第22話 礎の大英雄王
第22話です。
タイトルが”礎“ってどういうお話なんだろう。
えっと、文字は、授業で習った古文法で書かれているが、勉強してた甲斐があったおかげでなんとか読める。
表紙のカバーが厚いだけで、ページ数は数十ページほど。
おまけに文字が通常の小説よりも2・3倍は大きいときた。
「まあ見やすいことこの上ないわね!」
「時間もかからないと思うから試しに読んでみよ!」
私は迷いなくこの本をレンタルして本を読むことにした。
本の内容は、昔見た絵本の様に語り口調で書いてあった。
自分で翻訳しながら読もっと。
序章〜神界戦争〜
時は数千年前。それはまだ人間と神が別々の世界で過ごしていた頃まで遡ります。人間は地、神は天で生活していました。
ある日、突如神々の間で戦争が勃発しました。その戦争の内容は後継ぎは誰が引き受けるのかというもので、以前まで全ての人間を見守ってきたゼウス神は寿命で消えてしまい、ゼウス本人から後継ぎの話は一度も出たことはなかったのです。
誰がゼウス神の後を継ぐかで問題になり、結果的に力を持つものという観点で決着をつけようとなりました。
そこから次第に争いは激しくなり、戦争に加勢する神も多くいました。徐々に戦況は悪化。場所が天という事もあってもちろん人間への影響は凄まじかったのです。
豪雨に落雷、大粒の雹や台風。それはそれは悲惨な日々を過ごしていました。
当時の人間は神が見えない存在で、神に対して人間はただ祈ることしかできませんでした。
人間は目に見えない存在に懇願した。その祈りの対象が原因とも知らずに。
そこから数日が経ち、海は荒れ、地は崩れて割れて、人間は億単位の数が死んでしまったのです。
同時に、神々の戦争は更に増す一方でした。それをずっと見ていたトリムルティー一族はこう思ったのです。
”我々だけでも、人間達を助けなければ!“
“神として、この地を命を守りましょう!”
・・・と。
中章〜大暗黒時代〜
トリムルティー一族の力のおかげで、人間の地は安定を取り戻したのです。
いくら天候が悪くなろうが、どれほどの災害が起きようが、大陸が崩壊するような規模ではない限り護られる様になりました。
そしてある時、トリムルティー一族が地球を見守っていると、突然争いの音が聞こえなくなったのです。
あれほど大規模な戦争が突然終わるなんてあり得ないと思った一族の1人が天に戻って様子を伺おうとすると、後継ぎの候補として名を挙げていた神々全員が倒れていました。
倒れている者の側に駆け寄ると、その神の紋章が刻まれていた眼がくり抜かれていたのです。他の神を見るも手や足などの身体の一部がまるで“奪われた”かの様になかったのです。
1人の神は恐怖心に煽られ辺りを見渡しましたが手掛かりになる様なものはなく、とりあえず一族のみんなに説明しに行こうとしたその時。
急に天が揺れたのです。本来であれば空中にいる者は揺れは感じないはずなのに、まるで地震の様に揺れ動いたのです。神にとってこの現象は初めてで生き残っている神全員がパニックに陥っていました。
揺れが少し落ち着いた後、何が原因でこの揺れが起きたのか全員で天全体を探りました。
探り出したのも束の間、1人の神が見つけたのです。“宙にできた亀裂”を・・・
数秒後、その亀裂が広がりやがて巨大な穴ができ、その穴からなんと化け物が出てきたのです。
その化け物のせいで地球は闇に包まれ、地も空も混沌の闇に包まれた状態でした。
“もうこの世はお終いだ・・・”
“神なんていなかったんだ・・・”
人間は、必死にその化け物に争いながらも生活していましたが、それも過酷な生活が続く一方でした。
未だに空は闇に包まれたまま。当然太陽の光は地を照らすことはないので、植物は育たないどころか人体にまで影響が出る始末。
神は、宙にできた亀裂から溢れる化け物達を人間の目が届かないところで駆除していました。
休む暇もなく、毎日力を使うことの繰り返し。溢れ続ける無数の化け物の相手をし続けるのは無謀なことですが、解決策どころか対処法も分からない以上こうすることしかできなかったのです。
有力な神は皆殺され、人間も何万の命が消えていっている。
これこそまさに神と人間の“大暗黒時代”なのです。
終章〜礎を築いた大英雄王〜
その大暗黒時代が始まってから数百年。
地はほぼ割れ巨大な大陸は無くなり、島国の多い地球に変わり果ててしまいました。
人間は大量に死に、植物は枯れ果てて、生態系の絶滅危惧種に指定されていた動物は全滅。
神は本来であれば、死した者への判決の仕事で溢れて多忙な状態になるはずですが、前述している通り、神は化け物と戦っている最中。死した者の魂は、その化け物と戦う為に装備を持たされ化け物と戦うことになるのです。
攻撃を喰らった魂は消滅する為、輪廻転生ができなくなってしまうという途轍もないリスクを背負ってまで。
そんな中、宙にできた亀裂から明らかに他とは違う大きな化け物が出てきたのです。
そしてその化け物は地へと落ちていき、着地と同時に一大陸を破壊したのです。
それを見ていた神達は“あれを倒せば、きっとこの混沌の地球を助けることができるはずだ!”と思い、神も地へと舞い降りました。
地に降り立ったとはいえど神は少なくとも人間の数百倍はあり、一歩歩くだけでも大きな損害が出てしまうと考え、神はなんとかして天で戦わせようと思いましたが、敵は当然聞く耳を持たずやがては辺りを口から出る光線で地を焼き尽くす事ばかりしていました。
すでに力を使い果たしそうな神は人間には申し訳ないと思いながら、化け物に挑もうとしたのです。
しかし、敵に力は通じず反撃と追撃の連撃を喰らい、ほぼ壊滅状態までに追い込まれました。
“一体、どうすれば・・・この混沌を、化け物を消すことができるの?”
1人の神は、こう思いました。ゼウスの後継者として名が挙げられていた内の1人である神がこう思う以上、もうなす術は無いと諦めていました。
すると神の目の前に、小さな何かが化け物に向かって飛んでいったのです。
その小さな何かの方へ目を向けると、化け物が急に苦しそうに踠いていたのです。
何が起きたか分からなかった神は、硬直してただただ、化け物の方を見る事しかできませんでした。
暫くすると、化け物は両目を瞑り、歯は削られ、身体は傷だらけになって倒れました。
その後神は動かなくなった化け物を頑丈な封印の神脈を使い異空間へ転送した。
神はその小さな何かを見つけ、会話を行った。
「本当にありがとうございます!あなたのおかげでこの世界の地と天がまた再び輝きを戻すことができました!」
「これが・・・光・・・か。」
「初めて見た光景だな。」
「どうぞ、なんでも願いを言ってください!なんでも叶えてあげますよ!」
「ああすまん。話を聞いていなかった。・・・願いだったか?」
「・・・そうだな、それじゃあアンタら神たちは俺たち人間と同じような大きさになって、人間と同じ生活をする。それでいいか?」
「それが・・・願いですか?」
「ああ。アンタらが知っているか分からんが、この大陸だけでこの有様だ。元に戻るにはアンタらの力が必要だ。」
「でもそれだと、わざわざ我々神があなた達人間と同じ大きさになる理由がないと思うのですが・・・」
「そりゃ、見ての通り俺の知る限り人間はほぼいない。ずっと孤独だったんだ。せめて目に見える存在、言うならば語り合える人が欲しい。アンタらの様な神なら面白い話もできるかもしれんと思ってな。」
「そんな理由で・・・いや、いいでしょう。私達神々があなたの願いを叶えましょう。」
そしてその神は人間の願いを叶える為にまだ意識のある神々に説得し、多くの神が人間と同じサイズになりました。その後、神々が膨大な力を合わせて大地を復元、瀕死の生物の回復、全て建物の再建築など本来であれば数百年から数万年かかる様な事を数ヶ月で終わらせたのです。
全てが終わり落ち着いた頃、男は神に提案しました。
「俺たちの国を作らないか?国名はアトリビュートだ。」
「うふふ。国名をもう考えておられるのですね。いいですね。後世に語り継がれる立派な国を作りましょう。」
それを聞いた神々は即刻国を建国し、そして作られた国が今でも語り継がれる”アトリビュート“なのです。
その国王が礎を築き上げた初代天帝”アイク“そして同じく初代至高神の“ガイア“です。
しばらくして・・・
「私は、あなたの魂が消えるまで来世でもずっとあなたのお側にいます。」
「ああ。俺も魂がこの世に残り続ける限り、必ずアンタの側にいる。」
宇宙で初めて人間と神が結ばれ、契りを交わし、人間と子供の子が誕生したのです。




