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Ημίθεος_ヘーミテオス_  作者: 五智噸虞
〜三章 魔の神殿〜
31/39

第31話 圧倒的

第31話です。

再生ノ脈?そんな神脈今まで聞いた事ない。

しかし、パルヴァティ様の左目が光っている。

おそらく、再生ノ脈とやらが発動しているのだろうと直感的に分かった。


心臓部や腹部など、致命傷になっている箇所を重点的に治していく。

傷が一つ塞いだら別の人の傷を・・・その人の傷が塞いだらまた別の・・・の繰り返し。


「パルヴァティ様!お手を煩わせてしまって申し訳ありません!」

「残りは私たちが処置を行います。」


慌てて駆けつけてきた人たちはどうやら医療従事者らしい。

シバ達は彼らによって病室へと運ばれ、治療される事になった。


「ねえ、あなたたち。」


パルヴァティ様の一声に私は返事をする。


「どうやって彼らをここまで連れてきたの?」

「装置か何か使ったの?」


「あっ・・・いえ・・・ぼ、僕の神脈でここにワープしてきました。」


「あなた・・・確か今年自警団に入った子だよね?確か転送の神脈が使えるんでしょ?」

「ならさ、テイトが戦い終わったらワープして迎えに行ってくれないかな?」


「べ、別に構いませんけど、その・・・あ、相手は何してくるかわかりませんし。」

「だ、第一戦い終わるタイミングなんて分からないと思うのですが・・・」


「大丈夫、私には分かるから。」


パルヴァティ様は右目に指を差しながらそう言った。

どういう意味だろうか?


一方その頃。

先ほどの部屋では攻防一戦の戦いが繰り広げられていた。


「君、中々やるねぇ。敵じゃなかったら、うちの自警団に入れたかったくらいだよ。」


「そいつはどうも!」

こいつの神脈、属性がわからねぇ!

なんなんだ!こいつの力は!


シバの様に部屋中を飛び回りながら、アストーや彼の手下達に攻撃を仕掛ける。

しかし、手下達は斬られても立ち上がってくる。


イミテイト様も流石に細切れにはしたくないのか、腕や足を切り落とす程度で済ませた。


「君の手下達、今一つって感じだったね。」

「どうする?君の手下達はもう武器も握れないけど。それでも操るのかい?」


「脳筋だなぁ。それが天帝様のやり方なのか?」

アストーは苦笑いしながらイミテイト様に問うた。


「生憎、戦略や心理戦などの細かい事はパートナーにいつも任せていてね。」

「僕自身前線に出て戦う方が性に合っているんだよ。」


笑みを浮かべながらイミテイト様は話す。

しかしそれが相手にとっては挑発の様にしか捉えられなかった。


「・・・・・・・・・ッ!!」

「お前を殺せば、僕は大きく貢献できるんだ!だからさっさと死んでくれ!」

「神脈武器・死終針!」


すると彼は神脈で極太の刺繍針の様な物を作り出した。


「面白そうな武器だね。それじゃあ、耐久性のテストといこうか」

イミテイト様は恐るどころか、この戦いを楽しむ様な笑みを浮かべた。


それからは一歩的だった。

アストーの突きや斬撃を剣で受け続け、もはや彼自身ではなく武器を狙っていた。

イミテイト様は相手の体力を尽かせることが目的だったのだ。


「はぁ・・・はぁ・・・」

「クソ・・・」

攻撃しても避けられる・・・相手からの攻撃は喰らったらやばい・・・

悔しいけど、逃げるか・・・・・・


アストーは体全体を無数の糸のでできた人形の様に変形し、糸を分散させた。

しかし、イミテイト様は逃げることを許さなかった。


「僕から逃げられるとでも思ったのかな?」

「破壊ノ脈・オーバーライド」


次の瞬間、散らばった糸が一点に集中しアストーを元の姿に戻したのだ。


「ッ!?」

「な、なんでだ!?なんでキャンセルされた!?」


アストーは何故逃げることができないのか困惑している。

しかし、その間にイミテイト様はシバをも超える速さで彼の目の前に立ち片手で彼の両手を掴んで言った。


「困惑してるとこ悪いけど、もう遊びは終わりだよ。」

「君は組織の一員みたいだから、色々と情報を吐いてもらうよ。」


王宮では・・・


「・・・ようやく終わったみたい。」

「ルーラ、ワープをお願い。そしてフーディニ。拘束用のチェーンを準備して。」


「は、はい!」


「承知致しました。」


瞬時に判断し簡潔な指示を出す。

私はさっきのも含めて、やっぱり至高神なんだなぁ。と内心思った。


ルーラさんはワープの輪を作り、イミテイト様を迎える。


「放せ!僕はまだ終わらないぞ!」


「あはは、少々暴れているからフーディニ。拘束してもらえるかい?」


「はい。直ちに。」


そうして、六神の内の一人であるアストーの身柄を拘束することに成功した。

それよりも、私はシバが心配だ。

早くシバの所に戻らなきゃ!


しかし、フローラさんが私の左手を掴みそれを阻止した。


「フ、フローラさん!?なんで止めるんですか!?」


「エリシーちゃん。気持ちは分かるけど、あの傷じゃあ当分は目覚めないわ。」

「私達は国に帰って事の流れを団長やフエンテ様達に報告しないといけないの。」

「全て終わって一段落ついたらネロ君のお迎えついでにお見舞いに行きましょう?」


・・・・・・・・・

腑に落ちない。けど、仕方ない。

騎士団員として国へ報告することは仕事の一つなのだ。


「では、イミテイト様、パルヴァティ様。私達リップル騎士団はフエンテ女王に今回のことを報告するため帰国させていただきます。」


「うん。分かったよ。あちらの国での仕事が落ち着いたら、また来てね。」

「それよりも、今はこっちの対応をしなきゃね。」

「パル。例の部屋の鍵を開けておいてほしいんだけど、お願いできるかな?」


「うん。分かった。」


そうして私達は別れ、私達は帰国、彼方は取り調べを行うことになった。

あのシバ達の姿を見ると、戦いに勝ったけど勝負に負けた感が凄いわね・・・

・・・・・・シバ、ネロさん、ナンナさん、ランブルさん。どうか無事であります様に。


私は一日中シバ達の無事を祈った。

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