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Ημίθεος_ヘーミテオス_  作者: 五智噸虞
〜三章 魔の神殿〜
30/39

第30話 破壊ノ脈

第30話です。

記念もクソもありましぇーん。

「すまない。今はゆっくりと話している時間はない。」

「急いで中の様子を確認しなければ・・・」


「な、なら、僕の神脈で・・・!どうぞ!」


ルーラさんは目の前に大きなワープの輪を作り出した。


「ふむふむ・・・って感心している場合じゃないね。感謝するよ。」


「わ、私も行きます!」


「構わないけど、ここから先はどうなるか分からないよ。それでもいいなら着いてきても構わないよ。」


そういうと、イミテイト様は中へ入られてしまった。

・・・・・・私は臆病者じゃない!私は臆病者じゃない!私は臆病者じゃない!

よし!行こう!

意を決意し、私も輪をくぐる。


その先の光景は、バケモノが倒れているのではなく、血まみれの仲間達がただただ敵に攻撃されているという残酷なものだった。

後から来たフローラさんも、この光景を見て絶句していた。

絶句しながらも今すぐ駆けつけようとしたフローラさんだったが、イミテイト様がそれを止めた。


「な、何故止めるのですか!?」

「このままでは、みんなが・・・・・・」


イミテイト様の方を見るが、イミテイト様は私たちと違い全く動揺していない。


「正面にいるあの仮面の男・・・明らかに他とは氣が違うようだ。おそらく、あの者がこの神殿に訪れた者達に被害を合わせている人物だろう。」

ここ数ヶ月単位で他の場所でも似た様な事例が多い・・・多分だけど、何かの組織が裏で動いていると仮定していい。


「あの者は強敵だ。隙を見せたらやられるかもしれない。」

「僕が前線に立って引きつける。その隙に君たち2人でみんなを救出。そして君は城へのワープをお願いするよ。」


その指示後、イミテイト様は剣を持って相手へ高速並みのスピードで飛び込んだ。

切ったかと思ったが、間一髪で斬撃は受け止められていた。


「・・・ッ!」

速い・・・それに威力の高い斬撃。糸が無かったら左腕消し飛んでたなぁ。


「へぇ、脱力した状態の僕の攻撃を受け切れるなんて・・・大したものだね」


敵の狙いがイミテイト様に向かった事で私達は迅速でみんなを回収し始める。


「シバ!しっかりして!」


シバの肌は徐々に冷たくなってきている。早く助けてあげないと・・・

シバを抱えながらワープをしようとした瞬間。シバが急に浮き始めた。

他のみんなも浮き始め、イミテイト様に襲いかかり始めた。


「ランブル!シバ!目を覚ますんだ!」

単純に操られていると思って良さそうだね。

まあどおってことはないかな。


その光景を見ていると、急に手足が動かなくなってしまった。

急な事に困惑し、必死に踠くが無駄な事だった。

辺りを見渡すとフローラさんもルーラさんも同じ状況下に置かれていた。


次の瞬間、私は無意識にイミテイト様に向かって飛び込んだ。

剣を構え、体勢を変え、神脈を出そうとしてしまう。


「イミテイト様ーー!!」


明らかに聞こえる様な声量で叫ぶが、イミテイト様は避けようとしなかった。

このままじゃ、イミテイト様に当たっちゃう・・・!


「・・・・・・・・・」

あんまりこの力を使いたくはないけど、数が多すぎるからね。やむを得ない。


「破壊ノ脈・オーバーライド」


直後、イミテイト様は左目の眼帯を外して右目を閉じながら、この場にいる敵味方全員に目を通した。

その結果、私達の体は自由になりシバ達も暴れなくなった。


「あっ!助けないと!ルーラさん!」


「わ、分かってます!」

「転ノ脈・ワープライナー」


フローラさんが出した花にシバ達を乗せて、安全を確保しながら輪を潜る。

その先には何やら食堂の様な場所だった。


「んあ?な、なんだ!?ってルーラじゃないか!どうしたんだ一体!?」


「フ、フーディニさん!す、すいませんが、今すぐに自警団の医師を数人連れて来てください!」


「ふ、副団長!!シバに、ナンナ!!」

「分かった!今すぐ連れてくる!」


何やらルーラさんと同じ団員のようだ。

別の部屋にいた人達もこの状況を見てざわめき始め出した。


「シバ!しっかりしなさい!」

「まだ勝負は終わってないわよ!勝手に死ぬんじゃないわよ!絶対に!」


今の私にできることは、精々祈ることしかできなかった。

涙を流し、鼻水を垂らし、他の人から見たら滑稽だと思うかもしれない。

けど、そんなことは今はどうでもいい。早く・・・早くシバを助けて・・・・・・


数秒後、さっきの人が誰かを連れて走って来た。

その連れて来た人は・・・・・・


「はぁはぁ・・・休んでる暇はなさそうね。今すぐ治癒を始めるから、みんなは静かにしてて。」


現至高神のパルヴァティ様だった。

直後、パルヴァティ様は左目が隠れるほどに伸びている前髪を上げ、傷口を見つめながらそっと傷口に手を添えた。


「再生ノ脈・生命の癒し手」

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