第1話 初めは
第1話目です。
挿し絵:のらっぺ様
初めてで拙いですが、これから小説について学んでいく所存です!
首都から離れた田舎にポツンと立つ一軒家にて、俺はキッチンに足を運び、台所に溜まっている食器を洗うために蛇口を捻って水を出す。
俺は、勢いよく出てきた水に手を差し出す。冷たっと思いながら、次々と食器を洗う。
俺の属性的には相性はいいのだろけれども、身体の方ががどうにも冷水が厳しいんだよな。属性と身体は似ているわけではないらしいな。
と、俺はそんなことを考えながら着々と食器を洗っていく。
側で調理をしていた爺さんから「シバ。もう飯ができるからエリシーを呼んできてくれ。」と声がかかる。
俺はその呼びかけに応えて家の外にいるはずのエリシーを呼びにいく。俺は玄関を出て家の裏の丘へと向かう。
すると黒と部分的に見える紫色の髪が風に靡かれているのが見えた。
「おい!飯ができてるから戻ってこいだってよ!」と俺は大きめの声で呼びかけた。
「そんな大きな声を出さなくても聞こえてるわよ。」
こいつがエリシー。俺の義理の妹みたいな存在で幼い頃からずっと一緒にいる。
見た目は村の男子達が告白するくらいにはいい・・・方だと思うが、実際は料理苦手、片付け苦手、洗濯苦手、掃除苦手・・・唯一できるのは洗い物を洗うことだろう。
「ふと思ったんだが、学校を卒業してからお前はいつもここにいるよな。なんでだ?」俺はエリシーに問いかけた。
「ほら、私たちしばらくしたらあの街に行くじゃない?私、そう考える度にこの村から出るのが・・・」
「嫌になったっていうのか?」
「違うわ。出ることが嫌なんじゃなくて、名残惜しく感じちゃうの。」
「まあその気持ちは俺にもある。だが、この村にずっと住み続けるのは俺は嫌だ。より成長するために、いろんなものを見るためにはこの村を出ないといけないんだ。」
「なに一人語りしてるのよ。でも、そうね・・・成長するためにはこういった感情を乗り越えていかなきゃダメよね。成長するためにね。」
エリシーの良いところはネガティブな感情になっても即座に自分に自信をつけることができるところだ。本当に見習いたいものだ。旅立ちした時は初めにエリシーのその良いところをできるようにしないとな。
俺はそう考えながら村の方に向かって、両手を広げて瞑想した。