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Ημίθεος_ヘーミテオス_  作者: 五智噸虞
〜三章 魔の神殿〜
23/40

第23話 初めて手にする武器

23話です。

「ふぃ〜。やっと読み終わった〜!翻訳しながら読むのって結構疲れるものね」

「なんか後書きみたいなものも書かれてるけれど、まあそんな重要なことは書いてないでしょ。戻しに行こっ」


私はそのボロボロの本をあった場所に戻した。

何故だか分からないけれど、この本から何か感じるというか何か呼ばれている感じがするというか・・・

まあ気のせいよね!多分頭を使ったから疲れているんだわ。

せっかくお金もあるんだし、甘いものでも食べてこーっと!


店から出て商店街の方に入ると、豪邸の方とは全く違いアトリビュートと同じような賑やかさで満たされていた。

この前フローラさんと少しだけ一緒に立ち寄ったくらいだったけど、こんなにも賑やかなのね!


パフェを食べ、アクセサリーを買い、ゲームをして身も心もリフレッシュできて満足満足!

その後も、色んな場所に入っては楽しんでの繰り返しをしているとある店が私の視界の中に入った。

それは”武器屋“である。


確か、あの本には紋章刻印された武器じゃないと使えない技とかあったわよね。

もしかしたらあるかもしれないわね!行ってみよ!


「らっしゃいませ〜」


私はまず、置かれている武器に目を向けた。

剣はもちろん、槍や斧に杖まである。


「写真でしか見たことやっぱり迫力あるわね。試しにこの大きめな斧を持ってみよ!」

「うわぁ、斧ってすごく重いわね・・・持ち上げれない・・・」


改めて自分の体力の無さに少しだけ情けなさを感じた・・・

持ち上げるのに苦労している中、ある女性店員さんが私のところに駆け寄ってきて助けてくれた。


「あ、ありがとうございます。おかげで助かりました。」


「いえいえ、よく神のお客様はこれを持とうとして、大半の方は持ち上げられないようなことがほとんどですので・・・」

「お怪我とかなさいませんでしたか?」


「怪我とかはないので大丈夫です。」

「あっ!一つお尋ねしても大丈夫ですか?」


「なんでしょうか?」


私は、目的である紋章刻印されたものがないか尋ねることにした。

「この店に紋章が刻印されている武器とか道具ってありますか?」


「すいません。よく分からないのですがそれは、どういったものなのでしょうか?」

女性店員さんは顎に手を添えて、私の言っていることを理解しようとしてくれていた。


「えっと・・・つい先程まで水属性の技の本を読んでまして、その中に『紋章刻印された武器を所持している場合』みたいな記述がされてまして・・・それでこの店にそれがないか探しているんです。」


「なるほど・・・この店には古来から伝えられてきた鍛治という製法で武器を生産・販売しておりますので、そういったものはないですね・・・」

「ですが、その紋章についての知識としては少しだけですがありますよ。」


「ぜひ教えてください!」


「この知識が絶対正しいという保証はありませんが、確か“2人が特別な儀式を行った後に紋章がお互いの身体に刻まれ、その状態で武器を握ると自然と武器にも刻まれる“みたいな感じだったような・・・」

「先程も言いましたが、私のいったことと真実が違う可能性があるのでふーんって感じで思えばいいと思います。」


「いえいえ、それが聞けてありがたいです!ありがとうございます!」


「せっかくですし、何か買ってみてはいかがですか?」

「ここには頑丈で軽い武器がたくさんありますよ!」


「そうですね、それじゃあこの剣をください!」


「ありがとうございます!」


私は、『当店オススメ!』と書かれた箇所に置かれていたレイピアという名の剣を買った。

出費が痛かったのは、仕方がないけれど・・・


だけども、初めて鉄でできた武器を手にしたことで私心は躍っている。

早くこの武器を使いたい!けれど、流石にここじゃあ危ないか・・・


私は、とりあえず豪邸に戻ろうとしたその時、


「おっエリシー!もう用事は済んだのか?」


ネロさんがボロボロの状態で私のところに歩いてきた。


「うん。っていうか大丈夫?今日は特に大きな仕事は誰もなかったはずじゃ・・・」


「え?ああ、ついさっきまで闘技場で戦ってたんだよ。中々手強くて負けちまったけどな!アハハハハ!」

ボロボロなのとは裏腹に表情は満足そうに彼は話している。多分心の底から戦いを楽しんでいたんだろう。


「おっ?アンタ、その手にしているのって・・・」

彼は私が持っているレイピアに目を向けてそして目を輝かせていた。


「アンタ!武器を買ったんだな!帰ったら一緒に模擬戦やろうぜ!」


「ええ・・・急だね。まあ、別に私は構わないけれども」


「おっしゃ、じゃあ早速帰ろうぜ!うぉぉぉぉぉ!!!!」


そうして彼は全力疾走して豪邸へ戻った。

いや、いくらなんでも速すぎるわ。

私も、日が暮れる前に小走りしながら豪邸へと帰ることにした。


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