


「さて、本音を話してもらうよ。」


「僕は話さないぞ!何をされても!」


「カツ丼でもあげれば話してくれたりしない?」

「それか親子丼とか?」


「食べ物で釣ろうとするんじゃない!」

「あとなんなんだ!そのチョイスは!?」


後ろに立って見ていたパルヴァティ様がイミテイト様に近ぐいて軽く袖を引っ張る。

イミテイト様が「なんだい?」と問う。その答えは単純なことだ。


「本人から直接言わせるのは無理だよ。」

「いっそのことセヴァスの神脈で吐かせた方が早いと思う。」


「う〜ん。それもそうだね。」


直後、イミテイト様が二拍手する。すると、あらかじめ隠れていたかの様にぬるっと二人の後ろから執事服を着た青年が現れた。


「お呼びでしょうか?」


「セヴァス。いつものお願いしてもいいかな?」


「かしこまりました。」


すると手に着用していた手袋を外し、男の頭に手を置く。


「な、何するんだ!やめろ!」


「催眠ノ脈・メモリーマニプラーション」

男の動きがピタッと止まり、目は虚ろ目状態になった。

叫ぶこともないし、暴れることのない。まるで暴れ回った後の動物の様だった。


「ありがとうセヴァス。それじゃあ尋問を始めようか。」


そこからは順調に進んだ。“救世の六神は他に五人いること” ”邪竜を復活させるための鍵を集めること“ ”自分は最近入った側だから他の奴らからの言われたことしか知らないこと”

情報が多く手に入ると思っていたイミテイト様達だったが、さほど多くの有益な情報を得られなかったことに少しガッカリした。が、それでも大陸全体が今後危機にさらされる可能性を考慮して今後の動きを決める資料になったとしてそこから数日間はずっと仕事だったという。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「そんなわけで、来週くらいには文通が各国に届いて各国々の長達が来国することになったよ。」

「その際には護衛をお願いね。」


「は、はい!分かりました。」


俺がそう返事をすると、パルヴァティ様が盛大な欠伸をし睡魔に支配されてる様な顔をしていた。


「ふぁぁ・・・そろそろ寝るね。流石に死にそう・・・まあ私は死にはしないんだけどね。」


席から立ち、おぼつかない足取りてドアの方へ歩きながらまたしても欠伸をする。

本当に心配だなぁ。睡眠時間24時間以上になるんじゃないか?


「二人とも、とにかく今はゆっくり休んで早く回復させることに集中してね。」

「それじゃあ私は失礼するね。」


そう言ってパルヴァティ様は部屋を退室。

俺は「はぁ・・・」と深い溜め息をつき、「どうしましたか?そんな大きなため息を出して」と言われたが、無視する形で目を瞑る。


今は早くこの傷を治すことに専念しないとな・・・


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