第18話 恐怖を語る者 エリシーside~
18話です。
時は夕暮れ。私は晩御飯をフローラさんと食べていた。
「なんだか、今晩は果物が多めですね。」
そう、今日1日のご飯のメニューが8割フルーツを使用されているものばかりだった。
地元でほぼ毎日シバとかじいじとかと食べてたから全然慣れてるから大丈夫だけど、昨日まではお肉とか平気で出てたのに。と違和感を感じていた。
「そっかエリシーちゃんは知らないのね。今朝フレンテ女王が私たちへの差し入れとしてたくさんの果物をくださったのよ」
「お陰で私たちのお肌は良くなるばかりよ。ありがたいわぁ」
そう言いながらフローラさんは頬に手を当てながら「ん〜」と満面の笑みを浮かべていた。
その後、フローラさんがある方へ指を指し始めた。
「あの厨房に食糧庫あるじゃない?あれの中にパンパンに果物達が詰まっているのよ。」
「ええ?!いくらなんでも量が多すぎでは・・・?」
今にも溢れ出そうなほど扉が出っ張っている。
これは当分果物生活になりそうな気がする・・・
「しかし何故フエンテ女王があんなに果物を下さったのでしょうね。別に私たちにあげなくても国民の方々に給付すればいいのに」
「確かにそうね。何か理由があるのかしらね。後で団長さんに聞いてみるわ。」
パクパクと口と手を動かし、食事を終わらせてフローラさんと一緒に優雅に入浴を済ませた。
すっきりした後部屋に戻ろうとすると部屋の入り口にあるポストに手紙が入っているのが見えた。
それを手に取り、中身を見ると・・・
“明日の朝に団長室へ来い。フエンテ女王とマルドゥク覇神から直接話がある。”
と記載されていた。差出人はルフレ団長からだった。
私は部屋に入り、その手紙を机の上に置きベットへうつ伏せになって
「え〜私なんかやっちゃった?!え〜怒られたくないよ〜〜」
幼い子供の様に足をバタバタと動かして頭を枕に埋めていた。
そこから束の間、今の自分の姿に恥ずかしさを感じ無言になり冷静になった。
はぁ。シバったら今ごろ何してるのかな・・・多分任務とか仕事とかキッチリやってるんだろうなぁ。
1人で敵に挑んで勝って、実績を積んで、そしたらすぐに天人に・・・
『どっちが先に一番上に立つか競争ね!』
昔の記憶がそこから先を考えるなと言わんばかりに脳裏をよぎる。
「そうよね。たとえどんな事があろうとも私はあの勝負に勝つために、頑張らないと。」
翌朝。私は身だしなみを整え、団長室へ足を運ぶ。
団長室へ入った瞬間、目には見えないオーラを放つ3人が立っていた。
「エリシーだったっけ?久しぶりだね。こうして顔を合わせるのはあの時以来だね。」
「マルドゥク、少し落ち着いて。貴方、立ってないでそこのソファーに座って頂戴。」
言われるがまま私はぎこちない動きをしながらソファーに座った。
私は緊張しつつも話の内容を伺った。
「実は明後日、各国の覇神達と至高神がアトリビュートで話し合いがあって少しの間国を離れないといけないんだよ。」
「私1人では難しいから騎士団のみんなの力を借りたいという私達からのお願いよ。」
「気づいてるかもしれないけど、先日この団に果物を仕入れたのも今回の件で窃盗とかされない為よ。」
「・・・量が多すぎたのには反省してるわ。」
「そ、その件については全然引き受けるつもりですが、私達だけっていうのは無理があるんじゃ・・・」
「心配ない。前もって他の奴らには俺から伝えている。ただ、今回はフエンテ女王からお前に別の話があると仰っていたんだ。」
「私から貴方にある技を教えましょう。今日中までにそれを完璧に使える様になってもらうわ。」
フエンテ女王直伝!?嬉しいけど、私にできるのかな・・・?
その後、フエンテ王女についていきほぼ休憩なしで特訓させられた。
そして、時は翌日の薄暮。
私達騎士団はルフレ団長の指示を元に動き、森を監視する者。王城の門番をする者。国町を見張る者。大きくこの3つに分けられた。
残念なことにフローラさんとは別の場所になっちゃった・・・
しかも森を監視する側になるなんて・・・
いや!ここで怖がっちゃしちゃいけないでしょ!
私は騎士団の一員!それに昨日フエンテ女王から教わった技を使えば良いんだし!
そう自分を鼓舞させながら森の中を歩く。とても視野が悪い。
日も暮れてしまったし懐中電灯も持ってないので、ライトニングアクアも使えない。
冷風が木々の隙間から吹く。枝が風で折れる音も鮮明に聞こえる。
不覚にも全身が敏感になっているのを感じる。
次の瞬間。背後から鳴き声がした。
私は腰を抜かし、悲鳴を出すことすらままならなかった。
振り向いた先にいたのは、鳥だった。
手羽先にして食べてしまいたいと思う程私は怒りが沸いたのと同時に安堵した。
「大丈夫かい・・・?お嬢ちゃん」
私は声のする方へ振り向き返事をしようと思った。
しかしながら、その声主は騎士団でもなんでもない仮面をつけた男だった。
「おや・・・?君は、この国の騎士団員かな・・・?」
「それじゃあ、目障りだからさ・・・死んでもらうね・・・」
私は必死の思いでウォーターガンを相手に放った。
しかし、彼はそれを避け私から間合いを取る。
「君は、知ってるかい・・・?」
『朝に紅顔有りて夕べには白骨と為る・・・って言葉を・・・』




